「好き」を承認され、安心して表現できる「サードプレイス」の意味

くり返しになりますが、「趣味トーク」の場で起きているのは、単なる会話のトレーニングではありません。自分の「好き」を安心して他者に差し出せること、ほかの人の「好き」に触れて世界が広がること、そして少し先を歩く仲間やピアスタッフの姿に励まされながら、自分なりの参加の仕方を見つけていくこと――そうしたことが、この小さな余暇活動の場の中で同時に起きています。

発達障害のある子どもたちは、学校では「うまく適応できるか」、家庭では「落ち着いて過ごせるか」といった視点で見られることが少なくありません。もちろん、それらは大切なことです。ですが、ある程度の年齢に達した子どもたちにとっては、それだけではない、自分の「好き」や「その子らしさ」を持ったままで他者とつながれる場所も、同じように重要なのではないでしょうか。筆者は、「趣味トーク」などの余暇活動の実践を通して、そのことを強く感じてきました。

そう考えると、「趣味トーク」のような余暇活動は、療育のようなコミュニケーション支援を目的とした場所とはかなり違います。子どもにとって、家庭がファーストプレイス(第1の居場所)、学校がセカンドプレイス(第2の居場所)であるなら、余暇活動の場は、家庭とも学校とも違った、いわゆる「サードプレイス(第3の居場所)」といわれるところであり、発達障害の子どもたちが自分なりの過ごし方や他者とのつながり方を試していける機会として捉える必要があるように思います。発達障害のある子どもたち、とくに思春期の子どもたちにとって、なぜ学校や家庭とは異なる余暇活動のような居場所が必要なのか。そもそも「サードプレイス」とは何なのか。そうした点についてはまたの機会に、筆者自身の余暇活動支援の研究やこれまでの実践も踏まえながら、紹介していきたいと思います。
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https://h-navi.jp/column/article/35031135
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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