環境を変えただけで褒められる回数が増えた

自閉症の息子の学校選び。私が迷わず「特別支援学校」に決めた理由の画像
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保育園時代は、部屋から逃走する、じっとしていない、手洗いや洋服を着るなどの身辺自立が全く出来ない状態だったので、「出来の悪い子」とされていました。

3月31日から4月1日の一夜にして、脳に劇的な変化が起こり成長する訳もありませんし、問題行動を起こす事実は変わりません。
でも、環境が変わったら、椅子に数秒座っているだけで「凄いね」、給食を残さず食べただけで「偉いね」、靴が自分で履けただけで「○○君頑張っているね」と褒めてもらえました。だから息子はとても喜んで学校に通っていました。

もし、特別支援学級に入れていたら息子には叶わなかったことだと思います。

そして、親の私自身にも変化がありました。

保育園時代は、ウロウロと立ち歩く子どもは息子だけでとても目立っていて親として肩身の狭い思いをしていましたが、入学先の学校ではジッとしていられない子どもも多く、保育園ほど目立つことはありませんでした。

ですから、授業参観に出かけても、私自身が落胆したりイライラすることがなくなりました。同じことをしていても置かれた環境によって大人からの見え方は大分異なってくるものですね。身勝手な自分を反省しました。

3年生でやむをえず特別支援学級に転校

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特別支援学校に東京都の指導主事の巡回がありました。主事は学校側に「なぜ、この子がこの学校に在籍しているのか」と問い詰めたそうです。
「お母さまの強い希望で就学時健診を受けずに入学をしてきました」と学校は答えたそうです。

息子は行政側から「小学校3年生から特別支援学級に転校するように」と命じられました。
私はずっと特別支援学校に在籍させたかったのですが、何度も説得され従わざるを得ない状況になりました。

「支援学級から支援学校へ転校するケースはよくあるが、一度支援学校に入学すると支援学級に転校できなくなる」と耳にすることもありますが、どうやら違うようです。

そして小学3年生から支援学級に転校することになりました。
支援学校時代は通学はスクールバスでしたので健常児と交わることもなかったのですが、通学路で「あいつきもい」とか「変な声だしているヤツ」とあからさまに指を指されたことが何度もあります。

「元の学校に戻りたい」と何度も思いました。

転校先で出会った「お客様状態」になってしまう子ども

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今は行政は親の希望を優先して受けつけます。
だからこそ、息子も特別支援学校に在籍できたのですが、転校先では「どう選ぶかは親次第なんだな」と感じることがありました。

私が転校した支援学級には、オムツを付けている重度の子どもがいました。けれども、支援学級ではオムツを外す訓練はしていません。私はその子をみて「この子は特別支援学校に入学していればオムツを外してもらえたのになあ」と思っていました。

また、支援級は発達の凸凹の幅も広く、普通級で勉強が難しいグレーゾーンの子どもたちも在籍します。
ですので、算数や国語の授業も当然のように行われます。そんな中で「自分にはチンプンカンプンな授業にお客様状態で参加するなんて、その子は毎日は楽しい学校生活なのだろうか」と感じていました。

普通級を希望される保護者の中には「健常児からの刺激を受けて自分の子どももきっと伸びるはず」と考える方もいるかと思いますが、子どもの能力に適していなければ、必要なきめ細かな支援が受けられず伸び悩むこともあります。普通級の授業についていけず、そこでも「ただ参加しているお客様状態」になってしまっては勿体ない気がします。
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