LD・SLD(限局性学習症)は親から子どもへ遺伝するの?

LD・SLD(限局性学習症)の遺伝については、はっきりとした結論はまだなく、確率についての明確なデータはありません。しかし、LD・SLD(限局性学習症)の原因が脳の先天的な要因だとされているため、遺伝の可能性もあるのではと考えられています。

ですが、それは特定の遺伝子が親から子へ遺伝して発現するという意味ではありません。なんらかの遺伝的要因に、そのほかの要因が重なった場合に、複雑に影響し合って発現するため、親がLD・SLD(限局性学習症)の場合、子どももそうなるといった単純な遺伝ではありません。両親とも定型の場合でも子どもがLD・SLD(限局性学習症)である可能性もあるのです。

LD・SLD(限局性学習症)を検査する方法はあるの?

LD・SLD(限局性学習症)があるかどうかを出生前の妊娠中の段階で検査する方法はまだ存在しません。その理由は、LD・SLD(限局性学習症)の原因がまだはっきりと解明されていないことと、脳の異常を出生前に検査することが大変難しいからです。

出生後にも、血液検査や遺伝子検査などの生理学的な検査でLD・SLD(限局性学習症)を判断することはできません。LD・SLD(限局性学習症)は、何らかの学習をするようになって初めて症状となって現れます。それに気づいた場合、医療機関で問診や知能検査・心理検査などを総合して判断されるのです。

LD・SLD(限局性学習症)の治療法はあるの?

LD・SLD(限局性学習症)は、特性の偏りを判断することでぐっと対処しやすくなります。読字障害、書字表出障害、算数障害などのタイプの中にも一人一人により細かな得意・不得意の個性が存在します。ある子どもは文字自体を読めているが文字を音にするのが苦手だったり、ある子どもは文字を読めても作文や日記など長い文章を構成するのが苦手など、困りごとは人によって様々です。

これらの特性の偏りによる個性は専門機関での検査と診断で発見することができます。それをもとに、その子に合った対応法を探します。個性に合った対応法は子どもがやる気や達成感を感じるための大切な入り口となります。その子にあった方法で学ぶことや、ソーシャルスキルトレーニングなども本人の能力を高める対応法として存在しています。

例えば、現在ではパソコンやタブレットなどのICT(情報通信技術)の力を借りて、学習上の困難を減らすこともできます。例えば、活字を読むのが苦手な子の場合は、パソコンなどに教科書の音声を読み上げてもらうことが可能です。また字を書くのが苦手な子の場合でも、キーボードを利用したり、黒板をカメラで撮ることもできます。このように、本人の苦手意識を減らしながら学習を進めていくようにしましょう。

2016年4月からは障害者差別解消法によって合理的配慮が実施され、障害のある子どもに対して学校などで配慮がなされるようになりました。LD・SLD(限局性学習症)はツールを使ったり環境調整を行うことで、その子の学習における困難さを軽減することができます。その子にあった対応をすることで、本人の生きづらさが解消するので、まずは環境を整えることから始めましょう。
兵庫教育大学 「発達障害がある子供たちのためのICT活用ハンドブック 特別支援学級編」 2013年
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/09/tokushi_hougo.pdf
合理的配慮について|文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1297380.htm
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