子どもの睡眠障害の種類

子どもの不眠症

寝つきが悪い、眠りが浅く途中で何度も目が覚めてしまう、朝早く起きてしまう、眠りの質が悪いなど、睡眠が十分でない状態です。睡眠不足が続くと、「なんとなく調子が悪い」といった不定愁訴や、頭痛・腹痛、不機嫌やイライラの原因にもなることがあります。
出典:「不眠症」(厚生労働省健康づくりサポートネット)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-001

子どもの過眠症

夜ちゃんと寝ているはずなのに、日中あらがえないほど眠い状態です。低年齢の子どもは昼寝を必要としますし、体力がないので疲れていることもありますが、十分に睡眠時間を取っているのにひどく眠そうな場合やずっと寝ている場合、睡眠時無呼吸症候群など別の病気が関係している可能性があります。
出典:「ナルコレプシー(なるこれぷしー)」(厚生労働省健康づくりサポートネット)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-043
出典:「昼間の眠気 – 睡眠不足だけではなく睡眠・覚醒障害にも注意が必要」(厚生労働省健康づくりサポートネット)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-002

子どもの概日リズム睡眠障害

昼夜のリズムと体内時計がうまく合わず、調節できなくなって睡眠リズムがくずれてしまい、社会生活に支障をきたす状態のことです。子どもの場合、朝起きられないと園や学校にも遅刻してしまい、不登校につながりやすい傾向も指摘されています。先ほど紹介した非24時間睡眠覚醒症候群も概日リズム睡眠障害の中の一つです。
出典:「概日リズム睡眠障害(がいじつりずむすいみんしょうがい)」(厚生労働省健康づくりサポートネット)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-007

子どものいびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)

子どものいびきや無呼吸は、正常な睡眠や成長に悪影響を及ぼすことがあります。子どもの場合、いびき、無呼吸の主な原因は、鼻づまりやアデノイド・口蓋扁桃(こうがいへんとう)といったのどや鼻の奥のリンパ組織の肥大で、物理的に気道が狭まることです。また、肥満で気道が狭くなることもあります。

眠り出すと呼吸が止まってしまい、身体が酸欠状態になるため睡眠が中断してしまうため、十分に睡眠がとれなくなってしまうのです。長時間の睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続くと、深い睡眠がとれないことによる成長ホルモンの分泌低下に伴う成長障害など発達のさまたげになるおそれもあります。

アデノイドや扁桃肥大の場合、耳鼻咽喉科で手術すると治ることが多いようです
参考:小児の睡眠時無呼吸症候群に対する新しい簡易モニターの開発|工穣(2012).信州医学雑誌,60(6)
https://doi.org/10.11441/shinshumedj.60.357
参考:睡眠からみた小児睡眠呼吸障害|宮崎・北村(2012).日本耳鼻咽喉科学会会報,115(9)
https://doi.org/10.3950/jibiinkoka.115.830

子どもの運動障害(運動症)

■むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
脚などの下肢がむずむずするなど動かしたい強い衝動を覚えます。夜間など睡眠時間帯に起こることで、気になって眠れなくなったり深い睡眠をさまたげてしまいます。主に下肢にあらわれますが背中や顔などに違和感が生じることもあります。子どもの場合、「成長痛」との関連もあるのではないかといわれています。

脳内の伝達物質であるドーパミンの機能異常のほか、子どもは鉄分不足が原因で起きる場合もあるようです。鉄分の多い食事をとるなど生活改善を行うことで改善することもあります。
出典:「レストレスレッグス症候群 / むずむず脚症候群(れすとれすれっぐすしょうこうぐん)」(厚生労働省健康づくりサポートネット)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-068
■睡眠関連律動性運動異常症
乳幼児期から4歳くらいまでの時期に発症する睡眠障害。頭を左右に振ったり、前後に強く動かすなどする。9ヶ月の子どもでは59%に見られるほど、乳児期には非常に多い症状ですが、5歳前後には5%以下になります。

軽度なら問題ありませんが、頭を壁にぶつけてけがをしたり、音で家族が不眠になったりすると、治療が必要になる場合があります。

子どもの睡眠時随伴症

睡眠中に生じるねぼけ、夜尿、歯ぎしり、悪夢などの身体的現象の総称です。子どもによくある「寝ぼけ」を含め、睡眠中に歩き回り、起きると覚えていない睡眠時遊行症(夢遊病)、恐怖の叫びをあげたり、泣いたりして目覚める睡眠時驚愕症(夜驚症)、睡眠中に恐怖や不安をともなう生々しい夢をみる悪夢障害などがあります。重症なものは本人や家族を悩ませることがあります。

思春期までになくなることがほとんどですが、遺伝やストレス、外部からの刺激が原因であることが多いといわれています。ストレスや刺激を取り除くと共に、症状が出ているときにけがをしないように見守りましょう。
出典:「睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)」(厚生労働省健康づくりサポートネット)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-025

子どもの夜驚症

寝ている最中に突然泣きだしたり、叫び声をあげだしたりする状態のことで、睡眠時随伴症の一つに数えられています。夜驚症はノンレム睡眠時に起こり、心拍数の上昇や発汗などの身体症状も表れます。症状が起きているときは意識が朦朧としており、話しかけても返答がないことが多く、通常は数分後にまた入眠します。また、起きてから尋ねても夜のことは基本的に覚えていないという特徴があります。

子どもの悪夢障害

睡眠中に頻繁に悪夢を見ることで、睡眠が妨げられて日常生活に影響が出てくる状態のことです。特徴として、本人は悪夢の内容を明確に覚えているということです。そのため、悪夢を見ることを恐れて眠れなくなるということも起こり得ます。
悪夢障害は子どもに多く見られ、成長していくとともに自然とおさまってくることが多いといわれています。
睡眠障害の子どもたち: 子どもの脳と体を育てる睡眠学 (子どものこころの発達を知るシリーズ)
大川 匡子 (著)
合同出版
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発達障害の二次障害として睡眠障害が現れることもある

睡眠障害は、発達障害の併存症として見られることが多いといわれています。
自閉症やADHDなど、発達障害と診断された人は高い確率で睡眠の問題が起こります。特に乳幼児期には、寝つきが悪かったり、ちょっとの音で目を覚ましてしまい、途中で目を覚ますとなかなか寝ないなど、年齢相応の睡眠リズムが確立しにくい傾向が顕著にみられることも知られています。

(『睡眠障害の子どもたち』大川匡子編著 合同出版刊p49より)
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4772611487
※現在、自閉症は自閉スペクトラム症(ASD)という診断名に統一されています。

これは、睡眠障害が発達障害を引き起こすという意味ではありません。発達障害の特性により、睡眠になんらかの問題が出てしまうことが主な原因です。

ASD(自閉スペクトラム症)と睡眠障害の関わり

ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもは50~80%と高い確率で睡眠に問題が見られます。これは光への感受性の特性や夜間のメラトニン分泌の低さなどが影響していると考えられています。また、ASDのある子どもは刺激に対する感覚過敏があり、わずかな物音や寝具の感触などの刺激に反応しやすく、そのことが入眠や睡眠維持の妨げとなっている可能性があります。

ADHD(注意欠如多動症)と睡眠障害の関わり

ADHD(注意欠如多動症)のある子どもの場合は、調査によってばらつきがありますが、22~74%という確率で睡眠の問題が見られます。特にむずむず脚症候群が多いといわれています。これは、ADHD(注意欠如多動症)におけるドーパミンの異常が関連している可能性が指摘されています。
また、ADHD(注意欠如多動症)のある子どもは眠ることに対しての抵抗がある場合もあり、入眠の遅れや日中の眠気などが生じることもあります。
発達障害の二次障害として睡眠障害が現れることもある
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【専門家監修】ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の違いは?こだわりはどちらの特徴?のタイトル画像

【専門家監修】ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の違いは?こだわりはどちらの特徴?

発達障害と誤診される睡眠障害も

睡眠不足から集中力や落ち着きがなくなった子どもに多動や不注意、衝動的行動といった症状がみられることもあります。特に子どもの睡眠時無呼吸症候群の症状として多動や不注意、衝動的行動がよく現れることもあり、ときにADHD(注意欠如多動症)と特徴が似ているため注意が必要です。
発達障害と誤診される睡眠障害も
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睡眠障害の子どもたち: 子どもの脳と体を育てる睡眠学 (子どものこころの発達を知るシリーズ 6)
大川匡子 (著, 編集)
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