常同行動とは?子どもが同じ行動を繰り返すのには理由があります!相談先と対処法まとめ

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常同行動とは、手をひらひらしたり、体を揺らしたり、奇声を上げるなど、一見無目的に同じ行動を繰り返すことをといいます。何かを要求している、安心したい、刺激がほしいなど、常同行動の原因はさまざまです。子どもが何を求めているかを理解した上で対応していくことが大切です。このコラムでは、常同行動の症状、原因、対処法、相談先、家庭での工夫などを紹介します。

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目次 常同行動とは 常同行動はどんな人に現れるのか なぜ子どもは常同行動を行うのか 常同行動は、どんな時に問題となるのか 問題となる常同行動の治療法 常同行動に困ったときの相談先 常同行動に対して、家庭できることは? まとめ

常同行動とは

常同行動とは、一見無目的に同じ動きを繰り返す行動のことです。幼児期に初めて症状が現われ、人によっては成長とともになくなることもあります。

常同行動の具体例としては、手をひらひらさせる、飛び跳ねる、ぐるぐる回る、意味もなく手をパチパさせる、廊下や通路の同じところを行ったり来たりする、物を口に入れて出すことを繰り返す、爪を噛む、頭を打ち付ける、体をゆらすなどが挙げられます。

どんな常同行動が現れるかは、人によって千差万別であり、多岐にわたります。

常同行動それ自体が直ちに問題とみなされるわけではありませんが、それが社会生活上著しい問題につながる場合、医学的な対処が必要になります。

『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版 テキスト改訂版)によると、以下の条件に当てはまる場合、常同運動症・常同運動障害と診断されます。

一見無目的に反復される行動が、
1.発達早期(生後三年以内)に表れ
2.社会的、学業的、またはその他の活動が害される 又は、自傷行為が伴う場合
3.そのほかの薬や、精神疾患の生理的作用によるものではなく、他の精神発達症や精神疾患ではうまく説明されない

常同行動はどんな人に現れるのか

常同行動は、認知症、知的障害、発達障害のある人に現れることが多いです。以下では、子どもの常同行動とその問題に即して説明していきます。

一般に、子どもの常同行動は、生後3年以内の幼児期に現れることが多いです。

知的障害や発達障害のある子どもの場合、全体の約4%~15%に常同行動が現れます。行動の内容そのものが変化することはありますが、幼児期を過ぎても常同行動が続くことが多いです。
   
知的障害や発達障害のない子どもの場合でも、全体の約3%~4%で常同行動が現れますが、多くの場合は発育とともに自然と消えていきます。

なぜ子どもは常同行動を行うのか

子どもが常同行動を行うの理由は、大きく以下の3つに分類できます。子どもの常同行動の理由や背景を知ることで、その行動への対応方法を考える手助けになるでしょう。

1.何かの要求を訴えている

口に口内炎ができて痛い、部屋の温度が代わり寒い、下着がすれてかゆいなど、何か不快感や不満をかかえていることが原因となり常同行動をとっている場合があります。

2.精神的な安定を求めている

自閉症スペクトラムの子どもは、五感に偏りがあり、ある感覚が飛び抜けて敏感であることも少なくありません。

そのため、他の多くの人にとっては気にならない音が大きなストレスとなり、不安を感じたり、緊張してしまったりすることがあります。そのような刺激、不安、緊張を遮断し、気持ちを安定させるために常同行動をとっている場合があります。

3.刺激が少ない時に刺激を求めている

上記の2とは逆に、刺激に対する閾値が高い子どももいます。その子にとって刺激が少なすぎる場合、自分で大きな音を出しその音で遊んだり、くるくる回ったりすることで、より大きな刺激を得ようとする場合があります。

常同行動は、どんな時に問題となるのか

常同行動は、子どもが何かを訴えるサインであったり、刺激を楽しんだりしていることが多いので、それ自体がただちに問題となるわけではありません。

しかし、常同行動が原因で、日常生活や社会生活に問題が発生する場合、対応が必要になります。具体的には、以下の3つの場合が挙げられます。

1.「他者を巻き込み、周囲の活動を制限する」場合

例) 大声をだす、大きな音を立てる

2.「本人の学習や社会活動への参加を妨げる」場合

例) 学習しているといつも筆記具で音を立てる、授業中に立ち上がりくるくるまわる

3.「他者や本人に危害や損害を及ぼす」場合

例) 自分の爪を血が出るほど噛む、頭を打ち付ける

問題となる常同行動の治療法

常同行動が大きな問題に繋がり、常同運動症・常同運動障害と診断されるような場合の治療法には、行動療法と薬物療法が考えられます。

行動療法は、心理療法のひとつで、学習理論に基づき、問題となる行動をさまざまな技法を用いて適切な行動にしていく療法です。

一方、薬物療法とは、薬を投与することで、一時的に自傷行為や常同行動を軽減する対処療法です。

子どもの常同行動において、その対処法は、理解ある関わり方と環境整備、生活指導や以下で述べる行動療法が中心になるため、薬物療法は必要ない場合がほとんどです。

しかし、自傷行為が激しい場合や、常同行動が過度であり行動療法が行えない場合などは薬物療法である程度精神を安定させてから、行動療法で改善、解決を行う方法をとります。

以下は日本小児神経学会による、発達障害児の薬物療法について詳しく書かれたページです。薬物療法を検討される方は参考にしてください。

常同行動に困ったときの相談先

以下では、子どもの常同行動に困ったときの相談先をご紹介します。

相談に行く際は、子どもに関する情報を持っていきましょう。常同行動の診断や判断には、生育歴の確認が重要になってきます。

持っていくと良いもの
1.いま困っていることを整理したメモ
2.母子手帳
3.学校の通知表
4.普段の様子の動画
5.知的検査などをしたことがあればその結果


すべてを用意する必要はありませんが、用意することができれば、相談機関の担当者や専門家が子どもの状態を適切に判断する上での参考となります。

相談先

1.保健センター
地区町村ごとに設置された、地域の健康づくりの場です。保健師さんが常駐しており、子どもの発達に関する悩みの相談を受けてくれます。場合によっては医療機関や療育施設の紹介をしてくれます。
2.子育て支援センター
子育て家庭の支援に特化している機関です。自治体運営や医療機関に委託運営されており、保健師さんまたは看護師さんが相談に乗ってくれます。中には、療育指導を実施している子育て支援センターもあるので、お近くのセンターに問い合わせてみてください。
3.児童相談所
都道府県ごとに設置されており、児童福祉を専門とした機関です。医師、児童心理士、児童福祉士がおり、相談に乗ってもらえます。必要に応じて発達検査を行ってくれる場合もあります。また、全国共通児童相談所ダイアルがあり、189番にかけると24時間365日、児童福祉に関する相談を受けてくれます。
4.発達障害者支援センター
発達障害者支援全般を行っている機関です。都道府県・政令指定都市やその他法人によって運営されており、全国に設置されています。お近くの発達障害者支援センターは以下のリンクより検索できます。

ここでは、相談支援と、発達支援を行っています。相談支援では、子どもの相談はもちろん、その様子に応じて医療機関、療育機関の紹介、行政サービスの利用方法を紹介してくれます。発達支援では、医療機関、療育機関との連携を図りながら、家庭での療育方法のアドバイス、発達検査、発達状態に応じた療育計画の作成や具体的な助言をしてくれます。

治療、療育先

1.医療機関
上記の相談先で紹介してもらった医療機関を受診しましょう。紹介がなかった場合は、以下のリンクで医師を探してみましょう。以下は小児神経学会が発表している発達障害診療医師名簿です。
医療機関での受診は、基本的に保険適用になります。

また、費用が高額になる場合は、高額障害児通所給付制度を利用できることもあります。これは、医療費負担が一定額を超えた場合、自治体に申請し一部払い戻しをしてくれる制度です。自治体によって細かい制度が違うため、お住まいの自治体にお問い合わせください。

2.民間療育機関
上記の相談先で紹介してもらった療育機関で療育を受けましょう。療育機関では子どもの成長や自立支援のための、医療、治療、育成、保育、教育を総合的に行っています。民間の療育機関は保険が適用されないため、各施設により費用は様々です。値段も様々ですが内容や療育に当たる方との相性もあるので、あらかじめ見学に行くことをお勧めします。

常同行動に対して、家庭できることは?

常同行動によって、社会生活や学校生活での支障が出ないように、家庭で支援できることもあります。いくつか例を紹介します。

1. ある行動を他の無害な行動へ置き換える(置き換え)

ある問題のある行動を、自然と違う行動へ置き換え、変化させます。

例: 机をたたいて音を出していたら、音を出してもよい楽器をたたくように促す。

2. 次の行動の指示を与える(指示)

何をしたらよいかわからず、常同行動をしている場合もあります。その場合は次の指示を与えるとよいでしょう。

例: 手をひらひらさせている子どもに、「次は、積み木を並べてみよう」など、指示を与える。

3.場面ごとに区別をつけ、行動を制御できようにする(条件付け)

家の外と中という大きな変化をスイッチにし、制御方法を覚えさせていきます。

例: 大声をだす行動に関して、「家ではOK!外に出たらダメだよ」と約束する。

まとめ

子どもの常同行動は、一見無目的に同じ行動を繰り返しているように見えます。しかし、その背後には理由があります。常同行動が日常生活・社会生活上大きな問題につながる場合は、行動の理由を理解し、その理由に合った対応方法を考えていく必要があります。

この記事でもお伝えしたとおり、「他者を巻き込み、周囲の活動を制限する」場合、「本人の学習や社会活動への参加を妨げる」場合、「他者や本人に危害や損害を及ぼす」場合には、特に注意が必要です。子どもの発達段階と、行動の重症度に応じて、各機関に相談し、治療や療育を受けましょう。
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監修: 高畑 脩平
白鳳短期大学 リハビリテーション学専攻 作業療法学課程 講師
奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員
奈良県障害者総合支援センター
作業療法士
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