子どもの常同行動の理由と同じ行動を繰り返すときの対処法や相談先まとめ【専門家監修】

2016/07/30 更新

常同行動とは、手をひらひらしたり、体を揺らしたり、奇声を上げるなど、一見無目的に同じ行動を繰り返すことをといいます。何かを要求している、安心したい、刺激がほしいなど、常同行動の原因はさまざまです。子どもが何を求めているかを理解した上で対応していくことが大切です。このコラムでは、常同行動の症状、原因、対処法、相談先、家庭での工夫などを紹介します。

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監修: 高畑脩平
藍野大学 医療保健学部 作業療法学科 助教
NPO法人はびりす 理事
作業療法士。NPO法人はびりす理事。専門は読み書き障害の子どもへの支援。著書に「子ども理解からはじめる感覚統合遊び 保育者と作業療法士のコラボレーション (クリエイツかもがわ)」ほか。
目次

常同行動とは

常同行動とは、一見無目的に同じ動きを繰り返す行動のことです。幼児期に初めて症状が現われ、人によっては成長とともになくなることもあります。

常同行動の具体例としては、手をひらひらさせる、飛び跳ねる、ぐるぐる回る、意味もなく手をパチパさせる、廊下や通路の同じところを行ったり来たりする、物を口に入れて出すことを繰り返す、爪を噛む、頭を打ち付ける、体をゆらすなどが挙げられます。

どんな常同行動が現れるかは、人によって千差万別であり、多岐にわたります。

常同行動それ自体が直ちに問題とみなされるわけではありませんが、それが社会生活上著しい問題につながる場合、医学的な対処が必要になります。

『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版 テキスト改訂版)によると、以下の条件に当てはまる場合、常同運動症・常同運動障害と診断されます。

一見無目的に反復される行動が、
1.発達早期(生後三年以内)に表れ
2.社会的、学業的、またはその他の活動が害される 又は、自傷行為が伴う場合
3.そのほかの薬や、精神疾患の生理的作用によるものではなく、他の精神発達症や精神疾患ではうまく説明されない

常同行動はどんな人に現れるのか

常同行動は、認知症、知的障害、発達障害のある人に現れることが多いです。以下では、子どもの常同行動とその問題に即して説明していきます。

一般に、子どもの常同行動は、生後3年以内の幼児期に現れることが多いです。

知的障害や発達障害のある子どもの場合、全体の約4%~15%に常同行動が現れます。行動の内容そのものが変化することはありますが、幼児期を過ぎても常同行動が続くことが多いです。
   
知的障害や発達障害のない子どもの場合でも、全体の約3%~4%で常同行動が現れますが、多くの場合は発育とともに自然と消えていきます。

なぜ子どもは常同行動を行うのか

子どもが常同行動を行うの理由は、大きく以下の3つに分類できます。子どもの常同行動の理由や背景を知ることで、その行動への対応方法を考える手助けになるでしょう。

1.何かの要求を訴えている

口に口内炎ができて痛い、部屋の温度が代わり寒い、下着がすれてかゆいなど、何か不快感や不満をかかえていることが原因となり常同行動をとっている場合があります。

2.精神的な安定を求めている

自閉症スペクトラムの子どもは、五感に偏りがあり、ある感覚が飛び抜けて敏感であることも少なくありません。

そのため、他の多くの人にとっては気にならない音が大きなストレスとなり、不安を感じたり、緊張してしまったりすることがあります。そのような刺激、不安、緊張を遮断し、気持ちを安定させるために常同行動をとっている場合があります。

3.刺激が少ない時に刺激を求めている

上記の2とは逆に、刺激に対する閾値が高い子どももいます。その子にとって刺激が少なすぎる場合、自分で大きな音を出しその音で遊んだり、くるくる回ったりすることで、より大きな刺激を得ようとする場合があります。

常同行動は、どんな時に問題となるのか

常同行動は、子どもが何かを訴えるサインであったり、刺激を楽しんだりしていることが多いので、それ自体がただちに問題となるわけではありません。

しかし、常同行動が原因で、日常生活や社会生活に問題が発生する場合、対応が必要になります。具体的には、以下の3つの場合が挙げられます。

1.「他者を巻き込み、周囲の活動を制限する」場合

例) 大声をだす、大きな音を立てる

2.「本人の学習や社会活動への参加を妨げる」場合

例) 学習しているといつも筆記具で音を立てる、授業中に立ち上がりくるくるまわる

3.「他者や本人に危害や損害を及ぼす」場合

例) 自分の爪を血が出るほど噛む、頭を打ち付ける

問題となる常同行動の治療法

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