問題となる常同行動の治療法

常同行動が大きな問題に繋がり、常同運動障害(常同運動症)と診断されるような場合の治療法には、行動療法と薬物療法が考えられます。

行動療法は、心理療法のひとつで、学習理論に基づき、問題となる行動をさまざまな技法を用いて適切な行動にしていく療法です。

一方、薬物療法とは、薬を投与することで、一時的に自傷行為や常同行動を軽減する対処療法です。

子どもの常同行動において、その対処法は、理解ある関わり方と環境整備、生活指導や以下で述べる行動療法が中心になるため、薬物療法は必要ない場合がほとんどです。

しかし、自傷行為が激しい場合や、常同行動が過度であり行動療法が行えない場合などは薬物療法である程度精神を安定させてから、行動療法で改善、解決を行う方法をとります。

常同行動に困ったときの相談先

以下では、子どもの常同行動に困ったときの相談先をご紹介します。

相談に行く際は、子どもに関する情報を持っていきましょう。常同行動の診断や判断には、生育歴の確認が重要になってきます。

持っていくと良いもの
1.いま困っていることを整理したメモ
2.母子手帳
3.学校の通知表
4.普段の様子の動画
5.知的検査などをしたことがあればその結果


すべてを用意する必要はありませんが、用意することができれば、相談機関の担当者や専門家が子どもの状態を適切に判断する上での参考となります。
出典:発達障害情報・支援センター 医療・相談機関に行くときは |国立障害者リハビリテーションセンター
http://www.rehab.go.jp/ddis/howto/consult/visit_hospital/

相談先

1.保健センター
地区町村ごとに設置された、地域の健康づくりの場です。保健師さんが常駐しており、子どもの発達に関する悩みの相談を受けてくれます。場合によっては医療機関や療育施設の紹介をしてくれます。
2.子育て支援センター
子育て家庭の支援に特化している機関です。自治体運営や医療機関に委託運営されており、保健師さんまたは看護師さんが相談に乗ってくれます。中には、療育指導を実施している子育て支援センターもあるので、お近くのセンターに問い合わせてみてください。
3.児童相談所
都道府県ごとに設置されており、児童福祉を専門とした機関です。医師、児童心理士、児童福祉士がおり、相談に乗ってもらえます。必要に応じて発達検査を行ってくれる場合もあります。また、全国共通児童相談所ダイアルがあり、189番にかけると24時間365日、児童福祉に関する相談を受けてくれます。
4.発達障害者支援センター
発達障害者支援全般を行っている機関です。都道府県・政令指定都市やその他法人によって運営されており、全国に設置されています。お近くの発達障害者支援センターは以下のリンクより検索できます。

ここでは、相談支援と、発達支援を行っています。相談支援では、子どもの相談はもちろん、その様子に応じて医療機関、療育機関の紹介、行政サービスの利用方法を紹介してくれます。発達支援では、医療機関、療育機関との連携を図りながら、家庭での療育方法のアドバイス、発達検査、発達状態に応じた療育計画の作成や具体的な助言をしてくれます。
発達障害者支援センター・一覧 |出典:国立障害者リハビリテーションセンターホームページ
http://www.rehab.go.jp/ddis/action/center/

治療、療育先

1.医療機関
上記の相談先で紹介してもらった医療機関を受診しましょう。紹介がなかった場合は、以下のリンクで医師を探してみましょう。以下は小児神経学会が発表している発達障害診療医師名簿です。
参考:小児神経学会 発達障害診療医師名簿
https://service.kktcs.co.jp/smms2/c/jscn/ws/jscn/List.htm?t=https://www.childneuro.jp/themes/childneuro/relation/licenselist_dd.html
医療機関での受診は、基本的に保険適用になります。

また、費用が高額になる場合は、高額障害児通所給付制度を利用できることもあります。これは、医療費負担が一定額を超えた場合、自治体に申請し一部払い戻しをしてくれる制度です。自治体によって細かい制度が違うため、お住まいの自治体にお問い合わせください。

2.民間療育機関
上記の相談先で紹介してもらった療育機関で療育を受けましょう。療育機関では子どもの成長や自立支援のための、医療、治療、育成、保育、教育を総合的に行っています。民間の療育機関は保険が適用されないため、各施設により費用は様々です。値段もさまざまですが内容や療育に当たる方との相性もあるので、あらかじめ見学に行くことをお勧めします。

常同行動に対して、家庭できることは?

常同行動によって、社会生活や学校生活での支障が出ないように、家庭で支援できることもあります。いくつか例を紹介します。

1. ある行動を他の無害な行動へ置き換える(置き換え)

ある問題のある行動を、自然と違う行動へ置き換え、変化させます。

例: 机をたたいて音を出していたら、音を出してもよい楽器をたたくように促す。

2. 次の行動の指示を与える(指示)

何をしたらよいか分からず、常同行動をしている場合もあります。その場合は次の指示を与えるとよいでしょう。

例: 手をひらひらさせている子どもに、「次は、積み木を並べてみよう」など、指示を与える。

3.場面ごとに区別をつけ、行動を制御できようにする(条件付け)

家の外と中という大きな変化をスイッチにし、制御方法を覚えさせていきます。

例: 大声をだす行動に関して、「家ではOK! 外に出たらダメだよ」と約束する。
手を動かす・ジャンプをするなど、ずっと同じ行動を繰り返すのタイトル画像

もしかして、不安な気持ちのあらわれ?と感じたときは…

次ページ「まとめ」

追加する

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。