大学や職場…大人になってからもさまざまな配慮の工夫を

大学、職場など、大人になってからの環境での配慮も色々な事例を集めていきたいところですね。
Twitterのハッシュタグでは、以下のようなお話が寄せられました。
大学になると講義が長時間になりますから、集中が難しかったり、難病や精神障害で長時間の聴講ができない方への配慮が重要です。

特に少人数のゼミ講義などは、自分から途中休憩をしにくいこともあるでしょう。学生課や指導教官と相談がしやすい環境だと良いですよね。
 
聴覚過敏の方がイヤーマフを使ってノイズを軽減する、というのはよく聞く例ですが、それだけでは足りないという場合もあります。

パーティションを設置したり、そもそも業務をする机や部屋の場所を工夫するなど、必要に応じて追加の配慮をしてもらえるとありがたいものです。

職場全体のレイアウトにも関わることですから、上司や同僚の方と丁寧に話し合いをしながら検討できると良いですね。

困っている当事者を中心にした話し合いを

具体的な手立てだけではなく、合理的配慮を考える上での対話の方法・姿勢についてもご意見が寄せられました。
一方的な「決定」ではなく、お互いを尊重しながら出来ること・出来ないことを対等に話し合える関係が重要ですね。
 
なるほど…。

確かに、情緒障害への支援と知的障害への支援は異なりますよね。
一方で、情緒学級を急に新設することは難しいかもしれません。

普通級か、支援級か、という学級選びの話だけではなく
「今ある資源の中で、実現可能な学び方や過ごし方の調整がどれくらいできるか」という、お子さんのための話し合いができることを願います。

ただ、たいしょうさんに詳しくお聞きしたところ、
通常学級から転籍を勧める理由に"普通級に通う周囲の子どもにも合理的配慮をしてほしい"とあったそうです。

どんなお子さんも十分に学べる、そして学びやすい環境を整えることは大切です。
ですが、「合理的配慮」は本来、障害のある方や困難の大きい方を対象にした概念・法律用語ですから、言葉の拡大解釈には気をつけたいところです。
本当に困っている子どものために、この言葉が使われていく社会にしていきたいですね。

事例集を有効活用!

Twitterでも多くの声を寄せていただきましたが、それ以外にも、インターネット上にも様々な事例集がまとめられています。場面や障害の種類に応じて検索ができるデータベース、ぜひ参考にしてみてください。

また、LITALICOが発行しているハンドブックも、学校の先生や企業の方との話し合いを進める際にご活用ください。
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 「インクルDB」(インクルーシブ教育システム構築支援データベース)
http://inclusive.nise.go.jp/
内閣府, 「合理的配慮サーチ」
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/
LITALICO, 「学校での合理的配慮ハンドブック」
https://junior.litalico.jp/assets/doc/personality/hattatsu/consideration/handbook.pdf
LITALICO, 「職場での合理的配慮ガイドブック」
https://works.litalico.jp/assets/doc/interview/consideration/guide_book.pdf
合理的配慮について、もっと詳しく学びたい方はこちらの解説記事も併せてご覧ください!

少しでも分かりやすく、多くの人に「合理的配慮」についてお伝えしていけるよう、
今後も「発達ナビ」では記事を配信していきます!
4月からはじまる合理的配慮の義務化。学校と連携するコツは?のタイトル画像

4月からはじまる合理的配慮の義務化。学校と連携するコツは?

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