こんにちは。
児童発達支援事業所STELLA KID(ステラキッド)鶴ヶ峰教室です。
今回は発達障害の薬物治療についてお話をしたいと思います。
<発達障害と薬物治療>
まず、結論から申し上げますと、現代の医学において、発達障害を根本から完治させる薬は存在しません。
発達障害は個人差こそあれ、大きく分類すると「自閉症スペクトラム(ASD)」・「注意欠陥多動性障害(ADHD)」・「学習障害(LD)」に分類されます。
この中でその効能・効果が承認されている薬があるのは「注意欠陥多動性障害(ADHD)」のみになります。
<注意欠陥多動性障害(ADHD)の薬物治療>
注意欠陥多動性障害(以下ADHD)の症状(落ち着きのなさ、衝動性、不注意など)に対して効能・効果が認められている薬は以下の通りです。
<日本で承認されているADHD治療薬>
・ストラテラ
ドーパミン、ノルアドレナリンの脳内での働きを強め、神経伝達物質の働きを増進させることでADHDの症状を改善させる。
脳の覚醒が穏やかで不眠などのリスクが少ないため、1日2回の服用が可能。
24時間継続効果が期待できるが、服用開始時期から効果が現れるまでには8週間ほどの時間がかかる。
飲み薬タイプもあり、カプセルが飲みにくい方にも服用しやすい。
・コンサータ
ドーパミン、ノルアドレナリンの脳内での働きを強め、神経伝達物質の働きを増進させることでADHDの症状を改善させる。
1日1回の服用で約12時間効果が持続する。
寝つきが悪くなるなどの副作用があらわれることがある。
ADHDの子どもの約7割に効果があると言われている。
・インチュニブ
2017年から厚生労働省に承認された新薬。
ノルアドレナリンの神経受容体であるα2A受容体を刺激することによって神経伝達を増強させる働きがある。
これらの薬は神経系の働きをサポートするという共通点がありますが、ADHDの症状(落ち着きのなさ、衝動性、不注意など)を対処療法的に緩和するものであり、発達障害を根本から完治させるものではないという理解が大切です。
<発達障害治療薬の副作用について>
薬には副作用があります。
上に紹介した薬も例外ではなく、以下のような副作用があることを理解して使用する必要があります。
・消化器への症状
食欲減退、嘔吐、吐き気、腹痛など
・循環器への症状
血圧の変動、動悸など
・神経精神系への症状
頭痛、不眠、傾眠((意識がなくなる第一段階で、ウトウトして睡眠状態に陥りやすい状態のこと))、幻覚、めまいなど
これらの副作用が見られた場合はすぐに服用を中止し、医師の指示をあおいでください。
<自閉症スペクトラム(ASD)・学習障害(LD)の薬物治療>
先にも述べたように現代医学において自閉症スペクトラム(ASD)・学習障害(LD)にはその症状に対する治療薬は存在しません。
しかし、自閉症スペクトラム(ASD)・学習障害(LD)の特性ゆえに併発しやすい不眠・不安・鬱症状などの二次障害に対しては治療薬が存在するため、それら二次的な障害が見られた場合は対処療法的ではありますが、薬物治療が可能になります。
<薬物治療を行う前に>
薬物治療を始めることで目に見えて症状が改善されることもあり、胸をなでおろすこともあるかと思います。
しかし、薬には副作用があらわれることもあるため、使用には注意が必要です。
また、薬の効果はあくまで一時的な症状緩和であるため、服薬よりも先に発達障害を抱える方の周囲を整理する「環境調整」が大切になります。
<環境調整の例>
・周囲の環境を整理することで外からの刺激を減らし、気が散らないようにする
・音に敏感な場合はイヤーマフなどを使用する
・光に敏感な場合は明かりを調整する
・スケジュールを作成して先の見通しをわかりやすくする
・言葉での指示が伝わりにくい場合はイラストなどで指示を明確にする
<服薬を考える年齢>
ADHDは概ね12歳までの小児期にその症状が確認され、集団生活や個人の活動がそれら症状によって支障をきたしている場合に診断されます。
しかし、乳幼児期のお子さんは大抵の場合集中力が持続しにくく、そわそわしているもので、ご家庭や幼稚園、保育園、小学校などで過ごす中で少しずつ成長していくものです。
このことから、服薬を考えてもよい時期の目安は小学校入学前〜入学後に定めると良いと思われます。
ただしその症状の程度によりますが、怪我などのリスクがある場合は専門機関に相談してください。
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当教室では
・じっとしていられない
・こだわりが強い
・感情の調整が難しい
・人の気持ちを読むことが難しい
・お友達とのトラブルが多い
・言葉の遅れを感じる
・抽象的な表現が苦手
・発達に心配がある
・不器用
・視線が合わない
・幼稚園、保育園、小学校への就学が不安だ
などの保護者の方々・お子さんの困り感をサポートいたします。
※自治体の助成により無料もしくは低額にて療育が受けられます。
まずは市役所/相談支援事業所/当事業所にご相談ください。
※児童発達支援事業は、放課後等デイサービス(放デイ)と同じく障害児通所支援事業に属する療育施設であり、「児発」などの略称で呼ばれる場合もあります。
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