僕は、2年前まで児童相談所で数十年に亘って仕事をしてきました。
そして、そこで、今まで、たくさんの子どもたちやその家族に出逢いました。
僕が尊敬している、子どもの自立を支援する施設で長く施設長を努められた方がよく話されていた言葉に「心の扉」という言葉があります。
「扉というのは必ず表と裏に取っ手があります。ところが、『心の扉』の取っ手は内側にしかついていないと言うのです。
外側にも取っ手があれば、私たち(支援者)はその取っ手をとり、扉を開け、あなたは何を考えているか、こっちのあなたはどうだ、などと容易に相手の心を覗き込むことができるでしょう。
しかし、私達は戸の外に立って、ただ扉を叩くことしかできないのです。その音を聞いて、子どもが内側の取っ手をとって、その扉を開けて私たちを迎え入れるか、ぎっちと取っ手を握りしめて、どうしてもその扉を開けようとしないかなのです。
私たちは土足で子どもの心に入るわけにいかない以上、子どもがどうしたら心の扉を開くかを考えるべきです。
それが、信頼、そして愛です。
そして、相手が心の扉を開いてくれたならば、私たちは感謝の気持ちをもって接しなければなりません。」
僕は、この言葉を大切にして、児童相談所でずっと子どもたちに関わってきました。そして、児童デイでも同じです。
子どもたちが心の扉を開いてくれ、その心の中に僕が住めるようになるように、毎日子どもたちに関わっています。
同じ空間で、同じ目線で過ごしています。 T.T
子どもたちの「心の扉」の取っ手は、内側にしかついていません
教室の毎日
22/06/28 13:53