・家族を支援するということについて、児童相談所の新人時代に先輩や上司からよく言われていたのは、保護者の方の「表向きの主訴」の背景というか根幹にある「本当の主訴」を引き出し、理解するということでした。
・児童相談所の主な仕事は、その名称にもあるように、子ども(児童)の相談に乗り、子どもを様々な形で支援することですが、それ以上に力を注がなければいけないのは、保護者方の相談に乗り、保護者の方を支援することです。
・そして、保護者の方への適切で効果的な支援を行なうためには、保護者の方自身の置かれている状況、そして、保護者の方が今まで生きてきた歴史を理解することが大切です。
・児童相談所で仕事をしていた時は、保護者の方の人柄や保護者の方を取り巻く環境を考えながら、また、面接や会話の際の保護者の方の表情や反応を確認しながら、話す言葉や内容を変化させていたところがあります。
・オブラートに包まずに、ストレートにものを言った方が良い人もいますし、そうではない人もいます。
・正論にこだわらず、時に、保護者の方の思いを受け止め共感しながら、子どもの発達成長や治療のためには、このことをどんなにふうに説明したらよいのか、どんな切り口がよいのかなどを考えたりもしました。
・時には、会話の中で即座に判断しなければいけないことがあり、間違ったことも結構あります。
・保護者の方の言葉に共感的に微笑んだつもりでしたが、その表情や雰囲気を見て、「オレをバカにしているか?!」と怒鳴られたこともありました。
・そして、それらの失敗が、僕の財産になっています。
・もうかなりの昔、被害を受けている子どもを守るために、保護者の方(継父)に厳しい内容を伝えたところ、それを逆恨みされ、自宅を見つけられ、自分の家族が脅迫されたこともありました。
・迷惑電話、脅迫電話が鳴り続け、家族は、遠くの地に避難せざるを得なくなりました。
まだ、児童虐待防止法が施行される前の話で、当時、警察も守ってくれませんでした。
・今でも、保護者の方への支援は、とても難しいと思っています。
・一方的、一方通行的な支援、お仕着せの支援にならないように、気をつけています。
・ただ、心を込めて、誠心誠意、保護者の方に関われば、時間がかかる時があっても、それは必ず伝わると信じています。
・そして、それが、子どもの発達を守ること、支援することだとも思っています。
・また、保護者の方の悩みや苦しみ、今までの人生やその中での心の傷つきなどを理解するための努力を忘れてはいけないとも思っています。
※児童発達支援・放課後等デイサービスでは、僕が今まで児童相談所で関わってきたような大変なケースはまずないと思いますが、
児童相談所時代から、今まで僕が大切にしてきた基本的なスタンスや心構えを忘れず、
これからも、お子さんや保護者の方に日々向き合い、寄り添っていきたいと思います。
※そして、もう一つのファミリーになれればと思っています。
どうぞ宜しくお願いします。 T.T
【家族を支援するということ】
教室の毎日
22/09/24 21:11