【刺激のろ過装置、緩衝装置を作ること】&【環境調整】
またまた、以前勤務していた児童デイサービスの話でごめんなさい。
あの頃の業務日報にこんなふうに書いています。
◎プレイルームを少し模様替えし、幼児さん(児童発達支援)の朝の会の場所を、プレイルームの広いスペースから、棚やカウンターに囲まれた小さなスペースに変えています。
◎そうすると、今まで、気が散り、行動も散漫になって動き回ることが多かった「R君」(4歳1か月)が、比較的集中して挨拶や歌に対応することができました。
◎先日の「おがる」のオンライン研修で、
環境の調整(視覚刺戟、聴覚刺戟などを少なくする)の必要性が説明されていましたが、自閉スペクトラム症や傾向やADHD傾向のある子には、外からの刺戟をこちらで少しコントロールしてあげることが必要で、そのことで集中力が増すように思いました。
◎発達障害を持つ子、また、「第4の発達障害」と言われる、児童虐待や不適切な養育による「反応性愛着障害」を持つ子は、自分で周りのの刺戟をコントロールすることが難しいと言われます。
◎それが少しずつできるように支援し、療育していくのが、児童デイ・放デイのひとつの役割のように思いますが、なかなか難しかったりします。
◎自分に降りかかってくる刺戟をふるい分けたり、強力な刺戟を弱める装置が不十分な子は、刺戟をまともにそのまま受けて、それでショックを感じたり、簡単に誘惑に乗ってしまったりします。
◎衝撃や誘惑を弱める装置(フィルター、サングラス、サスペンション、ショックアブソーバ)を自分の中に作っていくためには、かなり時間をかけた療育や訓練が必要ですが、大人が、環境を調整して刺戟の量や強さを調節してあげることで、行動が少し安定することもあるように思います。
・児童デイのスタッフ(支援者)が、それぞれの子どもの特徴を理解し、外的な刺戟をコントロールしてあげる配慮も必要かもしれません。
・午後は、大きな模造紙に、絵の具を指や掌につけて塗っていきます。家では、なかなかできない事もあり、子ども達はとても楽しそうです。肘から下まで絵具の色に染まった子や、ズボンに絵の具がたくさんついたため、急いでズボンを洗濯した子もいました。
・普段、家庭や学校でできない遊びを取り入れ、子ども達の心を解放させることも大切なことと感じています。
★こぱんはうすさくら札幌太平教室の【4月の療育カレンダー】が出来上がりました。
そこには、いつものように様々なプログラムが盛り込まれていますが、その一つに【よごれ遊び】があります。
・普段、家庭や学校ではなかなかできないか体が汚れてしまう遊びをダイナミックに行う予定です。
・そこで、子どもたちがストレスを発散し、不満や怒り、寂しさや悲しみなどのマイナスの感情を目一杯表現してくれればと思います。
・また、喜びや楽しさなどの、プラスの感情も思っきり外に出してほしいと思います。
★また、こぱんはうすさくら札幌太平教室で日々行っている療育は、
いろんな課題や日常生活をスモールステップで向上させ、リアルタイムで褒めることで自己肯定感を高めることを一つの狙いとしていますが、それと同時に、人との愛着形成、信頼関係の形成と人の模倣を通じて、衝撃や誘惑を弱める装置(概念化)を作ることを目指しています。
◆但田たかゆき
【刺激のろ過装置、緩衝装置を作ること】&【環境調整】
教室の毎日
23/03/28 20:57