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読み聞かせは「気持ちをコントロールする力」をつける為

教室の毎日
運動療育という名の「運動遊び」に重きを置くユリシスですが、ほぼ毎日同じくらい力を入れている取り組みがあります。

それが「絵本の読み聞かせ」。

言葉の発達を促す、想像力を豊かにする、好奇心を育む、などなど、読み聞かせの効果は周知の通りで、ユリシスもこれらの効果は大いに期待しています。

ただ、児童発達支援を標榜するユリシスでの読み聞かせの狙いは、これだけではありません。なにより「気持ちをコントロールする力」をつける、これに尽きます。

読み聞かせを行うことで、なぜ気持ちをコントロールできるようになるのか。

主活動の運動遊びや自由遊びは、体を動かすことがほとんど。子どもは興奮している状態です(動)。一方、読み聞かせの時間はお話の世界に入り込み、動きを止めて集中し、子どもはがまんしている状態です(静)。

ユリシスでは、運動遊びや自由遊びの間に読み聞かせを挟むようにしています。例えば、自由遊び→読み聞かせ→挨拶→運動遊び→読み聞かせ→帰りの会、のように繰り返し、場面ごとに「動」と「静」の動きを意識しています。

人間の脳は興奮系から先に成長するため、幼いうちは興奮を抑えることができないと言われています。つまり、落ち着きなく走り回ったり、すぐイライラしたり、嫌なことがあって気持ちが抑えられずつい手が出てしまうのは、脳の発達が未熟だから。気持ちをコントロールする力の弱いことが原因です。

興奮状態の脳にブレーキをかけるには、がまんすることが必要です。「動」と「静」を繰り返すことで、脳内信号を「赤」→「青」→「赤」→「青」…と交互に繰り返す。こうしてこまめに切り替えることで集中力がつき、気持ちをコントロールする力がつく。場面の切り替え毎に読み聞かせを挟むのは、こうした意図があります。

ユリシスには、気持ちのコントロールに課題のある子がたくさんいます。落ち着きなく走り回ってしまう子、スタッフの話を集中して聞けない子、何でも一番じゃないと気が済まない子、負けるのがとにかく嫌な子、イラッとするとお友達に手が出てしまう子、自分のやりたいことが通らないと怒ってしまう子、などなど。私たちからすれば、ちょっと我慢すれば良くない?と、思ってしまうような些細なことでも、どうにもブレーキが効かない。でも、これは脳の機能的なことなので、本人は分かっててもなかなかコントロールし難いものなんですよね。

でも、これは筋トレと一緒で日々のトレーニングによって少しずつ力をつけられるもの。毎日読み聞かせを続ける理由は、ここにあります。

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