今日は中村区烏森町にある「ユリシス・キッズ」のスタッフとともに虐待防止研修を実施しました。
目的は、障害者虐待防止法を理解し、虐待防止に取り組むため。研修用に手引を用意し、読み合わせをしながら理解を深めました。
具体的には、障害者虐待に当たる行為の種類や、通報義務、虐待はエスカレートするということ、事業所内で定期的に虐待研修を行う重要性などを共有。
そして、後半は個々のメンバーの感覚で「虐待」に当たると考えられる行為を、幾つか想定しながらディスカッションしました。
※そもそも、障害者虐待防止法では、障害者虐待の行為を以下の5つに分類していて、これらを理解した上で話し合いました。
1、身体的虐待(叩く、殴る、蹴る、つねる、正当な理由がない身体拘束等)
2、放棄・放置(食事や排泄、入浴、洗濯等身辺の世話や介助をしない等)
3、心理的虐待(脅し、侮辱、無視、嫌がらせ等で精神的に苦痛を与える等)
4、性的虐待(性交、性器への接触、裸にする、わいせつな映像を見せる等)
5、経済的虐待(本人の同意なしに年金・賃金・財産や預貯金を処分する等)
話し合いの中ではこんなケースを想定しました。
・おむつ替えの必要なお子さまのおむつを替え忘れる
→自分の意志では替えられないので、例え悪意はなくても「放棄・放置」に当たるのでは
・「お片付けしなかったら、公園には連れていかないよ!」と声掛けする
→公園に行くことをお片付けを交換条件に脅しているので「心理的虐待」に当たるのでは
・何度も注意したが言うことを聞いてもらえず、他の子に危険が及びそうになるのを防ぐため、つい、強く腕を引っ張ってしまう
→力の加減によっては引っ張られたことで痛みを感じたり、恐怖に感じる子もいるので「身体的虐待」に当たるのでは
幾つかケースを想定して、ハッと気づかされたことがあります。それは、どのケースにおいても職員は「無意識」や「良かれと思って」やっているということ。
いじめやセクハラ・パワハラの加害者が「可愛がっていただけ」「いじめているつもりはなかった」「嫌がられているとは思わなかった」などと主張していますが、いじめやセクハラ・パワハラは、された側がそういう風に感じたかどうか。ゆえに被害者側の主張は加害者側からすれば寝耳に水かもしれません。
こちらが「無意識」や「良かれと思って」やっていることが、相手を不快にさせたり、場合によっては耐え難い苦痛を与えてしまうこともある。しかもそれはたちの悪いことに「無意識」や「良かれと思って」。人によってはそれを「正義」ととらえることすらあります。
だから、人間には潜在的に「怪物」がいて、誰もが気づかないうちに加害者になってしまうことを認識した方がいい。虐待を防止するための第一歩はそういうところだと思います。
今日は、そういう類いの話をしました。
ユリシススタッフ合同の虐待防止研修を実施しました
研修会・講演会
23/06/16 22:15