私が小学生の頃の話です。すっきりと晴れた日曜日の朝、母親がよくベランダにお布団を干していました。
お日さまの光をたっぷり吸い込んだお布団の気持ちいいこと!私は干したお布団で寝るのが大好きな子どもでした。
母親がお布団を取り込む時に、一旦、そのお布団をベランダに広げるのですが、その広げたお布団にくるまるのも大好きで。お布団を身体にぐるぐると巻き付け、クンクンと匂いを嗅ぐ。
これが言葉では言い表せないくらいの気持ち良さで、今でもあの時の記憶は鮮明に残っています。波打つ白いシーツ、お日さまのにおい、シーツの間から垣間見える青空。
何でしょうか、あの感覚は。多幸感という言葉がぴったりで、安心感に包まれていてこの瞬間がこの先もずっと続いて欲しいと心から願っていました。母親のお腹の中に居た感覚は今となっては記憶にありませんが、恐らくその時の記憶を本能的に感じ取っているのでしょう。
最近、「パラバルーン」を運動遊びに取り入れています。パラバルーンとは、保育園や小学校などで、大きくてカラフルなシーツを使って様々な形を作って表現する集団演目です。
ユリシスではブルーシートを用いて行っています。比較的薄めのものを使っているので空気の入りも丁度良く、形も変幻自在。
「大波」「お山」「ロケット」、カラーボールを使った「ポップコーン」など、集団で様々なものを形作ることで、表現力や協調性を養うのが目的です。
そして、この「パラバルーン」には、多幸感が欠かせません。
多幸感を象徴するのが「お家」で、これは文字通り子どもたちがバルーンの下に入り、バルーンでお家を表現するというもの。具体的にはバルーンを上に持ち上げ、バルーン内に空気を取り入れてから一気に下降し、子どもたちを包み込むというもの。
下降時にふわりとした風が子どもたちを包み、次の瞬間、子どもたちはバルーンにも包まれる。この一瞬の出来事が、ある意味非日常的な感覚で言葉にならないほどの多幸感を味わえるというわけ。
表現力や協調性を育みながら、触覚、視覚、聴覚などの感覚的な部分も刺激する「パラバルーン」。今ではリピーター続出中です!
運動遊びvol.17/「パラバルーン」で表現力や協調性を育む
教室の毎日
23/09/27 22:53