プールスティックを使った操作性のある運動を頻繁に取り入れています。
先日は「スティックバット」を行いました。プールスティックを野球のバット替わりに、カラーボールを野球のバッティングの要領で打つというもの。
当初はバッター(子どもたち)の斜め45度からトスし、ティーバッティングのように打つことを想定していたのですが、スタッフ間の事前ミーティングにおいて、とある懸念が浮上。
それは、子どもたちにとっては少し難易度が高いのではないか?ということ。
この運動遊びの狙いは、子どもたちの見る力を鍛えること。カラーボールの軌道を予測し、タイミングを合わせて身体をひねり、ボールにバットを当てて跳ね返すという比較的高度な技術を要します。
飛んでくるカラーボールの軌道を正確に捉えるための「追従性眼球運動」、飛んでくるカラーボールとの距離感を掴むための「視空間認知力」、そしてそれらの情報をもとに体を動かす「眼と体のチームワーク」。
さらに難しいのは、スティックの軌道を頭に入れながら、どんな角度やスピードでスティックを振ったら正確にカラーボールを打ち返すことができるのか。これらを一瞬で判断しなければならないということ。
野球経験者の私からすれば、バットにボールを当てるのは容易なことですが、でも待てよと。とあるスタッフから「これって、子どもたちにはちょっと難しいんじゃない?」との指摘が。
どうすれば子どもたちにも、バッティングの楽しさを体験してもらえるのか。ホームランをかっ飛ばせるのか。オータニさんに近づくことができるのか。
意見交換を重ねた末、「カラーボールを紐で吊るす」という方法にたどり着きました。
1m程の筒を用意し、先端から80cm程のビニール紐をくくり付け、その先にカラーボールを取り付ければ、ユリシス特製バッティングマシーンの完成!かくしてこのマシーンを使って、静止状態のボールを打つことができるようになったのです。
動いているボールを打つよりも遥かに簡単。それでいて、バッティングの醍醐味である「カキーン!」と心地よい衝撃も体感することができる。いいじゃないですか。いい塩梅じゃないですか!
静止しているボールを打つ。これだけでも、ボールとの距離感を掴む「視空間認知力」を養うことができるし、入力された情報をもとに体を動かす出力の部分「眼と体のチームワーク」も培われます。
この運動遊びを通じてボディイメージを育て、転びにくくなる、思い通りに動く体を手に入れる、正しい姿勢を身につける、集中力がつく、力加減のコントロールが身につく、危険予測を立てられるなどの効果を期待できます。
「カコーン!」「カッコーン!」と、子どもたちのスイングから心地よい音が聞こえます。ホームランをかっ飛ばす度、子どもたちの顔から笑顔がこぼれていますよ♪
運動遊びvol.31/「スティックバット」目指せ本塁打王
教室の毎日
23/12/12 21:03