去る10月14日(月祝)に今年も無事、ユリシス運動会を開催することができました。
ユリシスは運動療育を標榜していることから、運動にちなんだイベントを何かできないか?ということで、昨年から始まりました。今年で第2回目。企画・準備・運営全てスタッフの手で行っています。
今年は20名以上もの子どもたちが大きな体育館に一堂に会し、約2時間半、たっぷり汗を流しました。
子どもたちが挑んだ種目
1.サーキットリレー(バトンリレー、平均台&フラフープジャンプ、大玉転がし)
2.玉入れ
3.転がしドッヂボール
4.スタッフとお相撲対決
走る、跳ぶ、転がす、投げる、避ける、押すなど、様々な体の動きを体験しました。広い体育館を貸し切って、どの子ものびのびとして満面の笑顔♪「今年もやってよかったな〜」としみじみ。終わってみれば、大変だった準備のことも一気に吹き飛んでしまいました。
さてさて、そんなユリシス運動会が楽しいのは大前提として、実はしっかりと療育に重点を置いて行っていました。その辺りのお話を少しさせて頂きますね。
ユリシス運動会の目的
1. 身体的発達を促す
体を動かすことで、運動能力の向上や筋力の発達を促します。バランス感覚や協調性を高め、基本的な運動能力(走る、跳ぶ、投げるなど)を身につける機会となります。
2. 社会性を身につける
他の子どもたちや大人と協力することで、コミュニケーションや協調性が養われます。ルールを理解し守ることで、社会的なルールの重要性を学びます。
3. 自己肯定感の向上
チームで協力して目標を達成することで、成功体験を得る。応援やサポートを通じて、自分の努力が周囲に認められることにより、自己肯定感を上げることができます。
4. 情緒的発達
競争や挑戦を通じて、勝つことや負けることを経験し、感情のコントロールやストレス管理を学びます。緊張やプレッシャーの中で、自分をリラックスさせる方法を習得する場にもなります。
これらの4つの項目を意識しながら取り組みました。一つひとつの種目や、より円滑に安全に運営するためのスタッフの配置にも、それは表れています。
そしてもうひとつ、実はユリシスの運動会が、子どもたち、そしてその親御さまにも支持される理由があります。何だと思いますか?
それは「合理的配慮」です。
例えば、そもそも運動会が苦手な子もいます。運動会というフレーズを聞いただけで嫌悪感を感じる子。勝ち負けつくのがとにかく嫌。そういう子の場合、嫌だったら参加しなくてもいい。見学だけでも十分なのです。
嫌なものは嫌なので、その気持ちを無視して無理に参加させることはその子にとってストレスでしかありません(私はセロリが大嫌いでどうしても食べられないのと一緒)。自由時間に広い体育館を思い切り駆けることこそ、その子にとっての運動会。それでいいと思います。
例えば、歩行が不安定だけどやる気は人一倍。みんなと一緒に走りたい子。そういう子はスタッフがしっかりと付き添い、歩行をサポートします。激しい運動の時は抱っこして、お友達の輪に入り一緒に臨場感を味わう。
障害とは、その人が生活に困難さを感じている状態であると私は考えています。
例えば、足が不自由で歩けなくても車椅子で行きたい場所に行ける、生活をサポートしてくれる人が周りにたくさんいて何不自由なく生活ができていたとしたら、どうでしょう。
方や、忘れっぽくて、仕事もプライベートも約束事をいつも忘れてしまい、事あるごとに周りの人の信頼を失くしてしまう人。「あの人はダメだ」とレッテルを貼られ、周りに理解してくれる人は誰もいない。本人は頑張ってるけど、なかなか上手くいかないとしたら、どうでしょう。
果たして、生活に困難さを感じているのはどっちでしょうか。
療育は、スキルアップが目的ではありません。できないことをできるようにすることでもありません。その子の強みや得意を最大限に引き出すこと、そして何よりその子がその子らしく自立した生活をおくることこそ、療育の目的です。
その人がその人らしく生活していくためには、周囲の理解や協力が不可欠だと私は思います。当事者の視点から見れば、自分の味方をどれだけたくさん作れるか、ということもより自分らしく生きていく上で大切な考え方だと私は思います。
誰もが合理的配慮の考え方を持つことで、少しずつ暮らしやすい世の中になればいいなと願ってやまない今日この頃。
来年も出来るといいな〜、運動会( ◜‿◝ )♡
今年も運動会を無事に開催することができました!
教室の毎日
24/10/16 09:54