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正義感が強すぎて空気が読めず、トラブルが絶えません

教室の毎日
こんにちは!保育士のたくまです。突然ですが、皆さんは空気読めますか?




はっきり言って、私は苦手です。周りの求めていることが分からず、いつもトンチンカンな発言をして場を凍らせることは日常茶飯時で、状況次第では相手を怒らせてしまうこともしばしば。




私としては「良かれと思って」とやっていることなのですが、受け入れられないことが多いのです。




相手の気持ちが分からない訳ではないのですが、よくよく冷静に振り返ると、とにかく自分の気持ちを優先させていることが原因なんじゃないかと最近気づきました。自分の気持ちを優先し過ぎて相手の気持ちに気づいていないんです。



妻から何度「ほんと、空気読めないよね」とお叱りを受けたことか。




どうしたら空気を読めるようになるのか?その答えは前述の通り「相手の立場に立って考える」ことではないでしょうか。




「今、この人は何を考えているのか?何を望んでいるのか?どうして欲しいのか?」と想像を働かせ、瞬時に発言や行動に移せる。空気が読めるってことは、そういうことではないでしょうか。




さて、ここからが本題。




先日、とある親御さまからこんなご相談を受けました。




小学3年生の自閉症スペクトラムの我が子は、正義感強めて曲がったことが大嫌い。ルールを守らないお友達に対して注意するも、相手が反論すると怒って毎回のように煽った挙句手が出てしまいます。注意するのは良いことですが、クラスで飼っている金魚の餌をやり忘れただけでしつこく息子に注意されるお友達からしたら、「なんでそこまで言われなきゃいけないの?」と反論する気持ちも分かります。でも反論されたからと言って暴力を振るっていいはずはありません。そろそろ空気を読めるようになって欲しいのですが、どうしたら分かってもらえるでしょうか?




息子さんからすれば、正しいことをしているだけなのに反論される意味が分からない。「ルールを守らない人が悪い」。でも、だからと言って暴力をふるっていいかと言うと、それは違いますよね。ここの住み分けはしっかりすべきところだと思います。



そもそも自閉症スペクトラムのお子さんの場合、他人の感情に気づきにくいという特徴があります。相手の気持ちがわからない。相手の立場に立って物事を考えられない。つまり、「心の理論」が通じないことがトラブルの原因と言えます。




心の理論とは、他者の考えや気持ちを推測して理解する能力を指します。例えば「うそをつく」ことも、心の理論を獲得しているからこそできる行為。他者の心の状態を理解して操作する必要があるため、うそがつけるということは、他者の行動と心の状態の関連の理解を示しています。



心の理論の通じない相手に対して、「どうしてそんなことをするの?」と理由を聞いても「ルールを破ったから」としか答えようがありません。「こうすれば良かった」などと具体的なアドバイスをしても、間違ったことをしている訳ではないので、ピンと来ないでしょう。




問題なのは「金魚の餌やりを1回忘れたくらいで金魚は死なないよね。そんなに怒ることじゃないよね」という、周囲の誰もが気づいているこの暗黙の了解に息子さんが気づいていないこと。つまり、空気が読めていないことがトラブルの原因です。




この場合の好ましい対応としては、「注意すること→◯ 相手を煽ったり叩くこと→✕」などと、紙やホワイトボードに書いて視覚的に見せ、何が良くて何がダメなのか分かりやすく伝えること。ここに心の理論はないので、息子さんも理解できます。




さらに、落ち着いた頃を見計らって、支援者と一緒にロールプレイングするのも効果的。ロールプレイングとは、実際の場面や状況を想定して、役割を演じることでスキルを身に付ける学習方法を言います。




支援者は暴力をふるわれた役となり、「1回くらい餌やらなくたって金魚は死なないよ!」などと、問題となった場面を再現し、疑似体験する。その後、配役を交代するのもおすすめです。これは頭ではなく体で理解してもらうことが狙いで、経験値として積み重ねていくことになります。



体で覚えたことって、なかなか忘れませんから。かれこれ30数年前に覚えた子ども会の和太鼓の演奏なんてお囃子の笛の音が聞こえただけで手が勝手に動き出します。体で覚えたことってずっと自分の中に残っているんですね。




効果はすぐには望めないかもしれませんが、長期的に見ると、きっとこの経験が活きてくるはず。




だから、無理に空気を読もうとしなくてもいいんです。振り返りの中でをたくさんロールプレイングして経験値を爆上げしましょうというお話でした。 

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