こんにちは!保育士のたくまです。今日はこんなご相談を受けました。対象は7歳の自閉スペクトラム症の男の子。
散歩中に知らない人にすれ違いざま「あの人誰?」と大きめの声で聞くんです。相手はびっくりして、こちらを見て苦笑い。何度か注意しているのですが、なかなか辞めてくれず困っています。どうしたら分かってもらえるでしょうか?
いきなり知らない人に「誰?」なんて聞かれたら、びっくりしますよね。知り合いならともかく、知らない人に言われたら、ちょっと嫌ですよね。人によっては怒り出す人もいるかもしれません。
お母さんからしたら、いきなり息子が知らない人に話しかけるんですもの、そりゃ、びっくりします。普通に考えたら失礼ですもの。こっちは赤面ですよね、普通に考えたら。
さっきから普通、普通と言ってますが、ここでの「普通」って「知らない人にいきなり話しかけない」ってことなのですが、もしかすると、そもそもご相談者さまのお子さまはこの「普通」を理解していない可能性がありそうです。
そもそも、自閉スペクトラム症のお子さまの特性として、一般的な社会的ルールを自然に理解・習得が難しい傾向にあるので、このお子さまもそうなのかもしれません。「知らない人にはいきなり話しかけない」という暗黙のルールを理解できていない可能性が高い。
計画性や場の空気を読む力も未熟で、思ったことをすぐ口にしてしまう特性も含まれているかもしれません。大きな声で言うのは相手の反応を見て楽しんでいる節もあって、この子の中では遊びの延長なのかもしれませんね。
かと言って、彼の発言をそのままスルーしておくのもいかがなものか。お母さんからしたら「また次も同じことを繰り返すんじゃないかしら」と気が気ではないですよね。ごもっともです。
そこで、こんな提案をさせて頂きました。
お子さまには事前に「道ですれ違っても知らない人には話しかけない」などと、ルールを明確に伝えておくこと。
お子さまの特性上、視覚で示した方が伝わりやすい傾向にあるので、イラストとセリフをセットにした絵カードなどを見せて理解を促す方法です。
そして、衝動性を抑えられず「どうしても話したくなったときは、まずお母さんに耳元で伝える」などの代替案もセットで提案させて頂きました。
実際にこれらのルールを守れたら、「お約束守れたね、偉かったね」などと、たくさん褒めてフィードバックしてあげられると本人の自信にも繋がります。
自閉スペクトラム症のお子さまは人との距離感を理解しづらいので、こうして明確に線引きしてあげることが必要なのかなと思います。
まぁでも元々、誰に対してもオープンな気質のお子さまなので、「人類みな友達」なマインドはある意味、彼の強みなのですが。
だって知らない人にいきなり話しかけるなんて、なかなか出来るもんじゃない。街頭インタビューとかやらせたら、めちゃくちゃな撮れ高が期待できそうです。オープンマインドな彼の強みを活かせるフィールドはいくらでもあるってことですね。
短所って、見方を変えれば長所にもなる。って、前のブログでじゅんやさんも言ってましたね。
知らない人に唐突に話しかける。注意しても辞めません
教室の毎日
25/05/23 00:34
