こんにちは!
松戸市・馬橋の児童発達支援・放課後等デイサービス「キッズファースト」です。
2学期も半ばになり、学習内容が少しずつ難しくなってくるこの時期、保護者の方からこのような声をよく耳にします。
「宿題を始めるまでに1時間以上かかる」
「声をかけるとイライラして、毎日親子げんかになってしまう」
「プリント1枚なのに、気づくと別のことをしている」
「学校では頑張っているようなのに、家では全然やろうとしない」
宿題が進まない姿を毎日見ていると、「やる気がないのかな」「甘えているのかな」と感じてしまうこともあると思います。
しかし、**宿題に取りかかれない・終わらないことは、必ずしも「やる気」や「性格」の問題ではありません。**宿題には、取りかかる力、覚えておく力、注意を向け続ける力など、いくつもの力が関わっています。
今回は、小学生のお子さまが宿題をするために必要な力と、発達特性との関係、ご家庭でできる「やる気に頼らない」宿題の工夫をご紹介します。
※本記事は発達特性に関する一般的な情報をご紹介するものであり、医学的な判断をおこなうものではありません。お子さまの発達についての判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
【目次】
1、宿題に取りかかれないのは「やる気」の問題?
2、宿題をするために必要な力
3、宿題が進まないのは発達障害?
4、家庭でできる「やる気に頼らない」宿題の工夫
5、キッズファーストでの宿題支援の例
6、家庭で様子を見る目安と、相談を考える目安
7、おわりに
1、宿題に取りかかれないのは「やる気」の問題?
大人から見ると、宿題は「座って、やって、終わらせる」だけの簡単な作業に見えるかもしれません。
ですが子どもにとっての宿題は、学校で疲れた後に、自分で時間を決めて、楽しい遊びを我慢して、一人で最後までやりきるという、とても負担の大きい活動です。
特に小学生のうちは、自分で計画を立てて行動を始める力がまだ育っている途中です。「やらなきゃいけないのは分かっているのに、身体が動かない」というお子さまも少なくありません。
「やる気を出させる」ことよりも、「やる気がなくても始められる仕組み」をつくることが大切です。
2、宿題をするために必要な力
宿題をやりきるためには、主に次のような力が関わっています。これらは実行機能と呼ばれる、目標に向かって行動を調整する力の一部です。
取りかかる力
「今からやろう」と自分で行動を始める力です。この力がゆっくりなお子さまは、宿題が嫌いなわけではなくても、始めるまでに時間がかかってしまいます。
覚えておく力(ワーキングメモリ)
ワーキングメモリとは、情報を頭の中に一時的に置いておきながら作業する力です。「何の宿題が出ていたか」「問題文で何を聞かれていたか」を覚えておけないと、途中で手が止まりやすくなります。
注意を向け続ける力
周りの音、テレビ、きょうだいの声、机の上の物など、気になる刺激がある中で、宿題に注意を向け続ける力です。
時間の見通しを持つ力
「あとどのくらいで終わるか」が分からないと、終わりの見えない作業に感じてしまい、取りかかる気持ちが起きにくくなります。
読む・書く力
文字を読むことや書くことそのものに負担がある場合、他の子が10分で終わる宿題に何倍もの時間とエネルギーが必要になることがあります。
3、宿題が進まないのは発達障害?
宿題が進まないからといって、それだけで発達障害と判断するものではありません。疲れや睡眠、学習内容の難しさ、学校での人間関係など、さまざまな要因が関係します。
一方で、次のような発達特性が宿題のしにくさにつながっていることもあります。
**ADHD(注意欠如・多動症)**の不注意や衝動性がある場合、始めるまでに時間がかかる、途中で別のことに気がそれる、ケアレスミスが多いといった様子が見られることがあります。
LD(学習障害)、特に読み書きの苦手さ(ディスレクシアなど)がある場合、音読や漢字練習のたびに強い疲れを感じ、宿題自体を避けたくなることがあります。
**ASD(自閉スペクトラム症)**の特性がある場合、「学校の勉強は学校でするもの」というこだわりや、やり方が分からないときの不安から、取りかかりにくいことがあります。
大切なのは、名前がつくかどうかではなく、**「どの段階でつまずいているのか」**を見ていくことです。始めるところなのか、続けるところなのか、読み書きそのものなのかによって、効果的な工夫は変わります。
4、家庭でできる「やる気に頼らない」宿題の工夫
時間と場所を固定する
「おやつを食べたら宿題」「リビングのこの席でやる」など、毎日の流れの中に宿題を組み込みます。毎回「いつやるの?」と話し合う必要がなくなり、取りかかりのハードルが下がります。
宿題を小さく分けて見える化する
「漢字ドリル」「計算プリント」「音読」など、宿題を付せんやホワイトボードに書き出し、終わったら一つずつはがしていきます。終わりが目に見えることで、見通しを持ちやすくなります。
最初の1問だけ一緒にやる
取りかかりが苦手なお子さまには、最初の1問だけ隣で一緒に取り組んでみましょう。動き出すことができれば、その後は一人で進められることも多くあります。
机の上と周りの刺激を減らす
机の上には今使うものだけを置き、テレビは消す、おもちゃは視界に入らない場所に置くなど、注意がそれにくい環境を整えます。
タイマーで「終わり」を決める
「15分だけやってみよう」とタイマーをセットし、時間がきたら短い休憩を入れます。時間の見通しが立つことで、集中しやすくなるお子さまもいます。
できたことを具体的に伝える
「早くやりなさい」ではなく、「自分で座れたね」「3問終わったね」と、できた行動を具体的に認めることが、次の取りかかりにつながります。
学校と量や方法を相談する
それでも負担が大きい場合は、担任の先生に相談し、量の調整や、書く代わりに口頭で答えるなどの方法を検討してもらうことも一つの選択肢です。
5、キッズファーストでの宿題支援の例
キッズファーストの放課後等デイサービスでは、学校から帰ってきた後の「宿題タイム」を、お子さま一人ひとりに合わせた形で設けています。
例えば、宿題に取りかかるまでに時間がかかっていた小学3年生のお子さまには、次のような工夫をおこないました。
来所したら、その日の宿題をカードに書き出して並べる
どの順番でやるかを、お子さま自身に選んでもらう
1つ終わるごとにカードを「おわりボックス」に入れる
10分ごとに短い休憩をはさむ
最初は指導員が隣について取りかかりを一緒におこなっていましたが、少しずつ見守る距離を広げていきました。
数か月後には、来所するとすぐに自分からカードを並べ始め、「今日はこれから先にやる!」と順番を決めて取り組めるようになりました。ご家庭でも同じカードを使っていただいたことで、「家でも自分から始められる日が増えた」というお声をいただいています。
6、家庭で様子を見る目安と、相談を考える目安
家庭で関わりながら様子を見る目安
声かけや環境の工夫で、取りかかれる日が増えてきた
時間はかかっても、最後までやりきれることが多い
疲れている日など、特定のタイミングに限って進まない
好きな教科や得意な宿題には、自分から取り組める
相談を考える目安
工夫を続けても、毎日のように宿題が進まない状態が続いている
音読や漢字など、特定の読み書きに強い苦手さがある
宿題のたびに強く怒る・泣くなど、親子ともにつらい時間になっている
学校でも、忘れ物や提出物、授業への集中について繰り返し指摘されている
「どうせできない」など、自信をなくすような言葉が増えている
7、おわりに
宿題に取りかかれない・終わらない背景には、取りかかる力、ワーキングメモリ、注意を向け続ける力、時間の見通し、読み書きの力など、さまざまな要素が関わっています。
「やる気を出させる」ことよりも、「やる気がなくても始められる仕組み」をつくることを大切にしてみてください。
キッズファーストでは、松戸市・馬橋エリアで、お子さま一人ひとりの特性や発達段階に合わせた支援をおこなっています。「療育を使うほどなのか分からない」「家での宿題が毎日つらい」という段階でのご相談も大歓迎です。見学や体験も随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
松戸市・馬橋の児童発達支援・放課後等デイサービス「キッズファースト」です。
2学期も半ばになり、学習内容が少しずつ難しくなってくるこの時期、保護者の方からこのような声をよく耳にします。
「宿題を始めるまでに1時間以上かかる」
「声をかけるとイライラして、毎日親子げんかになってしまう」
「プリント1枚なのに、気づくと別のことをしている」
「学校では頑張っているようなのに、家では全然やろうとしない」
宿題が進まない姿を毎日見ていると、「やる気がないのかな」「甘えているのかな」と感じてしまうこともあると思います。
しかし、**宿題に取りかかれない・終わらないことは、必ずしも「やる気」や「性格」の問題ではありません。**宿題には、取りかかる力、覚えておく力、注意を向け続ける力など、いくつもの力が関わっています。
今回は、小学生のお子さまが宿題をするために必要な力と、発達特性との関係、ご家庭でできる「やる気に頼らない」宿題の工夫をご紹介します。
※本記事は発達特性に関する一般的な情報をご紹介するものであり、医学的な判断をおこなうものではありません。お子さまの発達についての判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
【目次】
1、宿題に取りかかれないのは「やる気」の問題?
2、宿題をするために必要な力
3、宿題が進まないのは発達障害?
4、家庭でできる「やる気に頼らない」宿題の工夫
5、キッズファーストでの宿題支援の例
6、家庭で様子を見る目安と、相談を考える目安
7、おわりに
1、宿題に取りかかれないのは「やる気」の問題?
大人から見ると、宿題は「座って、やって、終わらせる」だけの簡単な作業に見えるかもしれません。
ですが子どもにとっての宿題は、学校で疲れた後に、自分で時間を決めて、楽しい遊びを我慢して、一人で最後までやりきるという、とても負担の大きい活動です。
特に小学生のうちは、自分で計画を立てて行動を始める力がまだ育っている途中です。「やらなきゃいけないのは分かっているのに、身体が動かない」というお子さまも少なくありません。
「やる気を出させる」ことよりも、「やる気がなくても始められる仕組み」をつくることが大切です。
2、宿題をするために必要な力
宿題をやりきるためには、主に次のような力が関わっています。これらは実行機能と呼ばれる、目標に向かって行動を調整する力の一部です。
取りかかる力
「今からやろう」と自分で行動を始める力です。この力がゆっくりなお子さまは、宿題が嫌いなわけではなくても、始めるまでに時間がかかってしまいます。
覚えておく力(ワーキングメモリ)
ワーキングメモリとは、情報を頭の中に一時的に置いておきながら作業する力です。「何の宿題が出ていたか」「問題文で何を聞かれていたか」を覚えておけないと、途中で手が止まりやすくなります。
注意を向け続ける力
周りの音、テレビ、きょうだいの声、机の上の物など、気になる刺激がある中で、宿題に注意を向け続ける力です。
時間の見通しを持つ力
「あとどのくらいで終わるか」が分からないと、終わりの見えない作業に感じてしまい、取りかかる気持ちが起きにくくなります。
読む・書く力
文字を読むことや書くことそのものに負担がある場合、他の子が10分で終わる宿題に何倍もの時間とエネルギーが必要になることがあります。
3、宿題が進まないのは発達障害?
宿題が進まないからといって、それだけで発達障害と判断するものではありません。疲れや睡眠、学習内容の難しさ、学校での人間関係など、さまざまな要因が関係します。
一方で、次のような発達特性が宿題のしにくさにつながっていることもあります。
**ADHD(注意欠如・多動症)**の不注意や衝動性がある場合、始めるまでに時間がかかる、途中で別のことに気がそれる、ケアレスミスが多いといった様子が見られることがあります。
LD(学習障害)、特に読み書きの苦手さ(ディスレクシアなど)がある場合、音読や漢字練習のたびに強い疲れを感じ、宿題自体を避けたくなることがあります。
**ASD(自閉スペクトラム症)**の特性がある場合、「学校の勉強は学校でするもの」というこだわりや、やり方が分からないときの不安から、取りかかりにくいことがあります。
大切なのは、名前がつくかどうかではなく、**「どの段階でつまずいているのか」**を見ていくことです。始めるところなのか、続けるところなのか、読み書きそのものなのかによって、効果的な工夫は変わります。
4、家庭でできる「やる気に頼らない」宿題の工夫
時間と場所を固定する
「おやつを食べたら宿題」「リビングのこの席でやる」など、毎日の流れの中に宿題を組み込みます。毎回「いつやるの?」と話し合う必要がなくなり、取りかかりのハードルが下がります。
宿題を小さく分けて見える化する
「漢字ドリル」「計算プリント」「音読」など、宿題を付せんやホワイトボードに書き出し、終わったら一つずつはがしていきます。終わりが目に見えることで、見通しを持ちやすくなります。
最初の1問だけ一緒にやる
取りかかりが苦手なお子さまには、最初の1問だけ隣で一緒に取り組んでみましょう。動き出すことができれば、その後は一人で進められることも多くあります。
机の上と周りの刺激を減らす
机の上には今使うものだけを置き、テレビは消す、おもちゃは視界に入らない場所に置くなど、注意がそれにくい環境を整えます。
タイマーで「終わり」を決める
「15分だけやってみよう」とタイマーをセットし、時間がきたら短い休憩を入れます。時間の見通しが立つことで、集中しやすくなるお子さまもいます。
できたことを具体的に伝える
「早くやりなさい」ではなく、「自分で座れたね」「3問終わったね」と、できた行動を具体的に認めることが、次の取りかかりにつながります。
学校と量や方法を相談する
それでも負担が大きい場合は、担任の先生に相談し、量の調整や、書く代わりに口頭で答えるなどの方法を検討してもらうことも一つの選択肢です。
5、キッズファーストでの宿題支援の例
キッズファーストの放課後等デイサービスでは、学校から帰ってきた後の「宿題タイム」を、お子さま一人ひとりに合わせた形で設けています。
例えば、宿題に取りかかるまでに時間がかかっていた小学3年生のお子さまには、次のような工夫をおこないました。
来所したら、その日の宿題をカードに書き出して並べる
どの順番でやるかを、お子さま自身に選んでもらう
1つ終わるごとにカードを「おわりボックス」に入れる
10分ごとに短い休憩をはさむ
最初は指導員が隣について取りかかりを一緒におこなっていましたが、少しずつ見守る距離を広げていきました。
数か月後には、来所するとすぐに自分からカードを並べ始め、「今日はこれから先にやる!」と順番を決めて取り組めるようになりました。ご家庭でも同じカードを使っていただいたことで、「家でも自分から始められる日が増えた」というお声をいただいています。
6、家庭で様子を見る目安と、相談を考える目安
家庭で関わりながら様子を見る目安
声かけや環境の工夫で、取りかかれる日が増えてきた
時間はかかっても、最後までやりきれることが多い
疲れている日など、特定のタイミングに限って進まない
好きな教科や得意な宿題には、自分から取り組める
相談を考える目安
工夫を続けても、毎日のように宿題が進まない状態が続いている
音読や漢字など、特定の読み書きに強い苦手さがある
宿題のたびに強く怒る・泣くなど、親子ともにつらい時間になっている
学校でも、忘れ物や提出物、授業への集中について繰り返し指摘されている
「どうせできない」など、自信をなくすような言葉が増えている
7、おわりに
宿題に取りかかれない・終わらない背景には、取りかかる力、ワーキングメモリ、注意を向け続ける力、時間の見通し、読み書きの力など、さまざまな要素が関わっています。
「やる気を出させる」ことよりも、「やる気がなくても始められる仕組み」をつくることを大切にしてみてください。
キッズファーストでは、松戸市・馬橋エリアで、お子さま一人ひとりの特性や発達段階に合わせた支援をおこなっています。「療育を使うほどなのか分からない」「家での宿題が毎日つらい」という段階でのご相談も大歓迎です。見学や体験も随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!