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集団行動が苦手なお子様が本当に必要としている関わり方

教室の毎日
こんにちは。

横浜市青葉区になるフォレストキッズこどもの国教室の木山です。
前回から少しお時間が空いてしましたが、今回はよくご相談が寄せられる集団行動の難しさへの対応方法についてお話ししようと思います。

例の如く、適切な関わり方や環境を提供するためには、まずは集団行動が苦手な原因から探る必要があります。結論からお話しすると、幼児が幼稚園や保育園での集団行動が難しい場合、こだわりの強さや、衝動性の強さなどが原因として考えられることが多いです。「やりたい」「やりたくない」というこだわりが結果として衝動性に繋がってるケースも少なくなく、こだわりと衝動性が表裏一体のような印象を受けます。

そこで今回はそのようなお子様に対してどのような対応や関わり方をしていけば良いのかをお話しいたします。

◾️前頭前野の発達による自己抑制能力の向上

今回のポイントとしては、「前頭前野の発達による自己抑制能力の向上」が挙げられます。幼稚園で自己抑制が難しい行動が見られる場合、その背景には幼児期の前頭前野は発達が未熟ということが考えられます。前頭前野は自己抑制や計画性、柔軟な思考を司る領域で、特に幼児期から青年期にかけて発達します。この部分の神経回路は「使えば使うほど強化される」性質があります。我慢や意思決定を伴う行動を繰り返すことで、この領域が鍛えられるとされています。

◾️前頭前野の発達を促す

では、これらの役割を担っている前頭前野を発達を促していく方法ですが、日常生活の中で「指示に従う」「自分の欲求を抑える」「我慢する」経験を繰り返すことが、この領域の発達に寄与する可能性があると考えられています。特に幼児期にこれらの訓練を行う必要が高い理由としては以下が挙げられます。

1. 行動と脳の可塑性
幼児期は脳の「可塑性」が高い時期です。この時期に繰り返し自己抑制を学ぶことで、神経回路がより効率的に形成されます。たとえば、ルールを守る遊びや、順番を待つ経験などは、この発達を促すトレーニングになります。
2. 報酬系の調整
我慢した先に得られる「報酬」(褒められる、お菓子をもらうなど)が脳内のドーパミン分泌を促し、努力と結果の関係を学習します。これにより、将来的に大きな報酬を得るために短期的な欲求を抑えるスキルが身につきます。
3. 感情の調整
自分の感情や衝動を管理する力が育ち、他者と良好な関係を築くための土台になります。
このように、前提として集団行動に参加できるようになっていくためには、気長に前頭前野の発達を促していくことが重要ということを頭に入れておかなければなりません。ただ、気長に待ついうことだけではなく、療育や日々の関わり方で発達をより促していくことが大事です。

◾️”今”先生や支援者、保護者様ができること

前提として、集団行動ができるようになるために、脳の発達からの観点でお話ししましたが、集団行動に難しさがある幼児の場合、他者と比較することや、他者から指摘される回数がとても多くなるため、自己肯定感が下がったり社会に対しての不信感を感じたり、挑戦することへの苦手意識を感じることが非常に多いです。そのため、脳の発達により集団に参加できるようになるまでは、参加できないことを指摘するのではく、少しでも自己肯定感を高めたり、周囲のサポートによって少しでも活動に参加することで興味の幅を広げたり、積極的に物事に取り組めるマインドを身につけておけるかが重要になります。
つまり、脳の発達により集団行動に参加できるようになったときに、本来お子様が持っている可能性を少しでも広げてあげておくことが重要です。

◾️将来の可能性を広げていくためのポイント

集団行動への参加が難しい幼児に対しては、少しでも将来の可能性を広げてあげておくことが大切ですが、ポイントを以下に記載します。

◯自己抑制能力の向上

療育で自然に我慢して、楽しく課題に取り組むことはもちろん、ご家庭では少しでも保護者様のペースで行動する習慣を身につけるのが良いです。例えば、お片付けをしてもらう際には、「やらない!」となっても全部ではなく1つでも良いためハードルを下げて、こちらのペースで行動をしてもらうことの繰り返しが重要です。また、その行動ができた際には、褒める、好きなお菓子をあげるなどの報酬を用意することで、自分の気持ちを抑制して他者のペースで行動すると良い結果が得られることを学習していくのが望ましいです。

◯自己肯定感や挑戦意欲の向上

他者との比較や、他者から指摘されることから劣等感を感じることが多くあります。自己肯定感や挑戦意欲の向上のために、課題が達成できなくても、結果ではなくやろうとした過程を褒める事や、できなくても指摘するのではく共感することで自己肯定感を低下させないことが重要です。

◯社会への興味関心を高める
集団行動に参加できないなどの行動によって、他者に理解されず、様々な場面で指摘されることにより、他者や社会に対して自分のことは誰も理解してくれないなどの不信感を抱いていく可能性があります。そのため、まずはこだわりや衝動性が原因でその行動がしたかったことを理解し肯定した上で、適切な行動を教えてあげることが大事です。問題行動にも常にお子様なりのやりたかった理由があることを頭に入れ、共感的な態度を示すことが重要です。

◾️集団療育の落とし穴

続いては、実際の療育選びについて解説していきます。
集団行動ができないお子様に集団療育が勧められるケースがよくありますが、そこには大きな落とし穴が潜んでいる可能性があります。
表面上的には、集団行動ができないから、集団療育に通うのはとても良さそうですが、実際にはどのようなリスクが潜んでいるのかを確認していきます。

集団療育に潜むリスクの観点を考えると、集団行動に難しさを感じているお子様が集団療育に通うことは逆効果の場合があります。
集団療育には社会性を学ぶための良い機会というメリットもありますが、衝動性やこだわりの強いお子様にとっては、次のようなリスクが潜んでいる可能性を頭に入れておきましょう。

* 周囲のペースに合わせられないストレス

そもそも、こだわりや衝動性で集団に参加ができない特性を考慮すると、集団療育では、他の子どもに合わせることが求められることが、大きな負担になることがあります。

* 他の子どもとの比較による自己肯定感の低下

自己抑制が難しい状態で集団活動に参加すると、ルールを守れなかったり、他の子と比べて「できない」「参加できない」自分を意識してしまうことがあります。こうした体験は自己肯定感を下げ、「自分はダメだ」「またできない」といった学習につながる可能性があります。また、集団に入ることが正義という考えや雰囲気を押し付けられることで、自己肯定感が低下し、集団自体が嫌いになる可能性があります。

* マンツーマンの重要性

ここが一番重要なポイントですが、マンツーマンで支援者がつかない場合、本人がうまくいかずに混乱するだけでなく、他の子どもの活動にも影響を与える可能性があります。自己抑制能力を鍛えるには、強制的な「我慢」ではなく、楽しい体験の中で自然に練習する方が効果的です。個別の環境であれば、子どもが楽しいと感じる要素を取り入れやすく、モチベーションを高めながらスキルを育てることができます。逆に言うと集団療育でもマンツーマン対応で先生がつける場合は、たくさんのメリットを享受できる可能性があります

このように、幼稚園で自己抑制が難しい行動が多く見られる子どもに対しては、集団療育自体にリスクが潜んでいる可能性があるため、個別で楽しい活動を通じて自然に自己抑制を促す機会を提供する方が、本質的に適切である場合が多いです。(あくまで個人的な見解ですので、その事業所が目的としていることを確認するのが良いです。)


◾️まとめ
ここまで、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
幼児期に、集団行動への難しを感じている場合には、気長に待つことがとても大切です。療育に通ったからすぐに集団に参加できるようなものではなく、少しでも前頭前野の発達を促したり、興味の幅を広げたり、自己肯定感を高めたりすることで、将来の可能性を広げてあげておくことが重要です。そのため、まずはその子に合った支援の提供や適切な関わり方を行うことが、将来的な自己抑制能力や社会性の向上につながると思います。


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