体力テストの結果ひとつで、子どもの表情が少し曇ることがあります。「またできなかった」「自分は運動が苦手なんだ」と、たった数十秒の測定が、その子の自信に影を落としてしまう。けれど上体起こしは、才能だけで決まるものではありません。少しのコツと、そばで支えてくれる人の関わり方で、「できない」はちゃんと変わっていきます。
4月は、入学式や新年度の慌ただしさで、子どもたちも保護者の方も少し落ち着かない時期です。
新しいクラス、新しい先生、新しい生活リズム。ようやくそれに慣れてきた頃、5月・6月にやってくるのが体力テストです。
毎年この時期になると、体力テストの結果に不安を感じる保護者の方がいます。
「今回も判定が低かったらどうしよう」
「うちの子、また自信をなくしてしまうかもしれない」
そして実際に、点数や判定を見て、「ああ、僕ってできないんだ」と自己肯定感を下げてしまう子どもたちも少なくありません。
だからこそ、ラフダイでは4月から体力テストに向けたトレーニングをたくさん取り入れています。
今回のテーマは、体力テストの中でも苦手意識を持つ子が多い「上体起こし」です。いわゆる腹筋運動です。
上体起こしは、ただがむしゃらに頑張れば回数が増える、というものではありません。
もちろん筋力も関係しますが、それ以上に大切なのは「体の使い方」と「支える側の関わり方」です。
今回は、普段の療育トレーニングの中で実際に効果があった、上体起こしのポイントを2つ紹介します。
まず基本の形です。
仰向けに寝転がり、膝を曲げます。足は相手に押さえてもらいます。そして手は胸の前でバッテンにします。
ここで大切なのは、手の位置です。
体力テストでは、手を膝に伸ばしたり、膝を持ったりする形はNGになります。つい起き上がりやすくするために手を使いたくなりますが、正式な形では胸の前で腕を組む必要があります。
この姿勢を確認したうえで、ひとつ目のポイントです。
起き上がる時は、自分のおへそを見るようにします。
ただ上に起き上がろうとすると、首や肩に余計な力が入りやすくなります。すると体がうまく丸まらず、起き上がる動きがぎこちなくなってしまいます。
でも「おへそを見る」という意識を持つと、自然と背中が丸まり、腹筋を使いやすい形になります。
子どもに伝える時も、「腹筋に力を入れて」と言うより、「おへそを見て起き上がってみよう」と伝えた方が、イメージしやすいことがあります。
体の使い方は、言葉ひとつで変わります。
子どもに必要なのは、根性論ではなく「できる感覚」をつかむための具体的なヒントです。
そして、もうひとつ大事なポイントがあります。
これはラフダイオリジナルの視点でもあります。
上体起こしで大切なのは、起き上がる本人だけではありません。足を押さえる側の人も、とても重要です。
多くの場合、足を押さえる人は「ただ支えているだけ」になりがちです。軽く足首を持っているだけ、なんとなく押さえているだけ。もちろん、それでも形としては成立しています。
でも、その状態だと、起き上がる子どもは自分の力だけで全部を頑張らなければいけません。
腹筋が弱い子、体の使い方がまだつかめていない子にとっては、それがとても大変です。
一方で、足を押さえる側がしっかり固定してあげると、起き上がる側はかなり動きやすくなります。
足元が安定するだけで、体幹に力が入りやすくなります。安心して体を起こせるようになります。
さらに、押さえる側が少しだけ「引いてあげる」ような感覚でサポートすると、子どもはより起き上がりやすくなります。
これは反則ではありません。裏技です。
もちろん、無理に引っ張り上げるという意味ではありません。あくまで、足元をしっかり安定させて、起き上がる動きが出やすいように助けるということです。
実際に、押さえ方を変えるだけで「さっきより楽!」と感じる子はたくさんいます。
同じ子でも、支え方ひとつで回数が変わることがあります。
これは、上体起こしが単なる個人競技ではないということを教えてくれます。
「できた」の裏側には、本人の努力だけでなく、支えてくれる人の存在があります。
体力テストというと、どうしても点数や判定に目が向きます。
何回できたか。平均より上か下か。A判定か、そうではないか。
でも、子どもにとって本当に大切なのは、その結果を通して自分をどう感じるかです。
「やっぱり自分はできない」と思ってしまうのか。
それとも、「練習したら少しできるようになった」「コツを知ったら変わった」と感じられるのか。
この違いは大きいです。
体力テストは、子どもの能力を決めつけるためのものではありません。本来は、今の自分の体を知り、そこから少しずつ成長していくためのきっかけです。
だからこそ、事前に練習しておくことには意味があります。
本番で初めてやって、うまくいかなくて、苦手意識だけが残ってしまう。そんな経験を少しでも減らしたいのです。
特に上体起こしが苦手な子には、まず「正しい形」を知ること。そして「おへそを見る」というわかりやすいコツをつかむこと。
さらに、足を押さえる人がしっかり協力してあげること。
この2つだけでも、子どもの動きは変わります。
そして動きが変わると、表情も変わります。
「できた」
「前より増えた」
「もう一回やってみたい」
その小さな変化が、自己肯定感につながっていきます。
私たちが大切にしたいのは、ただ回数を増やすことだけではありません。
もちろん、体力テストで少しでも良い結果が出ることは嬉しいことです。子どもにとっても、保護者の方にとっても、大きな安心材料になります。
でもその前に、「自分にもできるかもしれない」と思える経験を積んでほしいのです。
上体起こしは、一人で歯を食いしばって頑張る種目に見えるかもしれません。
けれど実際には、体の使い方を教えてくれる人がいて、足元を支えてくれる人がいて、少しずつ「できる」に近づいていくものです。
子どもたちは、一人で強くなるわけではありません。
誰かに支えられながら、自分の力を出せるようになっていきます。
5月・6月の体力テストに向けて、今できることはたくさんあります。焦らなくて大丈夫です。まずは寝転がって、手を胸の前でバッテンにして、おへそを見ながら起き上がってみる。
そして、そばにいる大人がしっかり足元を支えてあげる。
その小さな練習が、子どもの中にある「どうせ無理」を、「ちょっとできた」に変えていきます。
体力テストは、点数をつける時間である前に、子どもが自分の成長に気づく時間であってほしい。
そのために、私たちは今日も、足元を支えるところから始めています。
4月は、入学式や新年度の慌ただしさで、子どもたちも保護者の方も少し落ち着かない時期です。
新しいクラス、新しい先生、新しい生活リズム。ようやくそれに慣れてきた頃、5月・6月にやってくるのが体力テストです。
毎年この時期になると、体力テストの結果に不安を感じる保護者の方がいます。
「今回も判定が低かったらどうしよう」
「うちの子、また自信をなくしてしまうかもしれない」
そして実際に、点数や判定を見て、「ああ、僕ってできないんだ」と自己肯定感を下げてしまう子どもたちも少なくありません。
だからこそ、ラフダイでは4月から体力テストに向けたトレーニングをたくさん取り入れています。
今回のテーマは、体力テストの中でも苦手意識を持つ子が多い「上体起こし」です。いわゆる腹筋運動です。
上体起こしは、ただがむしゃらに頑張れば回数が増える、というものではありません。
もちろん筋力も関係しますが、それ以上に大切なのは「体の使い方」と「支える側の関わり方」です。
今回は、普段の療育トレーニングの中で実際に効果があった、上体起こしのポイントを2つ紹介します。
まず基本の形です。
仰向けに寝転がり、膝を曲げます。足は相手に押さえてもらいます。そして手は胸の前でバッテンにします。
ここで大切なのは、手の位置です。
体力テストでは、手を膝に伸ばしたり、膝を持ったりする形はNGになります。つい起き上がりやすくするために手を使いたくなりますが、正式な形では胸の前で腕を組む必要があります。
この姿勢を確認したうえで、ひとつ目のポイントです。
起き上がる時は、自分のおへそを見るようにします。
ただ上に起き上がろうとすると、首や肩に余計な力が入りやすくなります。すると体がうまく丸まらず、起き上がる動きがぎこちなくなってしまいます。
でも「おへそを見る」という意識を持つと、自然と背中が丸まり、腹筋を使いやすい形になります。
子どもに伝える時も、「腹筋に力を入れて」と言うより、「おへそを見て起き上がってみよう」と伝えた方が、イメージしやすいことがあります。
体の使い方は、言葉ひとつで変わります。
子どもに必要なのは、根性論ではなく「できる感覚」をつかむための具体的なヒントです。
そして、もうひとつ大事なポイントがあります。
これはラフダイオリジナルの視点でもあります。
上体起こしで大切なのは、起き上がる本人だけではありません。足を押さえる側の人も、とても重要です。
多くの場合、足を押さえる人は「ただ支えているだけ」になりがちです。軽く足首を持っているだけ、なんとなく押さえているだけ。もちろん、それでも形としては成立しています。
でも、その状態だと、起き上がる子どもは自分の力だけで全部を頑張らなければいけません。
腹筋が弱い子、体の使い方がまだつかめていない子にとっては、それがとても大変です。
一方で、足を押さえる側がしっかり固定してあげると、起き上がる側はかなり動きやすくなります。
足元が安定するだけで、体幹に力が入りやすくなります。安心して体を起こせるようになります。
さらに、押さえる側が少しだけ「引いてあげる」ような感覚でサポートすると、子どもはより起き上がりやすくなります。
これは反則ではありません。裏技です。
もちろん、無理に引っ張り上げるという意味ではありません。あくまで、足元をしっかり安定させて、起き上がる動きが出やすいように助けるということです。
実際に、押さえ方を変えるだけで「さっきより楽!」と感じる子はたくさんいます。
同じ子でも、支え方ひとつで回数が変わることがあります。
これは、上体起こしが単なる個人競技ではないということを教えてくれます。
「できた」の裏側には、本人の努力だけでなく、支えてくれる人の存在があります。
体力テストというと、どうしても点数や判定に目が向きます。
何回できたか。平均より上か下か。A判定か、そうではないか。
でも、子どもにとって本当に大切なのは、その結果を通して自分をどう感じるかです。
「やっぱり自分はできない」と思ってしまうのか。
それとも、「練習したら少しできるようになった」「コツを知ったら変わった」と感じられるのか。
この違いは大きいです。
体力テストは、子どもの能力を決めつけるためのものではありません。本来は、今の自分の体を知り、そこから少しずつ成長していくためのきっかけです。
だからこそ、事前に練習しておくことには意味があります。
本番で初めてやって、うまくいかなくて、苦手意識だけが残ってしまう。そんな経験を少しでも減らしたいのです。
特に上体起こしが苦手な子には、まず「正しい形」を知ること。そして「おへそを見る」というわかりやすいコツをつかむこと。
さらに、足を押さえる人がしっかり協力してあげること。
この2つだけでも、子どもの動きは変わります。
そして動きが変わると、表情も変わります。
「できた」
「前より増えた」
「もう一回やってみたい」
その小さな変化が、自己肯定感につながっていきます。
私たちが大切にしたいのは、ただ回数を増やすことだけではありません。
もちろん、体力テストで少しでも良い結果が出ることは嬉しいことです。子どもにとっても、保護者の方にとっても、大きな安心材料になります。
でもその前に、「自分にもできるかもしれない」と思える経験を積んでほしいのです。
上体起こしは、一人で歯を食いしばって頑張る種目に見えるかもしれません。
けれど実際には、体の使い方を教えてくれる人がいて、足元を支えてくれる人がいて、少しずつ「できる」に近づいていくものです。
子どもたちは、一人で強くなるわけではありません。
誰かに支えられながら、自分の力を出せるようになっていきます。
5月・6月の体力テストに向けて、今できることはたくさんあります。焦らなくて大丈夫です。まずは寝転がって、手を胸の前でバッテンにして、おへそを見ながら起き上がってみる。
そして、そばにいる大人がしっかり足元を支えてあげる。
その小さな練習が、子どもの中にある「どうせ無理」を、「ちょっとできた」に変えていきます。
体力テストは、点数をつける時間である前に、子どもが自分の成長に気づく時間であってほしい。
そのために、私たちは今日も、足元を支えるところから始めています。