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働くを“演じる”という選択:ラフダイがひらく4年間の大学

18歳を境に、世界は急に細くなる。進学か、就職か、少し休むか——多くの選択肢が並ぶはずの岐路で、特性のある若者たちには「働くか、働かないか」という二択だけが突きつけられやすい。もし、その狭さを楽しさで広げられるなら?ダンスと演劇を入口に、働くための心と体の土台をつくる“福祉型の大学”。そんな場所を、僕たちは本気で作ろうとしている。

18歳までの放課後等デイサービスを終えると、多くの子どもたちは進路の岐路に立ちます。大学、専門、就職、少し休む——社会には本来、広い選択肢があるはずです。けれど特性のある若者たちには、その幅がぐっと狭まりやすい現実がある。働く場所も限られ、「どこで」「どうやって」働くのかという具体的な道筋が見えづらい。僕自身、その不自然な狭さを何度も目の当たりにしてきました。

そこで僕たちは、ラフアンドダイヤモンズユニバーシティ、通称「ラフ大」を立ち上げます。18歳以降の4年間を、2年+2年の就労支援で伴走する“福祉型の大学”です。前半の2年は「自立訓練(生活訓練)」、後半の2年は「就労移行支援」。この二つをつなぎ、土台から実践までを段階的に育てる構造にしました。

最初の自立訓練では、社会の中で生活するための基本を整えます。朝起きて事業所へ行く、身だしなみを整える、体力をつける、お金の管理を学ぶ。教科書的に見えるかもしれないけれど、ここを“楽しさ”で満たすのがラフダイのやり方です。18歳まで取り組んできたダンス療育や演劇療育を、就労支援の文脈に接続する。体を動かし、リズムを取り戻し、姿勢を意識して第一印象を変える。体内リズムが整えば、生活リズムも立ち上がる。

そして演劇。働くことは、ある意味「演じる」ことに近い。職場では、先輩への話し方、お客様への話し方、同僚との距離感——役割によって言葉も振る舞いも変わります。素のままでいられるときもあるが、いつもではない。だからこそ、「演じる」を遊びながら身につける。オンとオフを切り替える感覚、心のモードを「働く」に合わせてプシッと切り替える練習を、演劇療育を通して重ねていきます。

基盤が整ったら、いよいよ後半の就労移行支援へ。ここでは「働く」を具体的にイメージし、日々のトレーニングを実践へと近づけます。朝、事業所に来たらまずダンス。ラジオ体操ではなく、音楽に乗って汗をかき、心と体を元気にする。服装や身だしなみを整え、短いスクリプトで会話のやり取りを練習する。トークの型を持つことで、緊張に飲まれない準備ができる。

同時に、専門性のスキルも積み上げます。プログラミング、オンライン英語、PCスキル——必要に応じて資格取得も目指す。エンタメ療育の文脈を保ちながら、実務的な力へと橋渡しをしていく。心と体の調律と、職能の積み上げ。その両輪で前に進みます。

もうひとつ、ラフダイが重視しているのは「試せる期間」を作ることです。ハローワークや企業と連携し、インターンの機会を増やす。働く側も、雇用する側も、いきなり本番だとハードルが高い。お互いに試せる時間があれば、ミスマッチは確実に減ります。既存の制度を活用し、企業側にも見守りのための報酬が行き、インターンとして働く本人にも対価が支払われる仕組みを整える。練習に価値を認めることは、継続の力になります。

“選択肢の幅が狭い”という構造そのものに対して、僕たちは伴走で応えます。好きや得意に触れてみる機会を増やす。実際の職場で人と関わってみる。少しずつ視野を広げ、本人と保護者の「働きたい」の輪郭をはっきりさせる。企業側にはハードルを下げる仕掛けを用意し、よい出会いを継続するための接着剤として機能する。

「働くことは、ただの最終地点ではない。心と体、役割と関係性の支えがあって、初めて立ち上がる動詞だ。」僕はそう信じています。

最後にもう一度、ラフダイの骨格を。2年の自立訓練と2年の就労移行支援をつなげた、福祉型の“大学”。ダンスと演劇でオンオフの切り替えを学び、身だしなみと体力を整え、会話の型を身につける。プログラミングや英語で専門性を育て、インターンで実戦を重ねる。4年間の伴走で、選択肢を広げ、視野を育て、最善の進路へと導く。

「あのとき18歳で世界が細くなった」と感じる代わりに、「あの4年で世界が広がった」と言えるように。ラフダイは、そのための場であり、方法です。楽しさで広げる就労支援。僕たちは、ここから本気でやっていきます。

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