こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も中旬を過ぎ、いよいよ子どもたちが待ちに待った夏休みがやってきますね。日差しも強くなり、夕方の少し涼しくなった時間を狙って公園へ出かけたり、おうちで水遊びをしたりする機会が増える時期です。
そんな楽しい遊びの時間の終わりに、必ずと言っていいほど繰り広げられる「あの死闘」に、毎日ヘトヘトになっていませんか?
「『もう帰るよ』と声をかけた瞬間、地面にひっくり返って大泣きし、絶対に動こうとしない」
「『あと1回すべり台したら帰るよ』と約束したのに、1回終わっても『いやだ!まだ遊ぶ!』と永遠に終わらない」
「無理やり抱えて自転車に乗せようとすると、エビ反りになって暴れ、周囲の視線が突き刺さる」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も、帰り道の自転車で鼓膜が破れるほど泣き叫び続けた時期がありました…!)の中でも、この「気持ちの切り替えができない・終わりを受け入れられない」というお悩みは、本当によくお聞きします。
「約束したでしょ!」「いい加減にしなさい!」
汗だくになりながら怒鳴り、周囲に「あそこのお母さん、大変ね」という目で見られ、帰宅する頃には親のHP(体力)はゼロ……。「うちの子、どうしてこんなに聞き分けが悪いの?」と、寝顔を見ながら自己嫌悪に陥ってしまうお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが「帰らない!」と激しくパニックになるのは、決して「親との約束を破るワガママな子」だからでも、「しつけが足りない」からでもありません。
これには、脳の「時間の捉え方」と「興奮のブレーキ機能」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、「おしまい」を受け入れてスムーズに切り替えられないのか?
大人の目には「ただダダをこねている」ように見えますが、お子さまの脳の中では、以下のような大パニックが起きています。
① 脳の中に「未来(見通し)」が存在しない(時間感覚の未熟さ)
私たち大人は「今帰れば、夕飯に間に合って、テレビが見られる」と先の見通しを立てることができます(前頭葉の実行機能)。
しかし、発達に凸凹のあるお子さまは、この前頭葉の働きがゆっくりなため、「今、目の前にある楽しいこと」が世界のすべてになっています。「帰る」と言われた瞬間、大好きな世界が突然消滅し、永遠に遊べなくなるような強烈な絶望感と恐怖に襲われているのです。「あと5分ね」という言葉も、時間の概念がないお子さまにとっては外国語と同じで、全く意味を成していません。
② ドーパミン全開で「ブレーキペダル」が消え去っている
公園で夢中になって遊んでいる時、お子さまの脳内には「ドーパミン」という興奮ホルモンが大量に分泌され、エンジンが全開で回っています。
そこへ急に「おしまい!」と声をかけるのは、時速100キロで走っている車に「今すぐ急ブレーキを踏んで止まれ!」と命令しているのと同じです。脳のコントロール機能が追いつかず、感情がスピンして(パニックを起こして)大爆発してしまうのです。
今日から即実践!「気持ちの切り替え」をスムーズにする実用アプローチ
「約束破るなら、もう二度と公園に連れてこないよ!」と脅すことは、パニックになっている脳にさらに恐怖を与えるだけで、何の解決にもなりません。
今日から、以下の3つのアプローチで「脳が自然にブレーキを踏める仕組み」を作ってみてください。
1. 「見えない時間」を「見える化」する(タイムタイマー)
「あと少し」「あと5分」という言葉を捨てましょう。
代わりに、赤いフィルムが減っていくことで残り時間がひと目で分かる「タイムタイマー(時計)」や、スマートフォンの視覚的なタイマーアプリを使ってください。
「この赤いところがなくなったら、おしまいだよ」と視覚(目)から情報を入れると、お子さまの脳は驚くほどすんなりと「終わり」の予測を立てられるようになります。
2. 【理学療法士の裏技】切り替えに「重い荷物(固有受容覚)」を使う
興奮してエンジンが止まらない脳を、身体のアプローチで物理的に落ち着かせる方法です。
帰る時間になったら、「お母さんのカバン、すごく重いんだけど、自転車のところまで運んでくれる?」と、少し重さのある荷物を持たせてみてください。関節や筋肉に「ズシッ」と強い圧(固有受容覚)が入ることで、自律神経が一気に落ち着き、「遊びモード」から「お仕事(運ぶ)モード」へ、脳のギアを強制的に切り替えることができます。
3. 「帰る」ではなく「次のワクワク」を提案する
「帰るよ」という言葉は、お子さまにとって「楽しいことの強制終了」を意味します。
そうではなく、「さあ、おうちに帰って冷たいアイスを食べよう!」「今日のお風呂は青い入浴剤にしようか!」と、「公園の次に待っている楽しいこと」に脳のスポットライトをずらしてあげてください。未来の楽しみが提示されることで、今の楽しさを手放しやすくなります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに前頭葉が発達すれば、少しずつ見通しが持てるようになりますが、以下のような状態が見られる場合は、これからの集団生活(保育園や学校での活動の切り替え)で大きなつまずきとなるため、専門的なアプローチが必要です。
パニックが激しく、1時間以上泣き叫び続けて嘔吐してしまったり、自分の頭を壁に打ち付けたりする。
おもちゃ屋さんや公園など、好きな場所から離れる際、親に激しい暴力(噛む、蹴る)を振るう。
切り替えのたびに起こる大号泣に親が疲弊しきってしまい、休日に一切外出できなくなっている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、サーキット運動などの中で「音楽が鳴ったら動く、止まったら次のおもちゃへ移動する」といった【ストップ&ゴー】の遊びを徹底して行います。全身を使った遊びの中で「終わり」と「次の始まり」を何度も経験することで、脳はしなやかに「切り替える力(認知の柔軟性)」を獲得していくのです。
夕暮れの公園で、泣き叫ぶ我が子を抱きかかえ、汗と涙でぐしゃぐしゃになりながら帰路についているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して親を困らせたいわけではなく、楽しすぎる世界から上手に抜け出す方法が分からず、助けを求めているだけなのです。
「うちの子の切り替えの悪さ、脳のメカニズムが関係しているのかも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、親子で笑顔で「また明日ね!」と言える方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も中旬を過ぎ、いよいよ子どもたちが待ちに待った夏休みがやってきますね。日差しも強くなり、夕方の少し涼しくなった時間を狙って公園へ出かけたり、おうちで水遊びをしたりする機会が増える時期です。
そんな楽しい遊びの時間の終わりに、必ずと言っていいほど繰り広げられる「あの死闘」に、毎日ヘトヘトになっていませんか?
「『もう帰るよ』と声をかけた瞬間、地面にひっくり返って大泣きし、絶対に動こうとしない」
「『あと1回すべり台したら帰るよ』と約束したのに、1回終わっても『いやだ!まだ遊ぶ!』と永遠に終わらない」
「無理やり抱えて自転車に乗せようとすると、エビ反りになって暴れ、周囲の視線が突き刺さる」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も、帰り道の自転車で鼓膜が破れるほど泣き叫び続けた時期がありました…!)の中でも、この「気持ちの切り替えができない・終わりを受け入れられない」というお悩みは、本当によくお聞きします。
「約束したでしょ!」「いい加減にしなさい!」
汗だくになりながら怒鳴り、周囲に「あそこのお母さん、大変ね」という目で見られ、帰宅する頃には親のHP(体力)はゼロ……。「うちの子、どうしてこんなに聞き分けが悪いの?」と、寝顔を見ながら自己嫌悪に陥ってしまうお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが「帰らない!」と激しくパニックになるのは、決して「親との約束を破るワガママな子」だからでも、「しつけが足りない」からでもありません。
これには、脳の「時間の捉え方」と「興奮のブレーキ機能」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、「おしまい」を受け入れてスムーズに切り替えられないのか?
大人の目には「ただダダをこねている」ように見えますが、お子さまの脳の中では、以下のような大パニックが起きています。
① 脳の中に「未来(見通し)」が存在しない(時間感覚の未熟さ)
私たち大人は「今帰れば、夕飯に間に合って、テレビが見られる」と先の見通しを立てることができます(前頭葉の実行機能)。
しかし、発達に凸凹のあるお子さまは、この前頭葉の働きがゆっくりなため、「今、目の前にある楽しいこと」が世界のすべてになっています。「帰る」と言われた瞬間、大好きな世界が突然消滅し、永遠に遊べなくなるような強烈な絶望感と恐怖に襲われているのです。「あと5分ね」という言葉も、時間の概念がないお子さまにとっては外国語と同じで、全く意味を成していません。
② ドーパミン全開で「ブレーキペダル」が消え去っている
公園で夢中になって遊んでいる時、お子さまの脳内には「ドーパミン」という興奮ホルモンが大量に分泌され、エンジンが全開で回っています。
そこへ急に「おしまい!」と声をかけるのは、時速100キロで走っている車に「今すぐ急ブレーキを踏んで止まれ!」と命令しているのと同じです。脳のコントロール機能が追いつかず、感情がスピンして(パニックを起こして)大爆発してしまうのです。
今日から即実践!「気持ちの切り替え」をスムーズにする実用アプローチ
「約束破るなら、もう二度と公園に連れてこないよ!」と脅すことは、パニックになっている脳にさらに恐怖を与えるだけで、何の解決にもなりません。
今日から、以下の3つのアプローチで「脳が自然にブレーキを踏める仕組み」を作ってみてください。
1. 「見えない時間」を「見える化」する(タイムタイマー)
「あと少し」「あと5分」という言葉を捨てましょう。
代わりに、赤いフィルムが減っていくことで残り時間がひと目で分かる「タイムタイマー(時計)」や、スマートフォンの視覚的なタイマーアプリを使ってください。
「この赤いところがなくなったら、おしまいだよ」と視覚(目)から情報を入れると、お子さまの脳は驚くほどすんなりと「終わり」の予測を立てられるようになります。
2. 【理学療法士の裏技】切り替えに「重い荷物(固有受容覚)」を使う
興奮してエンジンが止まらない脳を、身体のアプローチで物理的に落ち着かせる方法です。
帰る時間になったら、「お母さんのカバン、すごく重いんだけど、自転車のところまで運んでくれる?」と、少し重さのある荷物を持たせてみてください。関節や筋肉に「ズシッ」と強い圧(固有受容覚)が入ることで、自律神経が一気に落ち着き、「遊びモード」から「お仕事(運ぶ)モード」へ、脳のギアを強制的に切り替えることができます。
3. 「帰る」ではなく「次のワクワク」を提案する
「帰るよ」という言葉は、お子さまにとって「楽しいことの強制終了」を意味します。
そうではなく、「さあ、おうちに帰って冷たいアイスを食べよう!」「今日のお風呂は青い入浴剤にしようか!」と、「公園の次に待っている楽しいこと」に脳のスポットライトをずらしてあげてください。未来の楽しみが提示されることで、今の楽しさを手放しやすくなります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに前頭葉が発達すれば、少しずつ見通しが持てるようになりますが、以下のような状態が見られる場合は、これからの集団生活(保育園や学校での活動の切り替え)で大きなつまずきとなるため、専門的なアプローチが必要です。
パニックが激しく、1時間以上泣き叫び続けて嘔吐してしまったり、自分の頭を壁に打ち付けたりする。
おもちゃ屋さんや公園など、好きな場所から離れる際、親に激しい暴力(噛む、蹴る)を振るう。
切り替えのたびに起こる大号泣に親が疲弊しきってしまい、休日に一切外出できなくなっている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、サーキット運動などの中で「音楽が鳴ったら動く、止まったら次のおもちゃへ移動する」といった【ストップ&ゴー】の遊びを徹底して行います。全身を使った遊びの中で「終わり」と「次の始まり」を何度も経験することで、脳はしなやかに「切り替える力(認知の柔軟性)」を獲得していくのです。
夕暮れの公園で、泣き叫ぶ我が子を抱きかかえ、汗と涙でぐしゃぐしゃになりながら帰路についているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して親を困らせたいわけではなく、楽しすぎる世界から上手に抜け出す方法が分からず、助けを求めているだけなのです。
「うちの子の切り替えの悪さ、脳のメカニズムが関係しているのかも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、親子で笑顔で「また明日ね!」と言える方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範