こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も中旬に入り、いよいよ夏休みが目前に迫ってきましたね。ご家族で外食に行ったり、電車や車で長距離のお出かけをしたりする機会も増える時期かと思います。
そんな楽しいはずのお出かけの中で、お母さんやお父さんをどっと疲れさせる「あの時間」に悩んでいませんか?
「レストランで料理を待っている間、ずっと足をブラブラさせたり、椅子をガタガタ揺らしたりして落ち着きがない」
「電車や病院の待合室で、手持ち無沙汰に自分の髪をいじったり、服を引っ張ったりして常にモゾモゾしている」
「『お行儀が悪いからピシッと座りなさい!』と注意しても、数秒後にはまた貧乏ゆすりが始まる」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も外食中は足が常にメトロノームのように動いていました…!)の中でも、この「じっと待てない・常に手足を動かす」というお悩みは、本当によくお聞きします。
周りの目もある公共の場で、「なんで5分もじっと座っていられないの!」とハラハラしながら叱り続け、せっかくのご飯の味が全くしなかった……なんて経験、親なら誰しもありますよね。「しつけがなっていないと思われるんじゃないか」と肩身の狭い思いをしているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが手足を常にモゾモゾ動かしているのは、決して「お行儀が悪い」からでも「親の言うことを無視している」からでもありません。
これには、脳の「覚醒レベル(目覚め具合)」と、筋肉の特性による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、手足を動かさずに「じっと待つ」ことができないのか?
大人の目には「落ち着きがないワガママな態度」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような必死のコントロールが行われています。
① 脳の「スイッチ(覚醒レベル)」を落とさないための自己防衛
大人でも、退屈で長い会議の最中に、無意識にペンをカチカチ鳴らしたり、貧乏ゆすりをしたりすることはありませんか?
あれは、脳が「このままだと眠ってしまう(集中力が切れる)!」と危険を察知し、身体を動かして感覚刺激を入れることで、無理やり脳のスイッチをONに保とうとする本能的な行動です。
発達に凸凹のあるお子さまは、この「脳の覚醒レベル」を一定に保つのが苦手です。静かにじっと待っていると脳がシャットダウンしそうになるため、足をブラブラさせたり椅子を揺らしたりして、必死に自分の脳を起こし、集中力を保とうとしているのです。
② 実は「ピシッと止まる」方が、筋肉にとってはキツイ(低緊張)
これまでの記事でも何度か触れましたが、筋肉の「ハリ」が生まれつき弱い(低緊張)お子さまにとって、姿勢をピシッと固めて「静止」し続けることは、大人が空気椅子をするのと同じくらい過酷な筋トレです。
常にモゾモゾと姿勢を変えたり、足を揺らしたりすることで、特定の筋肉だけが疲労するのを防ぎ、なんとか椅子から崩れ落ちないようにバランスを取っているという背景もあります。
今日からお出かけで即実践!モゾモゾを減らす実用アプローチ
「ピシッとしなさい!」と無理に身体の動きを止めることは、脳のスイッチを強制的に切るのと同じで、結果的に余計にイライラして大声を出したり、立ち歩いてしまったりする原因になります。
今日から、以下の3つのアプローチで「別の方法で脳を満たす」工夫をしてみてください。
1. 手持ち無沙汰を解消する「公式いじりアイテム」を渡す
足をブラブラさせたり、服を噛んだりする代わりに、手元で安全に感覚を満たせるアイテム(フィジェットトイ)を持たせてあげましょう。
プチプチ潰せるおもちゃ(プッシュポップ)や、無限にカチカチできるキーホルダー、少し硬めの練り消しなど、「待つ間はこれをいじってていいよ」と公認してあげます。手元で脳が満足すれば、全身の大きなモゾモゾは自然と減っていきます。
2. 椅子の脚に「キック用のゴム帯」を張る(足裏の刺激)
足のブラブラが止まらないお子さまへの、理学療法士としての裏技です。
レストランでは難しいかもしれませんが、ご自宅のダイニングチェアや学習椅子に、少し太めのトレーニング用ゴムバンド(または不要になったストッキング)を、前脚の間にピンと張って結んでおきます。足が動きたくなった時に、そのゴムを足の裏や甲で「ビヨンビヨン」と蹴って抵抗感(固有受容覚)を味わうことで、脳が強烈に満足し、姿勢が驚くほど安定します。
3. 待つ前に「重いもの」を持たせるお手伝い
レストランに入る前や、電車に乗る前など「これから待つぞ」というタイミングの前に、事前にお子さまの関節に強い圧(固有受容覚)を入れておきます。
「お母さんのカバン、少し重いけど入り口まで持ってくれる?」「お店の重いドアを一緒に『ヨイショ!』って押そう!」と、力を入れるお仕事を頼んでみてください。筋肉にしっかり刺激が入ると、脳が落ち着き、その後の「静かに待てる時間」がグッと長くなります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに脳のコントロールが上手になれば落ち着いていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、これからの集団生活や学習面(授業中の離席など)に大きく影響するため、専門的なアプローチが必要です。
モゾモゾするだけでなく、衝動的に走り出してしまい、レストランや病院などで常に追いかけ回さなければならない。
椅子を激しくガタガタ揺らしすぎて転倒したり、周囲の物を壊してしまったりする危険がある。
お母さん自身が、「外食や公共の場に行くのが恥ずかしい、疲れる」とお出かけを一切避けるようになってしまっている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやアスレチックなどで「動くときは思い切り動く」「止まるときはピタッと止まる」という身体のメリハリ(運動企画力)を育てる遊びをたっぷり行います。脳が自分の身体のコントロール方法を学べば、TPOに合わせた「待つ姿勢」も自然と身についていきます。
周りの目が気になって、せっかくの外食なのに味も分からずお子さまを注意し続けているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してお行儀が悪いわけではなく、退屈な時間の中で、自分の脳のスイッチを切らさないよう一生懸命に頑張っているだけなのです。
「うちの子の落ち着きのなさ、脳のコントロールが原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、親子で笑顔でお出かけできる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」*の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も中旬に入り、いよいよ夏休みが目前に迫ってきましたね。ご家族で外食に行ったり、電車や車で長距離のお出かけをしたりする機会も増える時期かと思います。
そんな楽しいはずのお出かけの中で、お母さんやお父さんをどっと疲れさせる「あの時間」に悩んでいませんか?
「レストランで料理を待っている間、ずっと足をブラブラさせたり、椅子をガタガタ揺らしたりして落ち着きがない」
「電車や病院の待合室で、手持ち無沙汰に自分の髪をいじったり、服を引っ張ったりして常にモゾモゾしている」
「『お行儀が悪いからピシッと座りなさい!』と注意しても、数秒後にはまた貧乏ゆすりが始まる」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も外食中は足が常にメトロノームのように動いていました…!)の中でも、この「じっと待てない・常に手足を動かす」というお悩みは、本当によくお聞きします。
周りの目もある公共の場で、「なんで5分もじっと座っていられないの!」とハラハラしながら叱り続け、せっかくのご飯の味が全くしなかった……なんて経験、親なら誰しもありますよね。「しつけがなっていないと思われるんじゃないか」と肩身の狭い思いをしているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが手足を常にモゾモゾ動かしているのは、決して「お行儀が悪い」からでも「親の言うことを無視している」からでもありません。
これには、脳の「覚醒レベル(目覚め具合)」と、筋肉の特性による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、手足を動かさずに「じっと待つ」ことができないのか?
大人の目には「落ち着きがないワガママな態度」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような必死のコントロールが行われています。
① 脳の「スイッチ(覚醒レベル)」を落とさないための自己防衛
大人でも、退屈で長い会議の最中に、無意識にペンをカチカチ鳴らしたり、貧乏ゆすりをしたりすることはありませんか?
あれは、脳が「このままだと眠ってしまう(集中力が切れる)!」と危険を察知し、身体を動かして感覚刺激を入れることで、無理やり脳のスイッチをONに保とうとする本能的な行動です。
発達に凸凹のあるお子さまは、この「脳の覚醒レベル」を一定に保つのが苦手です。静かにじっと待っていると脳がシャットダウンしそうになるため、足をブラブラさせたり椅子を揺らしたりして、必死に自分の脳を起こし、集中力を保とうとしているのです。
② 実は「ピシッと止まる」方が、筋肉にとってはキツイ(低緊張)
これまでの記事でも何度か触れましたが、筋肉の「ハリ」が生まれつき弱い(低緊張)お子さまにとって、姿勢をピシッと固めて「静止」し続けることは、大人が空気椅子をするのと同じくらい過酷な筋トレです。
常にモゾモゾと姿勢を変えたり、足を揺らしたりすることで、特定の筋肉だけが疲労するのを防ぎ、なんとか椅子から崩れ落ちないようにバランスを取っているという背景もあります。
今日からお出かけで即実践!モゾモゾを減らす実用アプローチ
「ピシッとしなさい!」と無理に身体の動きを止めることは、脳のスイッチを強制的に切るのと同じで、結果的に余計にイライラして大声を出したり、立ち歩いてしまったりする原因になります。
今日から、以下の3つのアプローチで「別の方法で脳を満たす」工夫をしてみてください。
1. 手持ち無沙汰を解消する「公式いじりアイテム」を渡す
足をブラブラさせたり、服を噛んだりする代わりに、手元で安全に感覚を満たせるアイテム(フィジェットトイ)を持たせてあげましょう。
プチプチ潰せるおもちゃ(プッシュポップ)や、無限にカチカチできるキーホルダー、少し硬めの練り消しなど、「待つ間はこれをいじってていいよ」と公認してあげます。手元で脳が満足すれば、全身の大きなモゾモゾは自然と減っていきます。
2. 椅子の脚に「キック用のゴム帯」を張る(足裏の刺激)
足のブラブラが止まらないお子さまへの、理学療法士としての裏技です。
レストランでは難しいかもしれませんが、ご自宅のダイニングチェアや学習椅子に、少し太めのトレーニング用ゴムバンド(または不要になったストッキング)を、前脚の間にピンと張って結んでおきます。足が動きたくなった時に、そのゴムを足の裏や甲で「ビヨンビヨン」と蹴って抵抗感(固有受容覚)を味わうことで、脳が強烈に満足し、姿勢が驚くほど安定します。
3. 待つ前に「重いもの」を持たせるお手伝い
レストランに入る前や、電車に乗る前など「これから待つぞ」というタイミングの前に、事前にお子さまの関節に強い圧(固有受容覚)を入れておきます。
「お母さんのカバン、少し重いけど入り口まで持ってくれる?」「お店の重いドアを一緒に『ヨイショ!』って押そう!」と、力を入れるお仕事を頼んでみてください。筋肉にしっかり刺激が入ると、脳が落ち着き、その後の「静かに待てる時間」がグッと長くなります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに脳のコントロールが上手になれば落ち着いていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、これからの集団生活や学習面(授業中の離席など)に大きく影響するため、専門的なアプローチが必要です。
モゾモゾするだけでなく、衝動的に走り出してしまい、レストランや病院などで常に追いかけ回さなければならない。
椅子を激しくガタガタ揺らしすぎて転倒したり、周囲の物を壊してしまったりする危険がある。
お母さん自身が、「外食や公共の場に行くのが恥ずかしい、疲れる」とお出かけを一切避けるようになってしまっている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやアスレチックなどで「動くときは思い切り動く」「止まるときはピタッと止まる」という身体のメリハリ(運動企画力)を育てる遊びをたっぷり行います。脳が自分の身体のコントロール方法を学べば、TPOに合わせた「待つ姿勢」も自然と身についていきます。
周りの目が気になって、せっかくの外食なのに味も分からずお子さまを注意し続けているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してお行儀が悪いわけではなく、退屈な時間の中で、自分の脳のスイッチを切らさないよう一生懸命に頑張っているだけなのです。
「うちの子の落ち着きのなさ、脳のコントロールが原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、親子で笑顔でお出かけできる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」*の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範