こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月に入り、毎朝うだるような暑さが続いていますね。朝の忙しい時間帯、ただでさえバタバタしているのに、お子さまのお着替えでこんな「毎朝の戦い」が繰り広げられていませんか?
「『靴下の縫い目が気持ち悪い!』と泣き叫び、何足も履き替えては脱ぎ捨てる」
「服の首元のタグがチクチクすると怒り出し、絶対にその服を着てくれない」
「真夏なのに『いつもの長袖じゃないと嫌だ!』とパニックになり、半袖を断固拒否する」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も、特定の靴下以外は絶対に履かない時期があり、洗濯が間に合わずドライヤーで必死に乾かした朝が何度もあります…)の中でも、この「衣服に対する強いこだわりや拒否」は、本当によくお聞きする切実なお悩みです。
「もう時間がないの!」「ちょっとチクチクするくらい我慢しなさい!」
時計を見ながら焦る気持ちと、泣き叫ぶ我が子へのイライラ。毎朝お出かけ前にどっと疲れてしまい、「うちの子、なんでこんなにワガママで神経質なのかな…」とため息をついているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが特定の服や靴下を激しく嫌がるのは、決して「親を困らせるためのワガママ」でも「神経質すぎる性格」でもありません。
これには、皮膚の感覚センサーと、脳の「慣れる力」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、たかが「タグ」や「靴下の縫い目」で大パニックになるのか?
大人の目には「ちょっとした違和感」にしか見えませんが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷なパニック状態が起きています。
① 皮膚のセンサーが過敏すぎる(触覚過敏)
これまでの記事でもお風呂や歯磨きの際にお話ししましたが、発達に凸凹のあるお子さまの中には、皮膚の触覚が過剰に反応してしまう子がいます。
大人にとっては「柔らかい布のタグ」や「靴下のちょっとした縫い目」も、感覚過敏のお子さまの脳にとっては、「首元を硬いワイヤーで擦られているような痛み」や「靴の中に小石が何個も入ったまま歩かされているような激痛」として変換されてしまっているのです。痛くて不快なのですから、泣き叫んで脱ぎ捨てるのは当然の自己防衛です。
② 脳の「慣れる力(感覚の順応)」が働いていない
私たち大人は、朝に腕時計やメガネをつけても、5分もすれば「身につけている感覚」を忘れてしまいますよね。これは脳が「この刺激は安全だから、もう感じなくていいよ」とスイッチを切ってくれるからです(これを感覚の順応と呼びます)。
しかし、この順応が苦手なお子さまは、服を着ている間中、ずっと「チクチクする!」「締め付けられている!」という危険アラームが脳内で鳴り響きっぱなしになります。これでは、遊ぶことも学ぶこともできず、パニックになってしまうのも無理はありません。
今日から朝の着替えで即実践!苦痛を減らす実用アプローチ
「少し我慢すれば慣れるから!」と無理やり着せることは、脳の警戒アラームをさらに強く鳴らしてしまい、着替えそのものへのトラウマを植え付ける逆効果になります。
今日から、以下の3つのアプローチで、毎朝の平和を取り戻しましょう。
1. 環境調整が最優先!「裏返し」と「タグ切り」
我慢させるのではなく、痛みの原因を物理的に取り除くのが大原則です。
靴下の縫い目が嫌な子には、「靴下を裏返しにして履かせる」という裏技が非常に効果的です(見た目よりお子さまの安心感が優先です)。最近は縫い目のないシームレス靴下も売られています。
服のタグは、根元から糸をほどいて完全に取り外すか、タグがプリントされているタイプの服を「この子の公式ユニフォーム」と決めて、同じものを数着揃えてしまいましょう。
2. 着替える前に「ギュッギュッ・マッサージ」で脳を落ち着かせる
理学療法士として最もおすすめしたいのが、着替える前の「感覚の準備体操」です。
皮膚の表面のチクチク感(軽い触覚)に過敏な脳は、関節や筋肉への「深い圧迫(固有受容覚)」を入れると、スッと落ち着くというエビデンスがあります。
服を着せる前に、お子さまの肩や腕、足の関節を、お母さんの手のひらで「ギュ〜ッ、ギュ〜ッ」と少し強めに圧迫しながらマッサージしてあげてください。脳のアラームが解除され、服の刺激を受け入れやすくなります。
3. 「どっちを着る?」と自分で選ばせる(自己決定)
「これを着なさい」と親から一方的に与えられた服は、不快感を倍増させます。
前日の夜や当日の朝に、「赤い服と青い服、今日はどっちにする?」と、あらかじめお子さまが着られる服の中から2択で選ばせてあげてください。「自分で選んだ」という事実が、脳の「嫌だ!」という拒否反応を大きく和らげてくれます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに脳の感覚が整理され、着られる服が増えていくことも多いですが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活や集団生活に大きな支障が出るため、専門的なアプローチが必要です。
肌に触れるものを極端に嫌がり、真冬でも裸足や薄着で過ごそうとして体調を崩してしまう。
着替えの際にパニックになり、自分の顔を引っ掻いたり、お母さんを叩いたりするほどの強い拒否がある。
毎朝の着替えバトルで1時間以上かかり、園や学校に遅刻し続けることで、お母さん自身がノイローゼ気味になっている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「服に慣れさせる練習」をするのではなく、トランポリンやアスレチックなどの粗大運動を通して固有受容覚(深い圧迫の感覚)をたっぷりと満たします。身体の根っこの感覚がどっしりと安定することで、皮膚の過敏さも不思議なほど自然に和らいでいくのです。
毎朝、時計を見ながら焦る気持ちを押し殺し、何着も服を出し入れしてはため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して親を困らせたいわけではなく、自分の過敏なセンサーが発する「痛み」から、一生懸命に身を守っているだけなのです。
「うちの子の着替え嫌い、もしかして触覚過敏が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、毎朝笑顔で「いってきます」ができる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな**「児童指導員」**の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月に入り、毎朝うだるような暑さが続いていますね。朝の忙しい時間帯、ただでさえバタバタしているのに、お子さまのお着替えでこんな「毎朝の戦い」が繰り広げられていませんか?
「『靴下の縫い目が気持ち悪い!』と泣き叫び、何足も履き替えては脱ぎ捨てる」
「服の首元のタグがチクチクすると怒り出し、絶対にその服を着てくれない」
「真夏なのに『いつもの長袖じゃないと嫌だ!』とパニックになり、半袖を断固拒否する」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も、特定の靴下以外は絶対に履かない時期があり、洗濯が間に合わずドライヤーで必死に乾かした朝が何度もあります…)の中でも、この「衣服に対する強いこだわりや拒否」は、本当によくお聞きする切実なお悩みです。
「もう時間がないの!」「ちょっとチクチクするくらい我慢しなさい!」
時計を見ながら焦る気持ちと、泣き叫ぶ我が子へのイライラ。毎朝お出かけ前にどっと疲れてしまい、「うちの子、なんでこんなにワガママで神経質なのかな…」とため息をついているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが特定の服や靴下を激しく嫌がるのは、決して「親を困らせるためのワガママ」でも「神経質すぎる性格」でもありません。
これには、皮膚の感覚センサーと、脳の「慣れる力」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、たかが「タグ」や「靴下の縫い目」で大パニックになるのか?
大人の目には「ちょっとした違和感」にしか見えませんが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷なパニック状態が起きています。
① 皮膚のセンサーが過敏すぎる(触覚過敏)
これまでの記事でもお風呂や歯磨きの際にお話ししましたが、発達に凸凹のあるお子さまの中には、皮膚の触覚が過剰に反応してしまう子がいます。
大人にとっては「柔らかい布のタグ」や「靴下のちょっとした縫い目」も、感覚過敏のお子さまの脳にとっては、「首元を硬いワイヤーで擦られているような痛み」や「靴の中に小石が何個も入ったまま歩かされているような激痛」として変換されてしまっているのです。痛くて不快なのですから、泣き叫んで脱ぎ捨てるのは当然の自己防衛です。
② 脳の「慣れる力(感覚の順応)」が働いていない
私たち大人は、朝に腕時計やメガネをつけても、5分もすれば「身につけている感覚」を忘れてしまいますよね。これは脳が「この刺激は安全だから、もう感じなくていいよ」とスイッチを切ってくれるからです(これを感覚の順応と呼びます)。
しかし、この順応が苦手なお子さまは、服を着ている間中、ずっと「チクチクする!」「締め付けられている!」という危険アラームが脳内で鳴り響きっぱなしになります。これでは、遊ぶことも学ぶこともできず、パニックになってしまうのも無理はありません。
今日から朝の着替えで即実践!苦痛を減らす実用アプローチ
「少し我慢すれば慣れるから!」と無理やり着せることは、脳の警戒アラームをさらに強く鳴らしてしまい、着替えそのものへのトラウマを植え付ける逆効果になります。
今日から、以下の3つのアプローチで、毎朝の平和を取り戻しましょう。
1. 環境調整が最優先!「裏返し」と「タグ切り」
我慢させるのではなく、痛みの原因を物理的に取り除くのが大原則です。
靴下の縫い目が嫌な子には、「靴下を裏返しにして履かせる」という裏技が非常に効果的です(見た目よりお子さまの安心感が優先です)。最近は縫い目のないシームレス靴下も売られています。
服のタグは、根元から糸をほどいて完全に取り外すか、タグがプリントされているタイプの服を「この子の公式ユニフォーム」と決めて、同じものを数着揃えてしまいましょう。
2. 着替える前に「ギュッギュッ・マッサージ」で脳を落ち着かせる
理学療法士として最もおすすめしたいのが、着替える前の「感覚の準備体操」です。
皮膚の表面のチクチク感(軽い触覚)に過敏な脳は、関節や筋肉への「深い圧迫(固有受容覚)」を入れると、スッと落ち着くというエビデンスがあります。
服を着せる前に、お子さまの肩や腕、足の関節を、お母さんの手のひらで「ギュ〜ッ、ギュ〜ッ」と少し強めに圧迫しながらマッサージしてあげてください。脳のアラームが解除され、服の刺激を受け入れやすくなります。
3. 「どっちを着る?」と自分で選ばせる(自己決定)
「これを着なさい」と親から一方的に与えられた服は、不快感を倍増させます。
前日の夜や当日の朝に、「赤い服と青い服、今日はどっちにする?」と、あらかじめお子さまが着られる服の中から2択で選ばせてあげてください。「自分で選んだ」という事実が、脳の「嫌だ!」という拒否反応を大きく和らげてくれます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに脳の感覚が整理され、着られる服が増えていくことも多いですが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活や集団生活に大きな支障が出るため、専門的なアプローチが必要です。
肌に触れるものを極端に嫌がり、真冬でも裸足や薄着で過ごそうとして体調を崩してしまう。
着替えの際にパニックになり、自分の顔を引っ掻いたり、お母さんを叩いたりするほどの強い拒否がある。
毎朝の着替えバトルで1時間以上かかり、園や学校に遅刻し続けることで、お母さん自身がノイローゼ気味になっている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「服に慣れさせる練習」をするのではなく、トランポリンやアスレチックなどの粗大運動を通して固有受容覚(深い圧迫の感覚)をたっぷりと満たします。身体の根っこの感覚がどっしりと安定することで、皮膚の過敏さも不思議なほど自然に和らいでいくのです。
毎朝、時計を見ながら焦る気持ちを押し殺し、何着も服を出し入れしてはため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して親を困らせたいわけではなく、自分の過敏なセンサーが発する「痛み」から、一生懸命に身を守っているだけなのです。
「うちの子の着替え嫌い、もしかして触覚過敏が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、毎朝笑顔で「いってきます」ができる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな**「児童指導員」**の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範