こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月に入り、うだるような暑さが続いていますね。涼しいショッピングモールや室内遊び場へお出かけする機会が増えるこの時期、お母さん、お父さんからこんなお悩みをよく伺うようになります。
「外出先のトイレで『ブォーッ!』とハンドドライヤーが鳴った瞬間、耳を塞いでパニックになり、手を洗わずに飛び出してしまう」
「家で掃除機をかけようとすると、この世の終わりのように泣き叫んで逃げ回る」
「ショッピングモールのガヤガヤした場所や、赤ちゃんが泣いている声を聞くと、激しく怒り出す」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「特定の音に対する激しい恐怖・パニック」は、本当によく目にする光景です。
「ただの音でしょ!」「気にしすぎだよ、男の子なんだから我慢しなさい!」
外出先で泣き叫ぶ我が子を抱えながら、周りの目が気になって逃げるようにその場を立ち去る……。「なんでこんな些細なことで?」と疲れ果ててしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが特定の音を激しく嫌がるのは、決して「怖がりな性格」だからでも、「ワガママで大げさに騒いでいる」からでもありません。
これには、脳の「音を処理するフィルター」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、私たちには平気な「音」でそこまでパニックになるのか?
大人の目には「ちょっとうるさいだけ」に見えますが、お子さまの脳の中では、以下のような過酷な状態が起きています。
① 脳の「音のフィルター」が上手く働いていない(聴覚過敏)
私たちの脳には、自分にとって必要な音(目の前の人の声など)だけを拾い、不要な生活音(エアコンの音、遠くの車の音、雑踏のガヤガヤ)のボリュームを自動的に下げる「フィルター機能」が備わっています。
しかし、発達に凸凹のあるお子さまの中には、このフィルターがうまく働かない子がいます。つまり、周囲で鳴っているすべての音が「大音量のまま」脳に直接流れ込んできている状態なのです。
② 「うるさい」のではなく「物理的に痛い」
聴覚過敏を持つお子さまにとって、ハンドドライヤーや掃除機の音、バイクのエンジン音などは、単に「大きな音」ではありません。
大人に例えるなら、「耳の真横で突然、工事現場のドリルを鳴らされた」あるいは「黒板を爪でギリギリと引っ掻く音を、大音量のスピーカーで聞かされている」ようなものです。脳が許容量を超え、「耳が痛い!危険だ!」とSOSを出しているため、耳を塞いでパニックになるのは当然の自己防衛なのです。
今日から即実践!音の苦痛を減らす実用アプローチ
「慣れさせなきゃ!」と無理やり掃除機の前に連れて行ったり、うるさい場所に長時間いさせたりすることは、拷問と同じです。脳の恐怖心を強め、ますます音に過敏になる悪循環を生みます。
今日から、以下の3つのアプローチでお子さまの耳と心を守ってあげてください。
1. 物理的に「音を遮断する」アイテムを使う(イヤーマフなど)
「音を我慢させる」のではなく、環境を調整するのが一番の近道です。
外出時は、防音用の「イヤーマフ」や、目立たない「ノイズキャンセリングイヤホン」を持参してください。「これを着ければ嫌な音は聞こえない」という安心のお守りがあるだけで、パニックを起こさずに外出を楽しめる子がたくさんいます。
2. 音が鳴る前に「自分でスイッチを押させる」(予測とコントロール)
掃除機やドライヤーなど、家でどうしても出さなければいけない音は、「いつ鳴るか分からない恐怖」がパニックを倍増させます。
「今から掃除機をかけるよ。〇〇くん、スイッチ押してくれる?」と、お子さま自身に音の発生をコントロールさせてみてください。自分が押したタイミングで音が鳴る(見通しが立つ)というだけで、脳の警戒アラームは大幅に下がります。
3. 【理学療法士の裏技】音を聞く前に「身体をギュッ」とする
音(聴覚)の過敏さを和らげるために、実は「身体の感覚(固有受容覚)」を使うアプローチがあります。
掃除機をかける前や、トイレのハンドドライヤーの前を通る時、お子さまの肩や背中を「ギュ〜ッ」と少し強めに抱きしめて圧をかけてみてください。関節や筋肉に強い圧迫刺激が入ると、自律神経が落ち着き、脳が音の刺激を受け流しやすくなるというエビデンスがあります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに脳のフィルター機能が育ち、音に慣れていくことも多いですが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活に大きな支障をきたすため、専門的なアプローチが必要です。
耳を塞ぐだけでなく、パニックになって自分の頭を叩いたり、突然車道に飛び出したりといった危険な行動がある。
音が怖くて、スーパーや公園、園の教室など、家以外の場所に一切行けなくなってしまった。
日常の些細な生活音(雨の音、冷蔵庫の音など)にも怯え、夜も眠れなくなっている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「音に慣れさせる訓練」をするのではなく、トランポリンやアスレチックなどのダイナミックな全身運動(粗大運動)をたっぷり行います。一見関係ないように思えますが、身体の根っこの感覚(前庭覚や固有受容覚)をしっかり満たすことで、脳の神経系全体が整い、結果として「耳の過敏さ」もスッと落ち着いていくのです。
「なんでこんな音で…」と、お出かけのたびに周囲に気を使い、ヘトヘトになっているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してワガママを言っているわけではなく、大人には聞こえない「痛い音」の世界で、一生懸命に自分の身を守ろうとしているだけなのです。
「うちの子の音に対するパニック、どうしたらいいかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、親子で安心してお出かけできる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月に入り、うだるような暑さが続いていますね。涼しいショッピングモールや室内遊び場へお出かけする機会が増えるこの時期、お母さん、お父さんからこんなお悩みをよく伺うようになります。
「外出先のトイレで『ブォーッ!』とハンドドライヤーが鳴った瞬間、耳を塞いでパニックになり、手を洗わずに飛び出してしまう」
「家で掃除機をかけようとすると、この世の終わりのように泣き叫んで逃げ回る」
「ショッピングモールのガヤガヤした場所や、赤ちゃんが泣いている声を聞くと、激しく怒り出す」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「特定の音に対する激しい恐怖・パニック」は、本当によく目にする光景です。
「ただの音でしょ!」「気にしすぎだよ、男の子なんだから我慢しなさい!」
外出先で泣き叫ぶ我が子を抱えながら、周りの目が気になって逃げるようにその場を立ち去る……。「なんでこんな些細なことで?」と疲れ果ててしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが特定の音を激しく嫌がるのは、決して「怖がりな性格」だからでも、「ワガママで大げさに騒いでいる」からでもありません。
これには、脳の「音を処理するフィルター」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、私たちには平気な「音」でそこまでパニックになるのか?
大人の目には「ちょっとうるさいだけ」に見えますが、お子さまの脳の中では、以下のような過酷な状態が起きています。
① 脳の「音のフィルター」が上手く働いていない(聴覚過敏)
私たちの脳には、自分にとって必要な音(目の前の人の声など)だけを拾い、不要な生活音(エアコンの音、遠くの車の音、雑踏のガヤガヤ)のボリュームを自動的に下げる「フィルター機能」が備わっています。
しかし、発達に凸凹のあるお子さまの中には、このフィルターがうまく働かない子がいます。つまり、周囲で鳴っているすべての音が「大音量のまま」脳に直接流れ込んできている状態なのです。
② 「うるさい」のではなく「物理的に痛い」
聴覚過敏を持つお子さまにとって、ハンドドライヤーや掃除機の音、バイクのエンジン音などは、単に「大きな音」ではありません。
大人に例えるなら、「耳の真横で突然、工事現場のドリルを鳴らされた」あるいは「黒板を爪でギリギリと引っ掻く音を、大音量のスピーカーで聞かされている」ようなものです。脳が許容量を超え、「耳が痛い!危険だ!」とSOSを出しているため、耳を塞いでパニックになるのは当然の自己防衛なのです。
今日から即実践!音の苦痛を減らす実用アプローチ
「慣れさせなきゃ!」と無理やり掃除機の前に連れて行ったり、うるさい場所に長時間いさせたりすることは、拷問と同じです。脳の恐怖心を強め、ますます音に過敏になる悪循環を生みます。
今日から、以下の3つのアプローチでお子さまの耳と心を守ってあげてください。
1. 物理的に「音を遮断する」アイテムを使う(イヤーマフなど)
「音を我慢させる」のではなく、環境を調整するのが一番の近道です。
外出時は、防音用の「イヤーマフ」や、目立たない「ノイズキャンセリングイヤホン」を持参してください。「これを着ければ嫌な音は聞こえない」という安心のお守りがあるだけで、パニックを起こさずに外出を楽しめる子がたくさんいます。
2. 音が鳴る前に「自分でスイッチを押させる」(予測とコントロール)
掃除機やドライヤーなど、家でどうしても出さなければいけない音は、「いつ鳴るか分からない恐怖」がパニックを倍増させます。
「今から掃除機をかけるよ。〇〇くん、スイッチ押してくれる?」と、お子さま自身に音の発生をコントロールさせてみてください。自分が押したタイミングで音が鳴る(見通しが立つ)というだけで、脳の警戒アラームは大幅に下がります。
3. 【理学療法士の裏技】音を聞く前に「身体をギュッ」とする
音(聴覚)の過敏さを和らげるために、実は「身体の感覚(固有受容覚)」を使うアプローチがあります。
掃除機をかける前や、トイレのハンドドライヤーの前を通る時、お子さまの肩や背中を「ギュ〜ッ」と少し強めに抱きしめて圧をかけてみてください。関節や筋肉に強い圧迫刺激が入ると、自律神経が落ち着き、脳が音の刺激を受け流しやすくなるというエビデンスがあります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに脳のフィルター機能が育ち、音に慣れていくことも多いですが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活に大きな支障をきたすため、専門的なアプローチが必要です。
耳を塞ぐだけでなく、パニックになって自分の頭を叩いたり、突然車道に飛び出したりといった危険な行動がある。
音が怖くて、スーパーや公園、園の教室など、家以外の場所に一切行けなくなってしまった。
日常の些細な生活音(雨の音、冷蔵庫の音など)にも怯え、夜も眠れなくなっている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「音に慣れさせる訓練」をするのではなく、トランポリンやアスレチックなどのダイナミックな全身運動(粗大運動)をたっぷり行います。一見関係ないように思えますが、身体の根っこの感覚(前庭覚や固有受容覚)をしっかり満たすことで、脳の神経系全体が整い、結果として「耳の過敏さ」もスッと落ち着いていくのです。
「なんでこんな音で…」と、お出かけのたびに周囲に気を使い、ヘトヘトになっているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してワガママを言っているわけではなく、大人には聞こえない「痛い音」の世界で、一生懸命に自分の身を守ろうとしているだけなのです。
「うちの子の音に対するパニック、どうしたらいいかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、親子で安心してお出かけできる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
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療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範