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脳の「左右の連携」のつまずきかも?

こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。

7月に入り、夏本番の暑さがやってきましたね。夕方の少し涼しくなった時間に公園へ行ったり、水遊びを楽しんだりする機会も増えているのではないでしょうか。

そんな日常の中で、お子さまが元気いっぱいに遊ぶ姿を見て、ふとこんな「気がかり」を抱いたことはありませんか?

「走るとき、腕を振らずにペタペタとロボットみたいに走っていて、なんだかぎこちない」
「ちょっとした段差から『ジャンプ!』と言っても、片足ずつしか降りられず、両足ジャンプができない」
「三輪車のペダルがいつまで経っても漕げず、足で地面を蹴って進んでいる」

日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「運動のぎこちなさ(不器用さ)」についてのご相談は非常に多く寄せられます。

秋の運動会が近づいてきたり、周りのお友達が軽やかに走り回っていたりする姿を見ると、「うちの子、もしかして運動神経が悪いのかな?」「私の公園遊びの連れ出し方が足りなかったのかな…」と、お母さんやお父さんが密かに責任を感じて悩んでしまうお気持ち、本当によく分かります。

「もっと腕を振って走って!」「両足で一緒にピョンって跳ぶんだよ!」
そう言って手本を見せても、お子さまの動きは余計にガチガチになってしまう。そんな姿にため息をついていませんか?

理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまの動きがぎこちないのは、決して「運動神経がない(運動音痴)」からでも、「練習不足」だからでもありません。
これには、脳が身体に送る「タイミング」と「左右の連携」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。

なぜ、走るのがぎこちなく、ジャンプができないのか?

大人の目には「ただ走るだけ、跳ぶだけ」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、スーパーコンピューターのような複雑な計算が追いついていない状態が起きています。

① 脳の「左右の連携(協調運動)」がまだ準備中

理学療法士として動きを分析するとき、最も注目するのが「協調運動(きょうちょううんどう)」という機能です。
綺麗に走るためには、「右足が出たら左腕を振る」という、身体の左右で全く違う動きを同時に行う必要があります。三輪車を漕ぐのも「右足で踏み込みながら、左足は力を抜く」という左右非対称の動きです。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、右脳と左脳の間で情報のキャッチボールをするスピードが少しゆっくりな子がいます。そのため、左右の連携がうまくいかず、腕がピンと伸びたままになったり、手と足が一緒に出てしまう「ロボットのような走り方」になってしまうのです。

② 「両足ジャンプ」は、恐怖心とタイミングの超難関(運動企図)

両足ジャンプをするためには、「膝を曲げる→腕を振る→両足の裏で同時に地面を蹴る→空中で姿勢を保つ」という動作を、0.1秒の狂いもなく連続で行う必要があります(これを運動企図:うんどうきと、と呼びます)。
さらに、足の裏の感覚(固有受容覚)が未熟なお子さまにとって、「両足が同時に地面から離れる(宙に浮く)」という状態は、宇宙空間に放り出されるような強烈な恐怖を伴います。だからこそ、安全を確保するために無意識に片足ずつ地面に着けようとするのです。

今日から公園・おうちで即実践!ぎこちなさを解きほぐすアプローチ

「腕を振って!」「両足で跳んで!」と口頭で指示をすることは、パニックになっている脳にさらなる計算式を押し付けるようなもので、逆効果です。
今日から、以下の3つのアプローチで「脳の連携」を楽しく育ててみてください。

1. 走る練習の前に「リズム遊び」を取り入れる

左右の連携を育てるには、まずは「タイミングを合わせる」練習からです。
おうちで音楽をかけながら、お母さんと向かい合って「パン、パン」と手拍子を合わせる遊びや、太鼓のおもちゃを「右、左、右、左」と交互に叩く遊びをしてみてください。身体の末端(手先)でリズムを刻めるようになると、不思議と足の動きもスムーズになっていきます。

2. ジャンプの基礎は「カエルさん跳び」から

両足ジャンプが怖いお子さまには、床に手をついた状態からのジャンプが非常に効果的です。
「しゃがんで両手を床につく(カエルさんのポーズ)→手はそのままで、両足だけピョンと前に飛ばす」という遊びです。両手が床に着いて身体を支えているため、宙に浮く恐怖感がゼロになり、「両足を同時に動かす」という感覚だけを安全に脳にインプットさせることができます。

3. 「止まる・動く」のメリハリゲーム(だるまさんが転んだ)

自分の身体をコントロールする力(運動企画力)を育てるには、「だるまさんが転んだ」や「ストップ&ゴー(音楽が止まったらピタッと止まる)」が最強のトレーニングになります。思い切り動いた後に「ピタッ!」と止まることで、脳は筋肉にブレーキをかける方法を学習し、次第にしなやかな動きができるようになります。

専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン

成長や遊びの経験とともに協調運動は育っていきますが、以下のような状態が見られる場合は、これからの運動会や体育の授業で自信を失ってしまうリスクがあるため、専門的なアプローチが必要です。

頻繁に自分の足につまずいて転び、手が出ずに顔から落ちて大きな怪我をしてしまう。
身体を動かすこと自体に強い苦手意識を持ち、公園に行っても遊具で遊ばず、ずっと砂いじりや座り込んでばかりいる。
周りのお友達と自分の動きの違いに気づき始め、「どうせできないから」と運動を強く拒否するようになった。

このようなときは、どうかご家庭だけで「特訓」をしようとせず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンで手をつなぎながら一緒に跳んでタイミングを教えたり、平均台やボルダリングなどの粗大運動(全身運動)を通して、お子さまの脳が「身体を動かすって楽しい!」と感じられるようなプログラムを個別に行っています。
公園で、周りの子より少し不器用に走る我が子を見て、応援したい気持ちと焦る気持ちが交差しているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して運動をサボっているわけではなく、自分の脳と身体の連携を、一生懸命に繋ぎ合わせようとしている真っ最中なのです。
「うちの子の走り方やジャンプ、もう少しスムーズにならないかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまが自信を持って身体を動かせる方法を一緒に考えてまいります。

【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!

そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。

保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。

「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。

求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。

ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!

療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
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