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「白米やポテトしか食べない、野菜は絶対NG」…

こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。

7月に入り、うだるような暑さが本格化してきましたね。大人でも食欲が落ちやすいこの時期、お母さんやお父さんにとって、毎日の「ご飯の時間」が大きなストレスになっていませんか?

「せっかく栄養を考えて野菜を細かく刻んでハンバーグに隠したのに、一口食べて全部吐き出された」
「食べるのは、うどん、白米、フライドポテト、パンのどれかだけ(白いものしか食べない)」
「お肉や葉物野菜を口に入れても、いつまでも飲み込めずにクチャクチャしていて、最後には出してしまう」

日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(私も、渾身の力作メニューを0.1秒で床に投げ捨てられて絶望した夜が何度もあります…!)の中でも、この「極端な偏食(へんしょく)」は、本当によくお聞きする切実なお悩みです。

「わがまま言わずに食べなさい!」「栄養失調になったらどうするの!」
毎日毎日、手を変え品を変え料理を作っては拒否され、「私の料理が下手だから?」「甘やかしすぎたのかな…」と、キッチンで一人涙をこらえているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。

お子さまの極端な偏食は、決して「親の料理の腕」のせいでも、「わがままな性格」のせいでもありません。

これには、お口の中の「感覚センサー」と、座って噛むための「筋肉の土台」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。

なぜ、そこまで激しく特定の食べ物を拒否するのか?

大人の目には「ただの好き嫌い」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷なパニック状態や疲労が起きています。 

① お口の中の「触覚過敏」:混ざった食感は恐怖!

私たちのお口の中(舌や上あご)は、非常に敏感なセンサーの塊です。感覚過敏を持つお子さまにとって、チャーハンやカレー、具沢山のスープのように「ご飯の柔らかさ、野菜のシャキシャキ感、お肉の硬さ」が混ざった食べ物は、脳内で処理しきれません。
大人に例えるなら、「美味しいスープの中に、突然『砂利』や『ガラスの破片』が混ざっている」ような強烈な不快感と恐怖を感じているのです。だからこそ、食感が常に一定で予測しやすい「ポテト」や「白米」ばかりを好んで食べます。

② 「噛む力」は「体幹の力」:疲れて飲み込めない(低緊張)

理学療法士として食事の様子を見るとき、私は口元だけでなく「姿勢」を見ます。
お肉や繊維質の野菜をしっかり噛み砕くには、顎(あご)の力が必要です。そして、顎を安定させるには首の力が、首を安定させるには「お腹と背中(体幹)の力」が不可欠です。
生まれつき筋肉の張りが弱い(低緊張)お子さまは、椅子に座って姿勢を保つだけで精一杯。顎を力強く動かして噛み続ける体力が残っておらず、「硬いものは疲れるから食べたくない(丸飲みできる麺類がいい)」と身体がSOSを出しているのです。

今日から食卓で即実践!偏食を和らげる実用アプローチ

「一口だけでも食べなさい!」と無理やり口に押し込むことは、食卓を「拷問の場」に変えてしまい、食べる事そのものへのトラウマを植え付けます。

今日から、以下の3つのアプローチを試してみてください。

1. 隠すのは逆効果!「お皿の上の分解(セパレート)」
野菜を細かく刻んでカレーに隠すのは、過敏なお子さまにとっては「信じていたカレーに裏切られた!」と大きなショックを与え、カレーすら食べられなくなる原因になります。
お米はお米、お肉はお肉、野菜は野菜と、お皿の中で完全に分けて盛り付けて(ワンプレートの仕切り皿が便利です)、「何が口に入るのか」を視覚的に100%予測できるようにしてあげてください。安心感が生まれれば、自分から手を伸ばす確率がグッと上がります。

2. 噛む力を引き出す「足裏ペタッ」の法則
姿勢を保てず噛めない子への最強のアプローチです。お子さまが食事をする椅子は、足がブラブラ浮いていませんか?
足が浮いていると踏ん張りがきかず、顎の力は半減します。椅子の高さを調整するか、足元に牛乳パックで作った踏み台や雑誌を置き、「足の裏全体がピタッと着く環境」を作ってあげてください。これだけで姿勢が安定し、お肉や野菜を噛む力が嘘のように引き出されます。

3. 食前の「お口周りマッサージ・準備体操」
ご飯を食べる前に、お口の過敏なセンサーを「ご飯食べるモード」に慣らしてあげます。
ほっぺたや唇の周りを、お母さんの手で少し圧をかけながら優しくマッサージしたり、一緒に「あー、いー、うー、べー!」と変顔をして口周りの筋肉を動かしたりしてみてください。脳の警戒アラームが解除され、新しい食べ物を受け入れやすくなります。

専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン

成長とともに感覚が統合され、食べられるものが少しずつ増えていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、発育や健康状態に直接関わるため、専門的なアプローチが必要です。
食べられるものが1〜2種類しかなく、体重が増えない、または貧血などの栄養障害を指摘されている。
初めて見る食べ物や、苦手なにおいを嗅いだだけで、激しく嘔吐(おうと)してしまう。
毎日の食事の時間が苦痛でたまらず、お母さん自身がノイローゼ気味になり、キッチンに立つだけで涙が出る。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやアスレチックなどの粗大運動を通して「体幹(噛むための土台)」を育てたり、感覚遊び(スライムや粘土)を通して「新しい刺激への耐性」を育んだりすることで、身体の根っこから食へのアプローチを行っています。
毎日、食べてくれないご飯を作り続け、ゴミ箱に捨てるたびに心が折れそうになっているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して親を困らせたいわけではなく、自分の過敏な脳と身体を守るために必死なだけなのです。
「うちの子の偏食、もしかして感覚や体幹が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、少しでも笑顔で食卓を囲める方法を一緒に考えてまいります。

【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!

そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。

 
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。

ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!

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理学療法士 内山 隆範
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