こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も半ばに入り、いよいよ本格的な夏がやってきましたね。水遊びや地域の夏祭りなど、お友達と一緒に遊ぶ機会も増えるこの季節、お母さん、お父さんからこんなハラハラするお悩みをよく伺います。
「お友達のことが大好きなのに、ハグの力が強すぎて相手を泣かせてしまう」
「犬や猫を『よしよし』と撫でる力が、ほとんど『平手打ち』みたいになっていてヒヤヒヤする」
「お絵かきをすればクレヨンを1秒でへし折り、ドアを閉めるときは常に『バターン!』と全力で閉める」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も小さい頃、愛情表現のつもりで私に頭突きをしてきて、星が飛んだことが何度もあります…!)の中でも、この「力の加減ができない・乱暴に見えてしまう」というお悩みは、本当によく目にする光景です。
「もっと優しくしなさい!」「わざと壊したんでしょ!」
お友達の親御さんに何度も頭を下げながら、「うちの子、乱暴な性格なのかな」「将来いじめっ子になったらどうしよう」と、密かに思い悩んでしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが強すぎる力を出してしまうのは、決して「意地悪で乱暴な性格」だからでも、「親のしつけが足りない」からでもありません。
これには、筋肉の感覚を脳に伝えるセンサーによる、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、「優しく」ができずに全力でぶつかってしまうのか?
大人の目には「わざと乱暴にしている」ように見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような「感覚のエラー」が起きています。
① 脳の「力の加減メーター(固有受容覚)」が鈍い
私たちが紙コップを潰さずに持てたり、豆腐を崩さずに掴めたりするのは、筋肉や関節にある「固有受容覚(こゆうじゅようかく)」というセンサーが、「今、これくらいの力が入っているよ」と脳に正確に教えてくれているからです。
しかし、発達に凸凹のあるお子さまの中には、このセンサーが生まれつき「鈍い」子がいます。メーターが壊れているため、本人は「優しく触っている」つもりでも、脳に感覚が届かず、結果として「100%のフルパワー」を出さないと『触っている実感』が湧かないのです。
② 脳の「出力調整(運動の階層性)」がオール・オア・ナッシング
「少しだけ力を抜く(アクセルを半分だけ踏む)」というコントロールは、脳にとって非常に高度な処理です。
運動の調整機能が未熟なお子さまの脳は、「0か100か」のスイッチしか持っていません。そのため、お友達と手を繋ごうとしただけなのに、フルパワーで引っ張って転ばせてしまうといった事故が起きてしまいます。
今日からおうちで即実践!「力の加減」を育てる実用アプローチ
「優しくして!」と口で何度も叱ることは、スピードメーターが壊れた車の運転手に「法定速度を守れ!」と怒鳴っているのと同じで、根本的な解決にはなりません。
今日から、以下の3つのアプローチで、脳に「力のメモリ」を刻んでいきましょう。
1. 抽象的な「優しく」を「具体的な言葉」に翻訳する
「優しく」という言葉は、お子さまの脳には届きません。
「お友達に触るときは、『アリさんを触る手』でね」「ドアを閉めるときは、『忍者さんの音(忍び足)』でね」と、具体的なイメージに変換して伝えてください。事前に親の腕を使って、「これがアリさんの手だよ、これがゾウさんの手(強い手)だよ」と、強さの違いを身体で体験させておくのがポイントです。
2. お友達と遊ぶ前に「重いもの」で筋肉を満足させておく(Heavy Work)
力が有り余って乱暴になってしまう子への、理学療法士としての裏技です。
公園やお友達の家に行く直前に、「お買い物袋、少し重いけど車まで運んでくれる?」「お母さんと壁をどっちが強く押せるか勝負!」と、**関節や筋肉に100%のフルパワーを出させる遊び(お仕事)**をさせてください。事前に固有受容覚をたっぷりと満たしておくことで、脳の「強い力を出したい!」という欲求が落ち着き、お友達との遊びの中で自然と力が抜けやすくなります。
3. 「壊れやすいもの」をあえて運ばせる遊び
力の加減を練習するには、視覚的なフィードバックが一番です。
「お水がなみなみ入ったコップを、こぼさずにテーブルまで運ぶ」「風船を割らないように、そーっと両手でキャッチする」といった遊びをゲーム感覚で取り入れてみてください。失敗しても濡れたり割れたりするだけで怪我はしません。「そーっと動く」という感覚を、遊びの中で何度も脳に学習させることが大切です。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに固有受容覚が育ち、少しずつ力のコントロールができるようになりますが、以下のような状態が見られる場合は、集団生活でのトラブルや深刻な怪我に直結するため、専門的なアプローチが必要です。
力の加減ができず、保育園や幼稚園で頻繁にお友達を突き飛ばしたり、怪我をさせたりして孤立してしまっている。
自分の思い通りにならないと、親や周囲の大人に対して全力で殴る・蹴るなどの他害行為が止められない。
毎日おもちゃを壊し、親が常に「また壊した!」と怒り続け、親子関係がギスギスしている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「乱暴しちゃダメ」と指導するのではなく、綱引きや、重いブロック運び、トランポリンなどの粗大運動(全身運動)をたっぷり行います。「思い切り力を出す」ことと「ピタッと止まる・そーっと動く」ことを療育の中で繰り返し体験することで、脳の「力の加減メーター」を少しずつ正確なものに調整していくのです。
お友達と遊ぶたびに「乱暴しないで!」とハラハラし、帰宅してから「どうして普通に遊べないの」と涙ぐんでいるお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して意地悪をしているわけではなく、大好きな人に触れたいという「愛情」の表現方法(力のボリューム)を、まだ上手く調整できていないだけなのです。
「うちの子の乱暴な動き、もしかして力のコントロールが苦手なのかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまの優しい気持ちがまっすぐ伝わるサポートを一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな**「児童指導員」**の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も半ばに入り、いよいよ本格的な夏がやってきましたね。水遊びや地域の夏祭りなど、お友達と一緒に遊ぶ機会も増えるこの季節、お母さん、お父さんからこんなハラハラするお悩みをよく伺います。
「お友達のことが大好きなのに、ハグの力が強すぎて相手を泣かせてしまう」
「犬や猫を『よしよし』と撫でる力が、ほとんど『平手打ち』みたいになっていてヒヤヒヤする」
「お絵かきをすればクレヨンを1秒でへし折り、ドアを閉めるときは常に『バターン!』と全力で閉める」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も小さい頃、愛情表現のつもりで私に頭突きをしてきて、星が飛んだことが何度もあります…!)の中でも、この「力の加減ができない・乱暴に見えてしまう」というお悩みは、本当によく目にする光景です。
「もっと優しくしなさい!」「わざと壊したんでしょ!」
お友達の親御さんに何度も頭を下げながら、「うちの子、乱暴な性格なのかな」「将来いじめっ子になったらどうしよう」と、密かに思い悩んでしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが強すぎる力を出してしまうのは、決して「意地悪で乱暴な性格」だからでも、「親のしつけが足りない」からでもありません。
これには、筋肉の感覚を脳に伝えるセンサーによる、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、「優しく」ができずに全力でぶつかってしまうのか?
大人の目には「わざと乱暴にしている」ように見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような「感覚のエラー」が起きています。
① 脳の「力の加減メーター(固有受容覚)」が鈍い
私たちが紙コップを潰さずに持てたり、豆腐を崩さずに掴めたりするのは、筋肉や関節にある「固有受容覚(こゆうじゅようかく)」というセンサーが、「今、これくらいの力が入っているよ」と脳に正確に教えてくれているからです。
しかし、発達に凸凹のあるお子さまの中には、このセンサーが生まれつき「鈍い」子がいます。メーターが壊れているため、本人は「優しく触っている」つもりでも、脳に感覚が届かず、結果として「100%のフルパワー」を出さないと『触っている実感』が湧かないのです。
② 脳の「出力調整(運動の階層性)」がオール・オア・ナッシング
「少しだけ力を抜く(アクセルを半分だけ踏む)」というコントロールは、脳にとって非常に高度な処理です。
運動の調整機能が未熟なお子さまの脳は、「0か100か」のスイッチしか持っていません。そのため、お友達と手を繋ごうとしただけなのに、フルパワーで引っ張って転ばせてしまうといった事故が起きてしまいます。
今日からおうちで即実践!「力の加減」を育てる実用アプローチ
「優しくして!」と口で何度も叱ることは、スピードメーターが壊れた車の運転手に「法定速度を守れ!」と怒鳴っているのと同じで、根本的な解決にはなりません。
今日から、以下の3つのアプローチで、脳に「力のメモリ」を刻んでいきましょう。
1. 抽象的な「優しく」を「具体的な言葉」に翻訳する
「優しく」という言葉は、お子さまの脳には届きません。
「お友達に触るときは、『アリさんを触る手』でね」「ドアを閉めるときは、『忍者さんの音(忍び足)』でね」と、具体的なイメージに変換して伝えてください。事前に親の腕を使って、「これがアリさんの手だよ、これがゾウさんの手(強い手)だよ」と、強さの違いを身体で体験させておくのがポイントです。
2. お友達と遊ぶ前に「重いもの」で筋肉を満足させておく(Heavy Work)
力が有り余って乱暴になってしまう子への、理学療法士としての裏技です。
公園やお友達の家に行く直前に、「お買い物袋、少し重いけど車まで運んでくれる?」「お母さんと壁をどっちが強く押せるか勝負!」と、**関節や筋肉に100%のフルパワーを出させる遊び(お仕事)**をさせてください。事前に固有受容覚をたっぷりと満たしておくことで、脳の「強い力を出したい!」という欲求が落ち着き、お友達との遊びの中で自然と力が抜けやすくなります。
3. 「壊れやすいもの」をあえて運ばせる遊び
力の加減を練習するには、視覚的なフィードバックが一番です。
「お水がなみなみ入ったコップを、こぼさずにテーブルまで運ぶ」「風船を割らないように、そーっと両手でキャッチする」といった遊びをゲーム感覚で取り入れてみてください。失敗しても濡れたり割れたりするだけで怪我はしません。「そーっと動く」という感覚を、遊びの中で何度も脳に学習させることが大切です。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに固有受容覚が育ち、少しずつ力のコントロールができるようになりますが、以下のような状態が見られる場合は、集団生活でのトラブルや深刻な怪我に直結するため、専門的なアプローチが必要です。
力の加減ができず、保育園や幼稚園で頻繁にお友達を突き飛ばしたり、怪我をさせたりして孤立してしまっている。
自分の思い通りにならないと、親や周囲の大人に対して全力で殴る・蹴るなどの他害行為が止められない。
毎日おもちゃを壊し、親が常に「また壊した!」と怒り続け、親子関係がギスギスしている。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「乱暴しちゃダメ」と指導するのではなく、綱引きや、重いブロック運び、トランポリンなどの粗大運動(全身運動)をたっぷり行います。「思い切り力を出す」ことと「ピタッと止まる・そーっと動く」ことを療育の中で繰り返し体験することで、脳の「力の加減メーター」を少しずつ正確なものに調整していくのです。
お友達と遊ぶたびに「乱暴しないで!」とハラハラし、帰宅してから「どうして普通に遊べないの」と涙ぐんでいるお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して意地悪をしているわけではなく、大好きな人に触れたいという「愛情」の表現方法(力のボリューム)を、まだ上手く調整できていないだけなのです。
「うちの子の乱暴な動き、もしかして力のコントロールが苦手なのかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまの優しい気持ちがまっすぐ伝わるサポートを一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな**「児童指導員」**の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範