こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も半ばを過ぎ、いよいよ子どもたちが待ちに待った夏休みが始まりますね。これからの季節、海や川での水遊び、公園での泥んこ遊びなど、夏ならではのダイナミックな遊びを体験させてあげたいと考えるご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな楽しいはずのアウトドアや外遊びで、お母さんやお父さんを悩ませるこんな光景はありませんか?
「公園の砂場に入ろうと誘っても、『靴に砂が入る!』と泣き叫んで絶対に足を踏み入れない」
「絵の具やスライム、泥水などが指先にほんの1滴ついただけで、この世の終わりのようにパニックになり『拭いて!!』と怒る」
「ご飯を手づかみで食べるのを極端に嫌がり、常におしぼりを要求してくる」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「手が汚れることへの異常なまでの恐怖・拒否」は、本当によくお聞きするお悩みです。
「すぐ洗えば落ちるでしょ!」「気にしすぎだよ、子どもなんだから泥んこになって遊びなさい!」
周りのお友達が泥だらけになって満面の笑みで遊んでいる横で、つま先立ちで逃げ惑う我が子。その姿を見て、「うちの子、神経質すぎるのかな…」「潔癖症になっちゃうのでは?」と心配し、ため息をついているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが「汚れ」を激しく嫌がるのは、決して「極端な綺麗好き」だからでも、「ワガママで神経質な性格」だからでもありません。
これには、皮膚の感覚センサーのバグと、脳の「防衛本能」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、たかが「泥」や「絵の具」でそこまでパニックになるのか?
大人の目には「ただ手が汚れただけ」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷なエラーが起きています。
① 皮膚のセンサーが「危険信号」を誤作動させている(触覚過敏)
私たちの手のひらや足の裏は、全身の中でも特に神経が密集している高感度センサーです。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、この「触覚」が過敏すぎる子がいます。大人にとっては「ちょっとベタベタする泥」や「ザラザラした砂」も、感覚過敏のお子さまの脳にとっては、「得体の知れないスライム状のエイリアンが皮膚にまとわりついている!」あるいは「無数のガラスの破片が刺さっている!」というほどの『強烈な不快感と恐怖』に変換されてしまっているのです。痛くて怖いのだから、パニックになって「早く取って!」と叫ぶのは、生き物として当然の防衛本能です。
② 「見慣れないもの=敵」とみなす脳の警戒システム
触覚が過敏なお子さまは、初めて触る質感(ドロドロ、ヌルヌル、ベタベタ)に対して、脳が「これは自分に害をなす敵かもしれない!」と過剰に警戒アラームを鳴らします。安全かどうかの確認(感覚の統合)が追いついていないため、とにかく身体から排除しようと必死になるのです。
今日から即実践!「汚れの恐怖」を和らげる実用アプローチ
「慣れさせなきゃ!」と無理やり泥団子を握らせたり、砂場に立たせたりすることは、お子さまにとっては拷問と同じです。脳のトラウマとなり、余計に触れなくなってしまいます。
今日から、以下の3つのアプローチで、脳に「これは安全だよ」と優しく教えてあげてください。
1. 「素手」を強制しない!【道具(ツール)】をフル活用する
直接肌に触れるのが怖いなら、ワンクッション置いてあげれば良いのです。
砂場では、素手ではなく「スコップ」や「カップ」を必ず使わせる。お絵かきでは、指スタンプではなく「筆」や「スポンジ」を持たせる。ご飯の時は、無理に手づかみさせず「フォーク」や「おにぎりフィルム」を使う。
道具越しに伝わる刺激から少しずつ「砂の重さ」や「絵の具の感覚」を学習させることで、脳はゆっくりと警戒心を解いていきます。
2. 濡れた泥より「乾いたもの」からスタートする
触覚過敏のお子さまにとって、「濡れている・ベタベタする」質感は最も難易度が高い刺激です。
まずは、マカロニや大豆などの「乾いた食材」に触れる遊びや、サラサラの「乾いた砂(キネティックサンドなどもおすすめ)」から始めてみてください。乾いた刺激で「触っても痛くない、安全だ」という成功体験を積むことが最優先です。
3. 【理学療法士の裏技】触る前に「腕をギュッギュッ」と圧迫する
服のチクチク問題の時にもお話ししましたが、皮膚表面の過敏さを抑えるには、「深い感覚(固有受容覚)」を入れるのが一番の近道です。
砂場や水遊びに入る前に、お子さまの手首から肩にかけて、お母さんの手のひらで「ギュ〜ッ、ギュ〜ッ」と少し強めに圧迫マッサージをしてあげてください。関節や筋肉に強い圧が入ると、脳の興奮がスッと落ち着き、その後に触れる泥や水の刺激を「マイルド」に受け取ることができるようになります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感覚が整理され、少しずつ泥んこ遊びを楽しめるようになっていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活に大きな支障をきたすため、専門的なアプローチが必要です。
手が汚れることへの恐怖から、自分で食事をとること(お箸やスプーンを持つことすら)を拒否し、栄養面に不安が出ている。
少しでも汚れるとパニックになり、1日に何十回も手を洗い続けて、皮膚が赤くボロボロに荒れてしまっている。
砂や泥だけでなく、芝生や絨毯の上を歩くこともできず、常につま先立ちで生活したり、外出を極端に嫌がったりする。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやアスレチックなどの粗大運動を通して身体の根っこの感覚(固有受容覚や前庭覚)をたっぷりと満たします。身体の土台がどっしり安定することで、脳のキャパシティが広がり、結果として「指先の過敏さ」も不思議なほど自然に和らいでいくのです。
公園の水道の冷たい水で、泣き叫ぶ我が子の手を洗いながら「どうして普通に遊んでくれないの」と周りと比べて落ち込んでしまうお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してワガママを言っているわけではなく、大人には分からない「未知の恐怖」から、一生懸命に自分の身を守ろうとしているだけなのです。
「うちの子の極端な綺麗好き、もしかして触覚過敏が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまが安心して世界に触れられる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も半ばを過ぎ、いよいよ子どもたちが待ちに待った夏休みが始まりますね。これからの季節、海や川での水遊び、公園での泥んこ遊びなど、夏ならではのダイナミックな遊びを体験させてあげたいと考えるご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな楽しいはずのアウトドアや外遊びで、お母さんやお父さんを悩ませるこんな光景はありませんか?
「公園の砂場に入ろうと誘っても、『靴に砂が入る!』と泣き叫んで絶対に足を踏み入れない」
「絵の具やスライム、泥水などが指先にほんの1滴ついただけで、この世の終わりのようにパニックになり『拭いて!!』と怒る」
「ご飯を手づかみで食べるのを極端に嫌がり、常におしぼりを要求してくる」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「手が汚れることへの異常なまでの恐怖・拒否」は、本当によくお聞きするお悩みです。
「すぐ洗えば落ちるでしょ!」「気にしすぎだよ、子どもなんだから泥んこになって遊びなさい!」
周りのお友達が泥だらけになって満面の笑みで遊んでいる横で、つま先立ちで逃げ惑う我が子。その姿を見て、「うちの子、神経質すぎるのかな…」「潔癖症になっちゃうのでは?」と心配し、ため息をついているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが「汚れ」を激しく嫌がるのは、決して「極端な綺麗好き」だからでも、「ワガママで神経質な性格」だからでもありません。
これには、皮膚の感覚センサーのバグと、脳の「防衛本能」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、たかが「泥」や「絵の具」でそこまでパニックになるのか?
大人の目には「ただ手が汚れただけ」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷なエラーが起きています。
① 皮膚のセンサーが「危険信号」を誤作動させている(触覚過敏)
私たちの手のひらや足の裏は、全身の中でも特に神経が密集している高感度センサーです。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、この「触覚」が過敏すぎる子がいます。大人にとっては「ちょっとベタベタする泥」や「ザラザラした砂」も、感覚過敏のお子さまの脳にとっては、「得体の知れないスライム状のエイリアンが皮膚にまとわりついている!」あるいは「無数のガラスの破片が刺さっている!」というほどの『強烈な不快感と恐怖』に変換されてしまっているのです。痛くて怖いのだから、パニックになって「早く取って!」と叫ぶのは、生き物として当然の防衛本能です。
② 「見慣れないもの=敵」とみなす脳の警戒システム
触覚が過敏なお子さまは、初めて触る質感(ドロドロ、ヌルヌル、ベタベタ)に対して、脳が「これは自分に害をなす敵かもしれない!」と過剰に警戒アラームを鳴らします。安全かどうかの確認(感覚の統合)が追いついていないため、とにかく身体から排除しようと必死になるのです。
今日から即実践!「汚れの恐怖」を和らげる実用アプローチ
「慣れさせなきゃ!」と無理やり泥団子を握らせたり、砂場に立たせたりすることは、お子さまにとっては拷問と同じです。脳のトラウマとなり、余計に触れなくなってしまいます。
今日から、以下の3つのアプローチで、脳に「これは安全だよ」と優しく教えてあげてください。
1. 「素手」を強制しない!【道具(ツール)】をフル活用する
直接肌に触れるのが怖いなら、ワンクッション置いてあげれば良いのです。
砂場では、素手ではなく「スコップ」や「カップ」を必ず使わせる。お絵かきでは、指スタンプではなく「筆」や「スポンジ」を持たせる。ご飯の時は、無理に手づかみさせず「フォーク」や「おにぎりフィルム」を使う。
道具越しに伝わる刺激から少しずつ「砂の重さ」や「絵の具の感覚」を学習させることで、脳はゆっくりと警戒心を解いていきます。
2. 濡れた泥より「乾いたもの」からスタートする
触覚過敏のお子さまにとって、「濡れている・ベタベタする」質感は最も難易度が高い刺激です。
まずは、マカロニや大豆などの「乾いた食材」に触れる遊びや、サラサラの「乾いた砂(キネティックサンドなどもおすすめ)」から始めてみてください。乾いた刺激で「触っても痛くない、安全だ」という成功体験を積むことが最優先です。
3. 【理学療法士の裏技】触る前に「腕をギュッギュッ」と圧迫する
服のチクチク問題の時にもお話ししましたが、皮膚表面の過敏さを抑えるには、「深い感覚(固有受容覚)」を入れるのが一番の近道です。
砂場や水遊びに入る前に、お子さまの手首から肩にかけて、お母さんの手のひらで「ギュ〜ッ、ギュ〜ッ」と少し強めに圧迫マッサージをしてあげてください。関節や筋肉に強い圧が入ると、脳の興奮がスッと落ち着き、その後に触れる泥や水の刺激を「マイルド」に受け取ることができるようになります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感覚が整理され、少しずつ泥んこ遊びを楽しめるようになっていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活に大きな支障をきたすため、専門的なアプローチが必要です。
手が汚れることへの恐怖から、自分で食事をとること(お箸やスプーンを持つことすら)を拒否し、栄養面に不安が出ている。
少しでも汚れるとパニックになり、1日に何十回も手を洗い続けて、皮膚が赤くボロボロに荒れてしまっている。
砂や泥だけでなく、芝生や絨毯の上を歩くこともできず、常につま先立ちで生活したり、外出を極端に嫌がったりする。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやアスレチックなどの粗大運動を通して身体の根っこの感覚(固有受容覚や前庭覚)をたっぷりと満たします。身体の土台がどっしり安定することで、脳のキャパシティが広がり、結果として「指先の過敏さ」も不思議なほど自然に和らいでいくのです。
公園の水道の冷たい水で、泣き叫ぶ我が子の手を洗いながら「どうして普通に遊んでくれないの」と周りと比べて落ち込んでしまうお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してワガママを言っているわけではなく、大人には分からない「未知の恐怖」から、一生懸命に自分の身を守ろうとしているだけなのです。
「うちの子の極端な綺麗好き、もしかして触覚過敏が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまが安心して世界に触れられる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範