こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も下旬に入り、いよいよ夏休みが本格的にスタートしましたね!
毎日暑い日が続く中、おうちで過ごしたり、宿題に取り組んだりするお子さまの姿を見ていて、お母さんやお父さんからこんなお悩みをよく伺うようになります。
「気がつくと、いつも服の襟首や袖をチュウチュウ吸ったり噛んだりして、服がベチャベチャに伸びている」
「宿題をしているとき、鉛筆の後ろをガリガリ噛んで木がボロボロになっている」
「爪を噛む癖が治らず、深爪になって血が出ていることもある」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「物を噛む・口に入れる(咬咬癖:こうこうへき)」というお悩みは、本当によくお聞きします。
「汚いから口から出しなさい!」「赤ちゃんじゃないんだからやめなさい!」
衛生面も気になりますし、「もしかして愛情不足でストレスが溜まっているのかな…」「学校で何か嫌なことがあったのかな…」と、ご自身の関わり方を責めて思い悩んでしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが服や爪、鉛筆を噛んでしまうのは、決して「単なる行儀の悪い癖」でも、「愛情不足によるストレス」でもありません。
これには、お口周りの筋肉のセンサーと、脳の「覚醒(目覚め)と落ち着き」をコントロールするメカニズムによる、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、何度注意しても「物を噛む」ことをやめられないのか?
大人の目には「汚い癖」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような必死のコントロール(自己調整)が行われています。
① 脳を落ち着かせる「最強の精神安定剤」(固有受容覚の探求)
私たちの顎(あご)の筋肉は、全身の中でも非常に強い力を持っています。この顎の関節や筋肉に「ギュッ」と強い圧力がかかる感覚(固有受容覚:こゆうじゅようかく)は、脳にとって「気持ちをスッと落ち着かせる、極上のリラックス効果」をもたらします。
発達に凸凹のあるお子さまは、不安を感じたときや、逆に興奮しすぎたときに、自分の感情をコントロールするのが苦手です。そのため、服や爪を「噛む」という強い刺激を脳に送ることで、無意識のうちにパニックになりそうな自分を必死に落ち着かせようとしている(セルフコントロールしている)のです。
② 集中力を途切れさせないための「脳のスイッチON」
宿題中などに鉛筆を噛む子に多い理由です。じっと座って学習していると、脳の覚醒レベル(目覚め具合)が下がってボーッとしてきます。大人でも、眠気覚ましに硬いガムを噛んだりしますよね。
お子さまも同じで、「このままでは集中力が切れてしまう!」と脳が察知し、顎を動かすことで脳に刺激を送り、強制的にスイッチをONに保とうとしているのです。
今日からおうちで即実践!「噛む」欲求を安全に満たすアプローチ
「口から出しなさい!」と無理やりやめさせることは、不安と戦うための「精神安定剤」を取り上げるのと同じで、パニックを起こしたり、隠れてさらに激しく噛んだりする原因になります。
今日から、以下の3つのアプローチで「別の安全な方法」で脳を満たしてあげてください。
1. 「噛んでいい公式アイテム」を渡す(代替品の用意)
噛む欲求があるなら、安全に噛めるものを提供してあげるのが一番の近道です。
最近は「チューリップ(Chewelry:噛むアクセサリー)」という、安全なシリコン製のネックレス型おもちゃが販売されています。また、宿題の前に「硬いおせんべい」や「スルメ」「リンゴ」など、しっかり顎を使うおやつ(クランチーな食べ物)を食べるだけでも、顎の関節が満足し、鉛筆や服を噛む回数がグッと減ります。
2. お口周りの筋肉を楽しく使う「吹き戻し・シャボン玉遊び」
お口周りの感覚を別の遊びで満たしてあげます。
息を強く吹く「ピロピロ(吹き戻し)」や、ストローで少し粘度の高い飲み物(シェイクや飲むヨーグルトなど)を吸うといった遊びは、お口周りの筋肉に心地よい刺激(固有受容覚)を与え、脳を深く落ち着かせてくれます。
3. 全身の関節に「強い圧」をかける(Heavy Work)
実は、口(顎)で求めている感覚は、全身の関節でも代用することができます。
お子さまと一緒に「手押し相撲」をして腕の関節に強い圧をかけたり、お母さんの背中に乗ってギュッと抱きつかせたり、少し重い荷物を運んでもらったりしてください。全身の固有受容覚がたっぷりと満たされると、不思議とお口への執着(噛む行動)は落ち着いていきます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感情のコントロールが上手になれば自然と落ち着いていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、健康被害や集団生活でのトラブルに直結するため、専門的なアプローチが必要です。
爪を噛むだけでなく、自分の腕や手を噛んで出血するほどの自傷行為がある。
噛みちぎった服の糸くずや、鉛筆の破片、消しゴムなどを飲み込んでしまう(異食)危険がある。
お友達とのトラブルの際、言葉が出ずに咄嗟にお友達を噛んでしまう(他害)。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「噛んじゃダメ」と指導するのではなく、トランポリンやアスレチック、大型ブランコなどのダイナミックな全身運動(粗大運動)をたっぷり行います。身体の根っこから固有受容覚や前庭覚を満たしてあげることで、脳の神経系全体が整い、結果として「噛むことで自分を落ち着かせる必要」がなくなっていくのです。
毎日、ベチャベチャになった服を洗濯し、ボロボロの鉛筆を削りながら、「どうしてやめられないの」とため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してわざと汚くしているわけではなく、自分の中の不安や集中力の途切れと、一生懸命に戦っている真っ最中なのです。
「うちの子の噛む癖、もしかして感覚の欲求から来ているのかも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまがリラックスして過ごせる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も下旬に入り、いよいよ夏休みが本格的にスタートしましたね!
毎日暑い日が続く中、おうちで過ごしたり、宿題に取り組んだりするお子さまの姿を見ていて、お母さんやお父さんからこんなお悩みをよく伺うようになります。
「気がつくと、いつも服の襟首や袖をチュウチュウ吸ったり噛んだりして、服がベチャベチャに伸びている」
「宿題をしているとき、鉛筆の後ろをガリガリ噛んで木がボロボロになっている」
「爪を噛む癖が治らず、深爪になって血が出ていることもある」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「物を噛む・口に入れる(咬咬癖:こうこうへき)」というお悩みは、本当によくお聞きします。
「汚いから口から出しなさい!」「赤ちゃんじゃないんだからやめなさい!」
衛生面も気になりますし、「もしかして愛情不足でストレスが溜まっているのかな…」「学校で何か嫌なことがあったのかな…」と、ご自身の関わり方を責めて思い悩んでしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが服や爪、鉛筆を噛んでしまうのは、決して「単なる行儀の悪い癖」でも、「愛情不足によるストレス」でもありません。
これには、お口周りの筋肉のセンサーと、脳の「覚醒(目覚め)と落ち着き」をコントロールするメカニズムによる、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、何度注意しても「物を噛む」ことをやめられないのか?
大人の目には「汚い癖」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような必死のコントロール(自己調整)が行われています。
① 脳を落ち着かせる「最強の精神安定剤」(固有受容覚の探求)
私たちの顎(あご)の筋肉は、全身の中でも非常に強い力を持っています。この顎の関節や筋肉に「ギュッ」と強い圧力がかかる感覚(固有受容覚:こゆうじゅようかく)は、脳にとって「気持ちをスッと落ち着かせる、極上のリラックス効果」をもたらします。
発達に凸凹のあるお子さまは、不安を感じたときや、逆に興奮しすぎたときに、自分の感情をコントロールするのが苦手です。そのため、服や爪を「噛む」という強い刺激を脳に送ることで、無意識のうちにパニックになりそうな自分を必死に落ち着かせようとしている(セルフコントロールしている)のです。
② 集中力を途切れさせないための「脳のスイッチON」
宿題中などに鉛筆を噛む子に多い理由です。じっと座って学習していると、脳の覚醒レベル(目覚め具合)が下がってボーッとしてきます。大人でも、眠気覚ましに硬いガムを噛んだりしますよね。
お子さまも同じで、「このままでは集中力が切れてしまう!」と脳が察知し、顎を動かすことで脳に刺激を送り、強制的にスイッチをONに保とうとしているのです。
今日からおうちで即実践!「噛む」欲求を安全に満たすアプローチ
「口から出しなさい!」と無理やりやめさせることは、不安と戦うための「精神安定剤」を取り上げるのと同じで、パニックを起こしたり、隠れてさらに激しく噛んだりする原因になります。
今日から、以下の3つのアプローチで「別の安全な方法」で脳を満たしてあげてください。
1. 「噛んでいい公式アイテム」を渡す(代替品の用意)
噛む欲求があるなら、安全に噛めるものを提供してあげるのが一番の近道です。
最近は「チューリップ(Chewelry:噛むアクセサリー)」という、安全なシリコン製のネックレス型おもちゃが販売されています。また、宿題の前に「硬いおせんべい」や「スルメ」「リンゴ」など、しっかり顎を使うおやつ(クランチーな食べ物)を食べるだけでも、顎の関節が満足し、鉛筆や服を噛む回数がグッと減ります。
2. お口周りの筋肉を楽しく使う「吹き戻し・シャボン玉遊び」
お口周りの感覚を別の遊びで満たしてあげます。
息を強く吹く「ピロピロ(吹き戻し)」や、ストローで少し粘度の高い飲み物(シェイクや飲むヨーグルトなど)を吸うといった遊びは、お口周りの筋肉に心地よい刺激(固有受容覚)を与え、脳を深く落ち着かせてくれます。
3. 全身の関節に「強い圧」をかける(Heavy Work)
実は、口(顎)で求めている感覚は、全身の関節でも代用することができます。
お子さまと一緒に「手押し相撲」をして腕の関節に強い圧をかけたり、お母さんの背中に乗ってギュッと抱きつかせたり、少し重い荷物を運んでもらったりしてください。全身の固有受容覚がたっぷりと満たされると、不思議とお口への執着(噛む行動)は落ち着いていきます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感情のコントロールが上手になれば自然と落ち着いていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、健康被害や集団生活でのトラブルに直結するため、専門的なアプローチが必要です。
爪を噛むだけでなく、自分の腕や手を噛んで出血するほどの自傷行為がある。
噛みちぎった服の糸くずや、鉛筆の破片、消しゴムなどを飲み込んでしまう(異食)危険がある。
お友達とのトラブルの際、言葉が出ずに咄嗟にお友達を噛んでしまう(他害)。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「噛んじゃダメ」と指導するのではなく、トランポリンやアスレチック、大型ブランコなどのダイナミックな全身運動(粗大運動)をたっぷり行います。身体の根っこから固有受容覚や前庭覚を満たしてあげることで、脳の神経系全体が整い、結果として「噛むことで自分を落ち着かせる必要」がなくなっていくのです。
毎日、ベチャベチャになった服を洗濯し、ボロボロの鉛筆を削りながら、「どうしてやめられないの」とため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してわざと汚くしているわけではなく、自分の中の不安や集中力の途切れと、一生懸命に戦っている真っ最中なのです。
「うちの子の噛む癖、もしかして感覚の欲求から来ているのかも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまがリラックスして過ごせる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範