こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も下旬に入り、いよいよ子どもたちが待ちに待った夏休みがスタートしましたね!
おうちで過ごす時間が増え、夏休みの工作に取り組んだり、朝のお着替えをゆっくり見守ったりする中で、お母さんやお父さんからこんなお悩みをよく伺うようになります。
「お箸を正しく持てず、何度教えてもグー握りになってしまう」
「服のボタン留めがいつまで経ってもできず、イライラして癇癪を起こす」
「ハサミを使うと、紙をぐちゃぐちゃに破いてしまって線通りに切れない」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「手先の不器用さ(微細運動の苦手さ)」は、本当によくご相談を受けるテーマです。
「小学生になるのに、まだお箸が使えないなんて…」「もう少し集中して手元を見なさい!」
朝の忙しい時間帯にモタモタされると、つい手を出して着替えさせてしまい、「私の教え方が悪いのかな」「甘やかしすぎているのかな」と密かにご自身を責めてしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが手先の作業を苦手としているのは、決して「練習不足」だからでも、「不器用で大雑把な性格」だからでもありません。
これには、身体の根っこである「体幹(お腹や背中)」と「肩周りの筋肉」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、指先を器用に動かすことがそんなに難しいのか?
大人の目には「手先だけの問題」に見えますが、お子さまの身体の中では、以下のような姿勢の連鎖(メカニズム)が起きています。
① 木の根っこ(体幹)がグラグラだと、枝先(指先)は動かせない
理学療法のリハビリには、「近位(身体の中心)の安定が、遠位(手先・足先)の運動を引き出す」という大原則があります。
お箸やハサミ、ボタン留めといった繊細な指先の動きをするためには、まず「体幹(お腹や背中)」がどっしりと安定し、次に「肩・肘・手首」がしっかりと固定されている必要があります。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、生まれつき筋肉の張りが弱い(低緊張)子がいます。身体の中心(根っこ)がグラグラしている状態では、手先(枝先)を細かくコントロールすることなど到底できません。姿勢を保つだけで精一杯で、指先にまで回すエネルギーが残っていないのです。
② 肩や手首を「ガチガチに固めて」代償している
体幹が弱いお子さまは、なんとか指先を動かそうとして、無意識に「肩をすくめ、脇をギュッと締め、手首をガチガチに固めて」無理やり身体を安定させようとします(これを代償動作といいます)。
肩や腕全体に力が入ってしまっているため、お箸や鉛筆を握る力も異常に強くなり、すぐに手が疲れて「もうやだ!やらない!」と投げ出してしまうのです。
今日からおうちで即実践!手先の器用さを育てる実用アプローチ
「ちゃんとお箸を持ちなさい!」「もっと練習しなさい!」と手先だけの特訓をさせることは、グラグラの地盤に家を建てようとするのと同じで、お子さまの自己肯定感を下げるだけになってしまいます。
今日から、以下の3つのアプローチで「身体の根っこ」から育てていきましょう。
1. 手先の練習の前に「足裏をペタッ」とつける
食事中や工作中の椅子に座る姿勢を見直してください。足がブラブラ浮いていませんか?
足が浮いていると体幹は一瞬で崩れ、肩に余計な力が入ります。足元に台を置き、「足の裏全体がピタッと床につく環境」を作ってあげるだけで、骨盤が安定し、魔法のようにハサミや鉛筆が使いやすくなる子がたくさんいます。
2. 指先ではなく「肩と体幹」をダイナミックに使う遊びを
手先を器用にするための近道は、実は「全身運動(粗大運動)」です。
おうちの床で、四つん這いになって進む「クマさん歩き」や、お母さんが足を持って腕の力だけで進む「手押し車」をして遊んでみてください。これらは、肩甲骨周りと体幹の筋肉を同時に鍛えることができる最強のトレーニングです。肩周りが強くなると、驚くほど手先の力がスッと抜けるようになります。
3. 「失敗しない」遊びで指先の感覚(固有受容覚)を育てる
お箸やボタンなどの「正解・不正解がある練習」は一旦お休みし、遊びの中で指先を使わせます。
洗濯バサミをたくさん繋げて遊ぶ、トングを使って丸めたティッシュや小さなおもちゃをお皿に移し替える、新聞紙をビリビリに小さく破りまくる、などです。これらは指先の力の加減(固有受容覚)を遊びながら育むことができ、「できた!」という自信に繋がります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに体幹が育ち、手先も器用になっていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、これからの学習(字を書くこと)や日常生活に大きなストレスを抱えるため、専門的なアプローチが必要です。
鉛筆やスプーンを持つ手に力が入りすぎて、ガチガチに握りしめた結果、手が痛くなって泣いてしまう。
不器用さへのコンプレックスが強くなり、「どうせできないから」と、新しいおもちゃや工作に一切手を出そうとしない。
ボタンや靴下など、身の回りのことを自分でやるのを完全に諦め、常に親に「やって!」と強い癇癪を起こす。
このようなときは、どうかご家庭だけで特訓しようとせず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「机に向かって手先の練習」をするのではなく、ボルダリングやアスレチックで「自分の身体を支える力(体幹・肩周り)」を育てることから始めます。根っこがしっかり育てば、枝先である指先は自然と、そしてスムーズに動くようになるのです。
朝の忙しい時間に、ボタンと格闘する我が子を見守りながら、イライラと焦りをグッとこらえているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してサボっているわけではなく、グラグラする自分の身体と闘いながら、一生懸命に指先を動かそうと頑張っている真っ最中なのです。
「うちの子の不器用さ、もしかして体幹や姿勢が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いをさせていただきます。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も下旬に入り、いよいよ子どもたちが待ちに待った夏休みがスタートしましたね!
おうちで過ごす時間が増え、夏休みの工作に取り組んだり、朝のお着替えをゆっくり見守ったりする中で、お母さんやお父さんからこんなお悩みをよく伺うようになります。
「お箸を正しく持てず、何度教えてもグー握りになってしまう」
「服のボタン留めがいつまで経ってもできず、イライラして癇癪を起こす」
「ハサミを使うと、紙をぐちゃぐちゃに破いてしまって線通りに切れない」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「手先の不器用さ(微細運動の苦手さ)」は、本当によくご相談を受けるテーマです。
「小学生になるのに、まだお箸が使えないなんて…」「もう少し集中して手元を見なさい!」
朝の忙しい時間帯にモタモタされると、つい手を出して着替えさせてしまい、「私の教え方が悪いのかな」「甘やかしすぎているのかな」と密かにご自身を責めてしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが手先の作業を苦手としているのは、決して「練習不足」だからでも、「不器用で大雑把な性格」だからでもありません。
これには、身体の根っこである「体幹(お腹や背中)」と「肩周りの筋肉」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、指先を器用に動かすことがそんなに難しいのか?
大人の目には「手先だけの問題」に見えますが、お子さまの身体の中では、以下のような姿勢の連鎖(メカニズム)が起きています。
① 木の根っこ(体幹)がグラグラだと、枝先(指先)は動かせない
理学療法のリハビリには、「近位(身体の中心)の安定が、遠位(手先・足先)の運動を引き出す」という大原則があります。
お箸やハサミ、ボタン留めといった繊細な指先の動きをするためには、まず「体幹(お腹や背中)」がどっしりと安定し、次に「肩・肘・手首」がしっかりと固定されている必要があります。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、生まれつき筋肉の張りが弱い(低緊張)子がいます。身体の中心(根っこ)がグラグラしている状態では、手先(枝先)を細かくコントロールすることなど到底できません。姿勢を保つだけで精一杯で、指先にまで回すエネルギーが残っていないのです。
② 肩や手首を「ガチガチに固めて」代償している
体幹が弱いお子さまは、なんとか指先を動かそうとして、無意識に「肩をすくめ、脇をギュッと締め、手首をガチガチに固めて」無理やり身体を安定させようとします(これを代償動作といいます)。
肩や腕全体に力が入ってしまっているため、お箸や鉛筆を握る力も異常に強くなり、すぐに手が疲れて「もうやだ!やらない!」と投げ出してしまうのです。
今日からおうちで即実践!手先の器用さを育てる実用アプローチ
「ちゃんとお箸を持ちなさい!」「もっと練習しなさい!」と手先だけの特訓をさせることは、グラグラの地盤に家を建てようとするのと同じで、お子さまの自己肯定感を下げるだけになってしまいます。
今日から、以下の3つのアプローチで「身体の根っこ」から育てていきましょう。
1. 手先の練習の前に「足裏をペタッ」とつける
食事中や工作中の椅子に座る姿勢を見直してください。足がブラブラ浮いていませんか?
足が浮いていると体幹は一瞬で崩れ、肩に余計な力が入ります。足元に台を置き、「足の裏全体がピタッと床につく環境」を作ってあげるだけで、骨盤が安定し、魔法のようにハサミや鉛筆が使いやすくなる子がたくさんいます。
2. 指先ではなく「肩と体幹」をダイナミックに使う遊びを
手先を器用にするための近道は、実は「全身運動(粗大運動)」です。
おうちの床で、四つん這いになって進む「クマさん歩き」や、お母さんが足を持って腕の力だけで進む「手押し車」をして遊んでみてください。これらは、肩甲骨周りと体幹の筋肉を同時に鍛えることができる最強のトレーニングです。肩周りが強くなると、驚くほど手先の力がスッと抜けるようになります。
3. 「失敗しない」遊びで指先の感覚(固有受容覚)を育てる
お箸やボタンなどの「正解・不正解がある練習」は一旦お休みし、遊びの中で指先を使わせます。
洗濯バサミをたくさん繋げて遊ぶ、トングを使って丸めたティッシュや小さなおもちゃをお皿に移し替える、新聞紙をビリビリに小さく破りまくる、などです。これらは指先の力の加減(固有受容覚)を遊びながら育むことができ、「できた!」という自信に繋がります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに体幹が育ち、手先も器用になっていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、これからの学習(字を書くこと)や日常生活に大きなストレスを抱えるため、専門的なアプローチが必要です。
鉛筆やスプーンを持つ手に力が入りすぎて、ガチガチに握りしめた結果、手が痛くなって泣いてしまう。
不器用さへのコンプレックスが強くなり、「どうせできないから」と、新しいおもちゃや工作に一切手を出そうとしない。
ボタンや靴下など、身の回りのことを自分でやるのを完全に諦め、常に親に「やって!」と強い癇癪を起こす。
このようなときは、どうかご家庭だけで特訓しようとせず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「机に向かって手先の練習」をするのではなく、ボルダリングやアスレチックで「自分の身体を支える力(体幹・肩周り)」を育てることから始めます。根っこがしっかり育てば、枝先である指先は自然と、そしてスムーズに動くようになるのです。
朝の忙しい時間に、ボタンと格闘する我が子を見守りながら、イライラと焦りをグッとこらえているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してサボっているわけではなく、グラグラする自分の身体と闘いながら、一生懸命に指先を動かそうと頑張っている真っ最中なのです。
「うちの子の不器用さ、もしかして体幹や姿勢が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いをさせていただきます。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範