こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
8月に入り、連日の危険なほどの猛暑により、涼しいおうちの中で過ごす時間が長くなっているご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな室内での生活の中で、ふとお子さまの姿が見えなくなり、探してみるとこんな場所にいて驚いた経験はありませんか?
「気がつくと、いつもダイニングテーブルの下や、ソファーと壁の狭い隙間にギューギューに挟まってじっとしている」
「大きな段ボール箱を見つけると、必ずその中に入って膝を抱えて丸まっている」
「押し入れやクローゼットなど、暗くて狭い場所に入り込み、出てこようとしない」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も、家具のわずかな隙間に挟まってよく寝落ちしていました…!)の中でも、この「狭いところ・暗いところに潜り込む」という行動は、本当によくご相談を受けるお悩みのひとつです。
「暗いところにいないで、広い場所で遊びなさい!」「なにか嫌なことでもあって、いじけているの?」
声をかけてもなかなか出てこない我が子を見て、「愛情不足で心を閉ざしているのかな…」「自閉的な傾向が強いんじゃないか」と、密かに不安を抱えてしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが狭くて暗い場所に潜り込むのは、決して「親の愛情不足で心を閉ざしている」わけでも、「いじけてふてくされている」わけでもありません。
これには、脳に流れ込む「感覚の波」と、筋肉や関節が求める「安心感」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、わざわざ「狭くて暗い場所」に挟まりたがるのか?
大人の目には「窮屈で奇妙な行動」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような「感覚からの避難」と「自己調整」が起きています。
① 情報過多な世界からのログアウト(視覚・聴覚の感覚過敏)
私たちの生きる日常空間は、テレビの音、外を走る車の音、蛍光灯の眩しい光、たくさんのカラフルなおもちゃなど、刺激(情報)に溢れています。
感覚の処理が苦手なお子さまの脳は、これらの刺激をブロックすることができず、常に情報の大洪水の中でパニック寸前まで疲労しています。そんな時、「暗くて、音が遮断された狭い空間」は、脳にとって余計な情報が入ってこない最高の『感覚の避難所(シェルター)』になります。自らシェルターに逃げ込み、パンクしそうな脳をクールダウン(自己調整)させているのです。
② 壁に挟まれる「強い圧」が心を安定させる(固有受容覚の探求)
ソファーの裏など「ギューギューに挟まる場所」を好む子に多い理由です。
以前の記事でも触れましたが、自分の身体の輪郭(ボディスキーマ)が曖昧なお子さまは、宙に浮いているような不安を抱えています。狭い空間に入って自分の身体のあちこちが壁にピッタリと触れ、強い圧迫(固有受容覚)を感じることで、「自分の身体がここにある!」と強く実感でき、強烈な安心感を得ているのです。お母さんのお腹の中にいた頃のような安心感とも言えます。
今日からおうちで即実践!「安心したい欲求」を満たすアプローチ
「出てきなさい!」と無理やり引っ張り出すことは、嵐の日にシェルターから外へ放り出されるのと同じで、お子さまのパニックや激しい癇癪を引き起こしてしまいます。
今日から、以下の3つのアプローチで「安全で安心できる基地」を作ってあげてください。
1. 怒られない「公式の隠れ家(センサリーテント)」を作る
狭い場所が必要なら、安全に落ち着ける専用の場所を提供してあげるのが一番です。
市販のキッズテントや、大きな段ボールに毛布をかけただけの「秘密基地」を部屋の隅に作ってあげてください。「疲れちゃったら、いつでもここに入って休んでいいからね」と公式の居場所にすることで、お子さまは安心して自己調整ができ、結果的に外(広い場所)で遊べる時間も長くなっていきます。
2. 挟まる代わりに「深い圧(ギューッ)」をかけてあげる
壁の隙間に挟まって圧を求めている子には、お母さんの手や道具で圧迫刺激(固有受容覚)を満たしてあげます。
お布団でお子さまをくるくると巻いて「海苔巻き〜!」と少し強めに圧をかけたり、大きめのビーズクッション(人をダメにするクッションなど)にダイブさせたりしてみてください。身体全体が包み込まれて強い圧を感じると、隙間に挟まらなくても脳が深く満足します。
3. リビングの「感覚のノイズ」を減らす(環境調整)
隠れたくなる原因である「部屋の刺激」自体を減らす工夫も大切です。
テレビを見ていない時はこまめに消す、おもちゃは出しっぱなしにせず布をかけて視界から隠す、夜は少し照明を落として間接照明にするなど、リビングを「脳が疲れにくい環境」に整えてあげるだけで、隠れ家に逃げ込む回数が自然と減ることも多いです。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感覚の処理が上手になり、少しずつ広い空間でも快適に過ごせるようになっていきますが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活や集団生活に大きな支障が出るため、専門的なアプローチが必要です。
1日のほとんどを隠れ家の中で過ごし、食事やトイレに誘っても絶対に出てこようとしない。
洗濯機の中や、高くて危険な棚の隙間など、命の危険がある場所に潜り込んでしまう。
幼稚園や保育園でも、常に机の下やロッカーの中に隠れてしまい、集団活動に一切参加できない。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、専用のセンサリールーム(刺激を調整した落ち着く空間)や、スイング(身体をすっぽり包み込む布製ブランコ)などを用いて、お子さまが安心感を得られる環境を整えています。安心できる土台を作った上で、少しずつ様々な感覚刺激に慣れていけるよう、丁寧にサポートしていきます。
狭い隙間から出てこない我が子を覗き込み、「どうして普通に遊んでくれないの」と不安なため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して心を閉ざしているわけではなく、自分自身の脳を守り、落ち着かせるための方法を一生懸命に見つけ出している真っ最中なのです。
「うちの子の狭いところ好き、もしかして感覚の自己調整なのかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまが安心して世界を広げていける方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
8月に入り、連日の危険なほどの猛暑により、涼しいおうちの中で過ごす時間が長くなっているご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな室内での生活の中で、ふとお子さまの姿が見えなくなり、探してみるとこんな場所にいて驚いた経験はありませんか?
「気がつくと、いつもダイニングテーブルの下や、ソファーと壁の狭い隙間にギューギューに挟まってじっとしている」
「大きな段ボール箱を見つけると、必ずその中に入って膝を抱えて丸まっている」
「押し入れやクローゼットなど、暗くて狭い場所に入り込み、出てこようとしない」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も、家具のわずかな隙間に挟まってよく寝落ちしていました…!)の中でも、この「狭いところ・暗いところに潜り込む」という行動は、本当によくご相談を受けるお悩みのひとつです。
「暗いところにいないで、広い場所で遊びなさい!」「なにか嫌なことでもあって、いじけているの?」
声をかけてもなかなか出てこない我が子を見て、「愛情不足で心を閉ざしているのかな…」「自閉的な傾向が強いんじゃないか」と、密かに不安を抱えてしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが狭くて暗い場所に潜り込むのは、決して「親の愛情不足で心を閉ざしている」わけでも、「いじけてふてくされている」わけでもありません。
これには、脳に流れ込む「感覚の波」と、筋肉や関節が求める「安心感」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、わざわざ「狭くて暗い場所」に挟まりたがるのか?
大人の目には「窮屈で奇妙な行動」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような「感覚からの避難」と「自己調整」が起きています。
① 情報過多な世界からのログアウト(視覚・聴覚の感覚過敏)
私たちの生きる日常空間は、テレビの音、外を走る車の音、蛍光灯の眩しい光、たくさんのカラフルなおもちゃなど、刺激(情報)に溢れています。
感覚の処理が苦手なお子さまの脳は、これらの刺激をブロックすることができず、常に情報の大洪水の中でパニック寸前まで疲労しています。そんな時、「暗くて、音が遮断された狭い空間」は、脳にとって余計な情報が入ってこない最高の『感覚の避難所(シェルター)』になります。自らシェルターに逃げ込み、パンクしそうな脳をクールダウン(自己調整)させているのです。
② 壁に挟まれる「強い圧」が心を安定させる(固有受容覚の探求)
ソファーの裏など「ギューギューに挟まる場所」を好む子に多い理由です。
以前の記事でも触れましたが、自分の身体の輪郭(ボディスキーマ)が曖昧なお子さまは、宙に浮いているような不安を抱えています。狭い空間に入って自分の身体のあちこちが壁にピッタリと触れ、強い圧迫(固有受容覚)を感じることで、「自分の身体がここにある!」と強く実感でき、強烈な安心感を得ているのです。お母さんのお腹の中にいた頃のような安心感とも言えます。
今日からおうちで即実践!「安心したい欲求」を満たすアプローチ
「出てきなさい!」と無理やり引っ張り出すことは、嵐の日にシェルターから外へ放り出されるのと同じで、お子さまのパニックや激しい癇癪を引き起こしてしまいます。
今日から、以下の3つのアプローチで「安全で安心できる基地」を作ってあげてください。
1. 怒られない「公式の隠れ家(センサリーテント)」を作る
狭い場所が必要なら、安全に落ち着ける専用の場所を提供してあげるのが一番です。
市販のキッズテントや、大きな段ボールに毛布をかけただけの「秘密基地」を部屋の隅に作ってあげてください。「疲れちゃったら、いつでもここに入って休んでいいからね」と公式の居場所にすることで、お子さまは安心して自己調整ができ、結果的に外(広い場所)で遊べる時間も長くなっていきます。
2. 挟まる代わりに「深い圧(ギューッ)」をかけてあげる
壁の隙間に挟まって圧を求めている子には、お母さんの手や道具で圧迫刺激(固有受容覚)を満たしてあげます。
お布団でお子さまをくるくると巻いて「海苔巻き〜!」と少し強めに圧をかけたり、大きめのビーズクッション(人をダメにするクッションなど)にダイブさせたりしてみてください。身体全体が包み込まれて強い圧を感じると、隙間に挟まらなくても脳が深く満足します。
3. リビングの「感覚のノイズ」を減らす(環境調整)
隠れたくなる原因である「部屋の刺激」自体を減らす工夫も大切です。
テレビを見ていない時はこまめに消す、おもちゃは出しっぱなしにせず布をかけて視界から隠す、夜は少し照明を落として間接照明にするなど、リビングを「脳が疲れにくい環境」に整えてあげるだけで、隠れ家に逃げ込む回数が自然と減ることも多いです。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感覚の処理が上手になり、少しずつ広い空間でも快適に過ごせるようになっていきますが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活や集団生活に大きな支障が出るため、専門的なアプローチが必要です。
1日のほとんどを隠れ家の中で過ごし、食事やトイレに誘っても絶対に出てこようとしない。
洗濯機の中や、高くて危険な棚の隙間など、命の危険がある場所に潜り込んでしまう。
幼稚園や保育園でも、常に机の下やロッカーの中に隠れてしまい、集団活動に一切参加できない。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、専用のセンサリールーム(刺激を調整した落ち着く空間)や、スイング(身体をすっぽり包み込む布製ブランコ)などを用いて、お子さまが安心感を得られる環境を整えています。安心できる土台を作った上で、少しずつ様々な感覚刺激に慣れていけるよう、丁寧にサポートしていきます。
狭い隙間から出てこない我が子を覗き込み、「どうして普通に遊んでくれないの」と不安なため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して心を閉ざしているわけではなく、自分自身の脳を守り、落ち着かせるための方法を一生懸命に見つけ出している真っ最中なのです。
「うちの子の狭いところ好き、もしかして感覚の自己調整なのかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまが安心して世界を広げていける方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範