こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
8月に入り、毎日うだるような厳しい暑さが続いていますね。夏休み中、お子さまと全力で遊び、お母さんやお父さんのHP(体力)も残りわずかとなった1日の終わり。そんな夜に待ち受ける「最大の試練」に、毎日ヘトヘトになっていませんか?
「『歯磨きするよ』とハブラシを持っただけで、口を一文字に固く閉ざして逃げ回る」
「膝の上にゴロンと寝かせようとすると、エビ反りになって大暴れする」
「泣き叫ぶ我が子の手足を押さえつけながら磨いていて、毎晩ご近所虐待を疑われないかヒヤヒヤする…」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「歯磨きへの激しい拒否」は、本当によくお聞きする切実なお悩みです。
「虫歯になったら痛い思いをするのはあなたでしょ!」「すぐ終わるから口を開けて!」
お子さまの歯を守りたい一心で必死になればなるほど激しく抵抗され、「どうして普通に磨かせてくれないの」「私のやり方が痛いのかな」と、寝顔を見ながらため息をついているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが歯磨きを激しく嫌がるのは、決して「親の言うことを聞かない反抗期」だからでも、「親の磨き方が下手」だからでもありません。
これには、お口の中の感覚センサーと、姿勢を保つための脳のメカニズムによる、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、そこまで激しく「歯磨き」を拒否するのか?
大人の目には「ただハブラシで優しくこすっているだけ」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷なパニック状態が起きています。
① ハブラシの毛先が「ワイヤーブラシ」に感じている(お口の触覚過敏)
私たちのお口の中(歯茎や舌、上あご)は、全身の中でも特に神経が密集している高感度センサーの塊です。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、この皮膚や粘膜のセンサーが過剰に反応してしまう子がいます。大人にとっては心地よいハブラシの刺激も、感覚過敏のお子さまの脳にとっては「硬いワイヤーブラシで歯茎を削られている!」あるいは「口の中で工事現場のドリルが鳴り響いている!」というほどの強烈な痛みと不快感に変換されてしまっているのです。痛くて不快なのですから、口を固く閉ざして身を守ろうとするのは当然の防衛本能です。
② 膝の上での「仰向け」が真っ逆さまに落ちる恐怖を生む(前庭覚の重力不安)
実はお口の過敏さだけでなく、「姿勢」が原因でパニックになっている子も非常に多いです。
歯磨きの際、お母さんの膝の上に「ゴロン」と仰向けに寝かせますよね。耳の奥にある揺れや傾きを感じるセンサー(前庭覚)が未熟なお子さまは、頭を後ろに倒して仰向けになる姿勢をとると、「崖から後ろ向きに真っ逆さまに突き落とされる!」という強烈な恐怖(重力不安)を感じます。姿勢が崩れる命の危機を感じながら、さらにお口に異物を入れられるため、パニックが大爆発してしまうのです。
今日から夜の習慣で即実践!苦痛を減らす実用アプローチ
「泣いても磨くしかない!」と力ずくで押さえつけることは、お子さまの歯磨きへのトラウマを強め、翌日のケアをさらに困難にする悪循環を生みます。
今日から、以下の3つのアプローチを試してみてください。
1. 「仰向け(ゴロン)」をやめて、座ったまま磨く
後ろに倒れる姿勢(重力不安)が怖い子には、無理に膝の上に寝かせないでください。
お子さまを椅子に座らせたまま、お母さんが後ろから抱え込むようにして磨くか、お互いに向かい合って座り、鏡を見ながら磨いてあげてください。「自分の足がお尻(床)についている」「視界が逆さまにならない」という安心感があるだけで、嘘のように大人しく口を開けてくれる子がたくさんいます。
2. 磨く前の「お口周りマッサージ」でアラームを解除する
いきなりハブラシを口に入れるのは絶対にNGです。
触覚の過敏さを和らげるには、少し強めの圧(固有受容覚)を入れるのが効果的です。歯磨きを始める前に、ほっぺたや唇の周りを、お母さんの手のひらで「ギュ〜ッ、ギュ〜ッ」と少し圧をかけながらマッサージしてあげてください。これでお口周りの警戒アラームが下がり、ハブラシの刺激を受け入れやすくなります。
3. 「カウントダウン」で終わりを可視化する
いつまで痛い(不快な)時間が続くか分からない恐怖は、パニックを倍増させます。
「上の歯、1から10まで数えたらおしまいね。いーち、にーい…」と、必ず見通しを立ててから磨いてください。途中で泣いてしまっても、カウントは止めずに最後まで数え切って「はい、おしまい!」とハブラシを口から出します。「10数えれば必ず終わる」という予測と信頼が、脳の恐怖心を大きく軽減してくれます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感覚が統合されれば歯磨き嫌いも和らいでいくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、虫歯の進行や親子関係に悪影響を及ぼすため、専門的なアプローチが必要です。
感覚過敏が強すぎて、ハブラシだけでなくスプーンやフォークが口に触れることも極端に嫌がり、食事に支障が出ている。
歯磨きのたびに激しく嘔吐(おうと)してしまい、物理的に磨くことができない日が続いている。
毎晩の歯磨きバトルで、お母さん自身が精神的に限界を迎え、お子さまと向き合うエネルギーが枯渇している。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやスイング(ブランコ)などの粗大運動を通して前庭覚(傾きへの耐性)を育てたり、遊びの中で様々な触覚刺激を楽しく体験したりすることで、身体の根っこから「過敏さ」を和らげていくアプローチを行っています。
毎晩、泣き叫ぶ我が子の口を必死にこじ開けながら、「早く寝かせて私も休みたいのに…」と限界を迎えているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してワガママで暴れているわけではなく、自分の脳に押し寄せる「恐怖や痛み」から、必死に身を守ろうとしているだけなのです。
「うちの子の歯磨き嫌い、感覚過敏や姿勢が原因かもしれない」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、少しでも穏やかな夜を過ごせる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
8月に入り、毎日うだるような厳しい暑さが続いていますね。夏休み中、お子さまと全力で遊び、お母さんやお父さんのHP(体力)も残りわずかとなった1日の終わり。そんな夜に待ち受ける「最大の試練」に、毎日ヘトヘトになっていませんか?
「『歯磨きするよ』とハブラシを持っただけで、口を一文字に固く閉ざして逃げ回る」
「膝の上にゴロンと寝かせようとすると、エビ反りになって大暴れする」
「泣き叫ぶ我が子の手足を押さえつけながら磨いていて、毎晩ご近所虐待を疑われないかヒヤヒヤする…」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「歯磨きへの激しい拒否」は、本当によくお聞きする切実なお悩みです。
「虫歯になったら痛い思いをするのはあなたでしょ!」「すぐ終わるから口を開けて!」
お子さまの歯を守りたい一心で必死になればなるほど激しく抵抗され、「どうして普通に磨かせてくれないの」「私のやり方が痛いのかな」と、寝顔を見ながらため息をついているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまが歯磨きを激しく嫌がるのは、決して「親の言うことを聞かない反抗期」だからでも、「親の磨き方が下手」だからでもありません。
これには、お口の中の感覚センサーと、姿勢を保つための脳のメカニズムによる、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、そこまで激しく「歯磨き」を拒否するのか?
大人の目には「ただハブラシで優しくこすっているだけ」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷なパニック状態が起きています。
① ハブラシの毛先が「ワイヤーブラシ」に感じている(お口の触覚過敏)
私たちのお口の中(歯茎や舌、上あご)は、全身の中でも特に神経が密集している高感度センサーの塊です。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、この皮膚や粘膜のセンサーが過剰に反応してしまう子がいます。大人にとっては心地よいハブラシの刺激も、感覚過敏のお子さまの脳にとっては「硬いワイヤーブラシで歯茎を削られている!」あるいは「口の中で工事現場のドリルが鳴り響いている!」というほどの強烈な痛みと不快感に変換されてしまっているのです。痛くて不快なのですから、口を固く閉ざして身を守ろうとするのは当然の防衛本能です。
② 膝の上での「仰向け」が真っ逆さまに落ちる恐怖を生む(前庭覚の重力不安)
実はお口の過敏さだけでなく、「姿勢」が原因でパニックになっている子も非常に多いです。
歯磨きの際、お母さんの膝の上に「ゴロン」と仰向けに寝かせますよね。耳の奥にある揺れや傾きを感じるセンサー(前庭覚)が未熟なお子さまは、頭を後ろに倒して仰向けになる姿勢をとると、「崖から後ろ向きに真っ逆さまに突き落とされる!」という強烈な恐怖(重力不安)を感じます。姿勢が崩れる命の危機を感じながら、さらにお口に異物を入れられるため、パニックが大爆発してしまうのです。
今日から夜の習慣で即実践!苦痛を減らす実用アプローチ
「泣いても磨くしかない!」と力ずくで押さえつけることは、お子さまの歯磨きへのトラウマを強め、翌日のケアをさらに困難にする悪循環を生みます。
今日から、以下の3つのアプローチを試してみてください。
1. 「仰向け(ゴロン)」をやめて、座ったまま磨く
後ろに倒れる姿勢(重力不安)が怖い子には、無理に膝の上に寝かせないでください。
お子さまを椅子に座らせたまま、お母さんが後ろから抱え込むようにして磨くか、お互いに向かい合って座り、鏡を見ながら磨いてあげてください。「自分の足がお尻(床)についている」「視界が逆さまにならない」という安心感があるだけで、嘘のように大人しく口を開けてくれる子がたくさんいます。
2. 磨く前の「お口周りマッサージ」でアラームを解除する
いきなりハブラシを口に入れるのは絶対にNGです。
触覚の過敏さを和らげるには、少し強めの圧(固有受容覚)を入れるのが効果的です。歯磨きを始める前に、ほっぺたや唇の周りを、お母さんの手のひらで「ギュ〜ッ、ギュ〜ッ」と少し圧をかけながらマッサージしてあげてください。これでお口周りの警戒アラームが下がり、ハブラシの刺激を受け入れやすくなります。
3. 「カウントダウン」で終わりを可視化する
いつまで痛い(不快な)時間が続くか分からない恐怖は、パニックを倍増させます。
「上の歯、1から10まで数えたらおしまいね。いーち、にーい…」と、必ず見通しを立ててから磨いてください。途中で泣いてしまっても、カウントは止めずに最後まで数え切って「はい、おしまい!」とハブラシを口から出します。「10数えれば必ず終わる」という予測と信頼が、脳の恐怖心を大きく軽減してくれます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感覚が統合されれば歯磨き嫌いも和らいでいくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、虫歯の進行や親子関係に悪影響を及ぼすため、専門的なアプローチが必要です。
感覚過敏が強すぎて、ハブラシだけでなくスプーンやフォークが口に触れることも極端に嫌がり、食事に支障が出ている。
歯磨きのたびに激しく嘔吐(おうと)してしまい、物理的に磨くことができない日が続いている。
毎晩の歯磨きバトルで、お母さん自身が精神的に限界を迎え、お子さまと向き合うエネルギーが枯渇している。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやスイング(ブランコ)などの粗大運動を通して前庭覚(傾きへの耐性)を育てたり、遊びの中で様々な触覚刺激を楽しく体験したりすることで、身体の根っこから「過敏さ」を和らげていくアプローチを行っています。
毎晩、泣き叫ぶ我が子の口を必死にこじ開けながら、「早く寝かせて私も休みたいのに…」と限界を迎えているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してワガママで暴れているわけではなく、自分の脳に押し寄せる「恐怖や痛み」から、必死に身を守ろうとしているだけなのです。
「うちの子の歯磨き嫌い、感覚過敏や姿勢が原因かもしれない」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、少しでも穏やかな夜を過ごせる方法を一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範