こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
8月も中旬に入り、お盆休みなどでご家族でおうち時間を過ごす機会も多いのではないでしょうか。
そんな室内遊びの中で、お子さまのこんな様子を見て「あれ?」と不思議に思ったことはありませんか?
「ミニカーやプラレールを、走らせて遊ぶのではなく、ひたすら一直線に綺麗に並べ続けている」
「色や形を完璧に揃えて並べており、親が掃除のために少しでも動かすと、この世の終わりのようにパニックになる」
「本来の遊び方(ごっこ遊びなど)を全くせず、ただ並べることだけに何時間も集中している」
日々の療育の現場でも、この「物を一直線に並べる(整列させる)」という行動についてのご相談は非常に多く寄せられます。
「普通に車を走らせて遊べばいいのに」「ちょっとズレただけでそんなに怒らなくても…」
せっかく買ったおもちゃを本来の遊び方で使わず、少しでも触れると激怒する我が子を見て、「もしかして自閉傾向があるのかな」「こだわりが強すぎて将来生きづらいのでは」と、密かに不安を抱えているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまがおもちゃを一直線に並べるのは、決して「親を困らせるワガママ」でも、「単なる神経質な性格」だからでもありません。
これには、脳が受け取る「情報処理の特性」と、視覚からの「安心感」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、ひたすら「綺麗に並べる」ことにこだわるのか?
大人の目には「不思議でこだわりの強い遊び」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような「安心感の構築」が行われています。
① 予測不能な世界の中で「確実な安心」を作っている(視覚的な秩序)
発達に凸凹のあるお子さま、特に感覚の処理が苦手なお子さまにとって、この世界は「いつ大きな音が鳴るか分からない」「人が急に動くかもしれない」という、予測不能でカオス(混沌)な空間です。
常に不安と隣り合わせの脳にとって、「自分の思い通りに、規則正しく、一定の法則で物が並んでいる状態」は、視覚的に最も予測しやすく、最高に安心できる精神安定剤になります。カオスな世界の中に、自分の手で「絶対に変わらない安全地帯」を作り出しているのです。
② 「同じであること」への強い欲求(同一性保持)
脳の情報処理が少しゆっくりなお子さまは、新しい変化や予期せぬ出来事(イレギュラー)に臨機応変に対応するのが苦手です。
そのため、「いつもと同じ順番」「いつもと同じ場所」であることに強く執着します。せっかく築き上げた「安心の世界(一直線のミニカー)」を、親が良かれと思って少しでも動かすことは、彼らにとって「安全な家を突然ハンマーで壊された」のと同じくらいの強烈な恐怖とショックを引き起こすのです。
今日からおうちで即実践!「並べる遊び」への実用アプローチ
「ちゃんと走らせて遊びなさい!」と無理に崩したり、並べることを禁止したりするのは、パニックを悪化させるだけで逆効果です。
今日から、以下の3つのアプローチで、お子さまの「安心の世界」を少しずつ広げてあげましょう。
1. 決して崩さず、まずは「そのまま認める」
並べる行動は、脳が安心するための「防衛反応」です。まずは「綺麗に並べられたね」「赤い車を集めたんだね」と、お子さまが作った世界をそのまま肯定してあげてください。自分の安心を親が認めてくれたという事実が、心の土台を強くします。
2. 隣で「平行遊び(パラレルプレイ)」をして少しだけ変化を加える
無理にごっこ遊びに巻き込むのではなく、お母さんも隣で別の車を並べてみてください。
「お母さんはこっちに並べるね〜」と同じ空間で同じ遊び(平行遊び)をしつつ、たまに「あ、車がカーブしまーす」と、少しだけ列の向きを変えてみます。お子さまが怒らなければ、「少しの変化なら大丈夫」という脳の成功体験になり、徐々に遊びの幅が広がっていきます。
3. 「ここまでなら並べてOK」の境界線(視覚的バリア)を作る
リビング中を占領されて生活に支障が出る場合は、視覚的なルールを作ります。
「今日はこの丸いラグマットの上で並べようね」「このテープの線の内側なら、どれだけ並べてもいいよ」と、物理的な枠組みを用意してあげてください。「ここなら絶対に崩されない」という安心感があれば、お子さまもそのルールの中で満足できるようになります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに少しずつ遊びの幅が広がり、見立て遊びやごっこ遊びへと変化していくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、専門的なアプローチが必要です。
並べることに執着するあまり、食事や睡眠、トイレなど生きていく上で必要な活動すら拒絶してしまう。
偶然おもちゃが倒れたり、兄弟が少し触れてしまったりしただけで、自分自身を激しく叩いたり壁に頭をぶつけたりする(自傷行為)。
親が声をかけても全く反応せず、何時間も独自の並べ方から抜け出せない状態が毎日続く。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、身体の根っこの感覚(固有受容覚や前庭覚)をダイナミックな運動で満たすアプローチを行っています。身体の感覚が十分に満たされ、自分自身への安心感(ボディスキーマ)が育つと、不思議と「物を並べて外側に安心を求める」必要がなくなり、自然と新しい遊びに目が向くようになるのです。
足の踏み場もないほど一直線に並べられたおもちゃを跨ぎながら、「どうやって遊んであげたらいいんだろう」と悩んでいるお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して心を閉ざしているわけではなく、自分なりの方法で、この世界に「安心」を作り出そうと一生懸命に頑張っている真っ最中なのです。
「うちの子の並べる行動、もしかして脳の安心感作りなのかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまの遊びの世界を少しずつ広げていくお手伝いをさせていただきます。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
8月も中旬に入り、お盆休みなどでご家族でおうち時間を過ごす機会も多いのではないでしょうか。
そんな室内遊びの中で、お子さまのこんな様子を見て「あれ?」と不思議に思ったことはありませんか?
「ミニカーやプラレールを、走らせて遊ぶのではなく、ひたすら一直線に綺麗に並べ続けている」
「色や形を完璧に揃えて並べており、親が掃除のために少しでも動かすと、この世の終わりのようにパニックになる」
「本来の遊び方(ごっこ遊びなど)を全くせず、ただ並べることだけに何時間も集中している」
日々の療育の現場でも、この「物を一直線に並べる(整列させる)」という行動についてのご相談は非常に多く寄せられます。
「普通に車を走らせて遊べばいいのに」「ちょっとズレただけでそんなに怒らなくても…」
せっかく買ったおもちゃを本来の遊び方で使わず、少しでも触れると激怒する我が子を見て、「もしかして自閉傾向があるのかな」「こだわりが強すぎて将来生きづらいのでは」と、密かに不安を抱えているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまがおもちゃを一直線に並べるのは、決して「親を困らせるワガママ」でも、「単なる神経質な性格」だからでもありません。
これには、脳が受け取る「情報処理の特性」と、視覚からの「安心感」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、ひたすら「綺麗に並べる」ことにこだわるのか?
大人の目には「不思議でこだわりの強い遊び」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような「安心感の構築」が行われています。
① 予測不能な世界の中で「確実な安心」を作っている(視覚的な秩序)
発達に凸凹のあるお子さま、特に感覚の処理が苦手なお子さまにとって、この世界は「いつ大きな音が鳴るか分からない」「人が急に動くかもしれない」という、予測不能でカオス(混沌)な空間です。
常に不安と隣り合わせの脳にとって、「自分の思い通りに、規則正しく、一定の法則で物が並んでいる状態」は、視覚的に最も予測しやすく、最高に安心できる精神安定剤になります。カオスな世界の中に、自分の手で「絶対に変わらない安全地帯」を作り出しているのです。
② 「同じであること」への強い欲求(同一性保持)
脳の情報処理が少しゆっくりなお子さまは、新しい変化や予期せぬ出来事(イレギュラー)に臨機応変に対応するのが苦手です。
そのため、「いつもと同じ順番」「いつもと同じ場所」であることに強く執着します。せっかく築き上げた「安心の世界(一直線のミニカー)」を、親が良かれと思って少しでも動かすことは、彼らにとって「安全な家を突然ハンマーで壊された」のと同じくらいの強烈な恐怖とショックを引き起こすのです。
今日からおうちで即実践!「並べる遊び」への実用アプローチ
「ちゃんと走らせて遊びなさい!」と無理に崩したり、並べることを禁止したりするのは、パニックを悪化させるだけで逆効果です。
今日から、以下の3つのアプローチで、お子さまの「安心の世界」を少しずつ広げてあげましょう。
1. 決して崩さず、まずは「そのまま認める」
並べる行動は、脳が安心するための「防衛反応」です。まずは「綺麗に並べられたね」「赤い車を集めたんだね」と、お子さまが作った世界をそのまま肯定してあげてください。自分の安心を親が認めてくれたという事実が、心の土台を強くします。
2. 隣で「平行遊び(パラレルプレイ)」をして少しだけ変化を加える
無理にごっこ遊びに巻き込むのではなく、お母さんも隣で別の車を並べてみてください。
「お母さんはこっちに並べるね〜」と同じ空間で同じ遊び(平行遊び)をしつつ、たまに「あ、車がカーブしまーす」と、少しだけ列の向きを変えてみます。お子さまが怒らなければ、「少しの変化なら大丈夫」という脳の成功体験になり、徐々に遊びの幅が広がっていきます。
3. 「ここまでなら並べてOK」の境界線(視覚的バリア)を作る
リビング中を占領されて生活に支障が出る場合は、視覚的なルールを作ります。
「今日はこの丸いラグマットの上で並べようね」「このテープの線の内側なら、どれだけ並べてもいいよ」と、物理的な枠組みを用意してあげてください。「ここなら絶対に崩されない」という安心感があれば、お子さまもそのルールの中で満足できるようになります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに少しずつ遊びの幅が広がり、見立て遊びやごっこ遊びへと変化していくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、専門的なアプローチが必要です。
並べることに執着するあまり、食事や睡眠、トイレなど生きていく上で必要な活動すら拒絶してしまう。
偶然おもちゃが倒れたり、兄弟が少し触れてしまったりしただけで、自分自身を激しく叩いたり壁に頭をぶつけたりする(自傷行為)。
親が声をかけても全く反応せず、何時間も独自の並べ方から抜け出せない状態が毎日続く。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、身体の根っこの感覚(固有受容覚や前庭覚)をダイナミックな運動で満たすアプローチを行っています。身体の感覚が十分に満たされ、自分自身への安心感(ボディスキーマ)が育つと、不思議と「物を並べて外側に安心を求める」必要がなくなり、自然と新しい遊びに目が向くようになるのです。
足の踏み場もないほど一直線に並べられたおもちゃを跨ぎながら、「どうやって遊んであげたらいいんだろう」と悩んでいるお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して心を閉ざしているわけではなく、自分なりの方法で、この世界に「安心」を作り出そうと一生懸命に頑張っている真っ最中なのです。
「うちの子の並べる行動、もしかして脳の安心感作りなのかな?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまの遊びの世界を少しずつ広げていくお手伝いをさせていただきます。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
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療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範