こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
10月も後半に入り、幼稚園や保育園、小学校などで「運動会」が無事に終わったご家庭も多いのではないでしょうか。子どもたちが一生懸命走る姿に成長を感じる一方で、ビデオカメラ越しに我が子のこんな姿を見て、密かに心を痛めていませんか?
「何もない平らな道で、自分の足にもつれてよく転ぶ。しかも手が出ずに顔から落ちる」
「走り方がロボットのようにカクカクしていて、手足がバラバラに動いているように見える」
「お遊戯や体操のダンスで、一人だけワンテンポ遅れたり、全く違う動きになったりする」
周りの同年代の子たちがスムーズに身体を動かしているのを見ると、「うちの子、極端に運動神経が悪いのかも」「私がもっと外遊びをさせて鍛えなきゃいけなかったのかな…」と、ご自身の育て方を責めてしまうお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と脳に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまがよく転んだり、動きが不器用だったりするのは、決して「親の運動不足のせい」でも、「なまけていて不注意」だからでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「運動・感覚」のつまずき(発達性協調運動障害:DCDの傾向など)と、脳内の『ボディイメージの未熟さ』という、お子さま自身もどうにもできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「2つのエラー」
私たち大人からすると「ただ前を見ていないから転ぶ」「運動が苦手なだけ」に見えますが、身体のコントロールに困難さを抱えるお子さまの脳内では、私たちが想像する以上に過酷なエラーが起きています。
自分の身体のサイズが分からない(ボディイメージの未熟さ)
私たちは無意識に「自分の腕はここまで伸びる」「足はこのくらい上がる」という身体の地図(ボディイメージ)を脳内に持っています。しかし、関節や筋肉のセンサー(固有受容覚といいます)が鈍いお子さまは、この地図がぼやけています。
大人で例えるなら、「車幅の全く分からない巨大なトラックを、細い路地で運転させられている」ような状態です。自分の足がどこにあるか正確に分からないため、自分の足同士がぶつかって転んでしまうのです。
「2つの動き」を同時にできない(協調運動の苦手さ)
走るという動作は、「腕を振る」と「足を交互に出す」という2つの動きを滑らかに繋ぎ合わせる『協調運動』です。ボールを蹴るのも「目でボールを見る」+「足を狙った場所に出す」という高度な連携が必要です。脳の回路がこの「動きの連携(協調)」を苦手としているため、手足がバラバラのロボットのようなぎこちない動きになってしまいます。
今日からできる!「身体の地図」を優しくクリアにする3つのヒント
「もっと足元を見て!」「ちゃんと手をついて転びなさい!」と注意したり、苦手な縄跳びや鉄棒を何十回もスパルタで特訓したりするのは絶対にやめてください。運動=辛い罰ゲームになり、自尊心がボロボロになってしまいます。今日からご家庭でも試せる、遊びながら身体の根っこを育てるアプローチをご紹介しますね。
1. 動く前に「関節ギュッギュッ」でセンサーを目覚めさせる
公園で遊ぶ前や運動の前に、お子さまの肩、肘、手首、股関節、膝、足首の関節を、お母さんの手で「ギュ〜ッ」と少し強めに圧迫(深圧覚の入力)してあげてください。「ここが手だよ」「ここが足だよ」と脳に強い刺激を送ることで、ぼやけていたボディイメージの輪郭が一時的にハッキリとし、転びにくくなります。
2. 「動物歩き」で楽しく体幹と協調運動を鍛える
理学療法士として一番おすすめなのが、四つ這いで進む「クマさん歩き」や、お尻をつけて手足で進む「クモさん歩き」です。手と足を同時に、かつ違う動きで連動させるため、脳の協調運動の最高のトレーニングになります。「クマさんで競争だ!」と遊びにすることで、楽しく自然に体幹も鍛えられます。
3. 「視覚の目印」で脳をサポートする(認知のサポート)
身体の感覚が鈍いなら、目で見て分かる情報(視覚)で補ってあげます。ケンケンパをする時はただの丸ではなく「足跡のマーク」を置く。ボールを蹴る時は「ボールの横に立つための印」をテープで貼る。視覚的な手がかりがあるだけで、ぎこちなかった動きが嘘のようにスムーズになることが多々あります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに少しずつ自分の身体の使い方のコツを掴んでいくことは多いです。しかし、「転ぶ時に全く手が出ず、顔や頭を直接地面にぶつけて大怪我をすることを繰り返している」「全身の不器用さが手先の不器用さにも直結しており、年齢が上がってもスプーンや箸、ハサミなどが全く使えない」「『どうせ僕は(私は)何をやってもダメだ』と極端に自信を失い、公園遊びや体育の授業を激しく拒絶する」といった場合は、自己肯定感に大きなダメージを与えてしまうため、どうかご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「運動・感覚」の土台からアプローチします。無理な反復練習ではなく、トランポリンやバランスストーンなどの楽しいアスレチックを通して、脳に様々な感覚をたっぷりと入力し、「自分の身体を思い通りに動かせる!」という自信と成功体験を根っこから育てるサポートを行っています。
「また転んで怪我をした…」と、生傷の絶えない我が子の膝に絆創膏を貼りながらため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決して不注意なわけではなく、ぼんやりとした身体の地図を頼りに、一生懸命自分の身体をコントロールしようと頑張っている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
10月も後半に入り、幼稚園や保育園、小学校などで「運動会」が無事に終わったご家庭も多いのではないでしょうか。子どもたちが一生懸命走る姿に成長を感じる一方で、ビデオカメラ越しに我が子のこんな姿を見て、密かに心を痛めていませんか?
「何もない平らな道で、自分の足にもつれてよく転ぶ。しかも手が出ずに顔から落ちる」
「走り方がロボットのようにカクカクしていて、手足がバラバラに動いているように見える」
「お遊戯や体操のダンスで、一人だけワンテンポ遅れたり、全く違う動きになったりする」
周りの同年代の子たちがスムーズに身体を動かしているのを見ると、「うちの子、極端に運動神経が悪いのかも」「私がもっと外遊びをさせて鍛えなきゃいけなかったのかな…」と、ご自身の育て方を責めてしまうお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と脳に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまがよく転んだり、動きが不器用だったりするのは、決して「親の運動不足のせい」でも、「なまけていて不注意」だからでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「運動・感覚」のつまずき(発達性協調運動障害:DCDの傾向など)と、脳内の『ボディイメージの未熟さ』という、お子さま自身もどうにもできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「2つのエラー」
私たち大人からすると「ただ前を見ていないから転ぶ」「運動が苦手なだけ」に見えますが、身体のコントロールに困難さを抱えるお子さまの脳内では、私たちが想像する以上に過酷なエラーが起きています。
自分の身体のサイズが分からない(ボディイメージの未熟さ)
私たちは無意識に「自分の腕はここまで伸びる」「足はこのくらい上がる」という身体の地図(ボディイメージ)を脳内に持っています。しかし、関節や筋肉のセンサー(固有受容覚といいます)が鈍いお子さまは、この地図がぼやけています。
大人で例えるなら、「車幅の全く分からない巨大なトラックを、細い路地で運転させられている」ような状態です。自分の足がどこにあるか正確に分からないため、自分の足同士がぶつかって転んでしまうのです。
「2つの動き」を同時にできない(協調運動の苦手さ)
走るという動作は、「腕を振る」と「足を交互に出す」という2つの動きを滑らかに繋ぎ合わせる『協調運動』です。ボールを蹴るのも「目でボールを見る」+「足を狙った場所に出す」という高度な連携が必要です。脳の回路がこの「動きの連携(協調)」を苦手としているため、手足がバラバラのロボットのようなぎこちない動きになってしまいます。
今日からできる!「身体の地図」を優しくクリアにする3つのヒント
「もっと足元を見て!」「ちゃんと手をついて転びなさい!」と注意したり、苦手な縄跳びや鉄棒を何十回もスパルタで特訓したりするのは絶対にやめてください。運動=辛い罰ゲームになり、自尊心がボロボロになってしまいます。今日からご家庭でも試せる、遊びながら身体の根っこを育てるアプローチをご紹介しますね。
1. 動く前に「関節ギュッギュッ」でセンサーを目覚めさせる
公園で遊ぶ前や運動の前に、お子さまの肩、肘、手首、股関節、膝、足首の関節を、お母さんの手で「ギュ〜ッ」と少し強めに圧迫(深圧覚の入力)してあげてください。「ここが手だよ」「ここが足だよ」と脳に強い刺激を送ることで、ぼやけていたボディイメージの輪郭が一時的にハッキリとし、転びにくくなります。
2. 「動物歩き」で楽しく体幹と協調運動を鍛える
理学療法士として一番おすすめなのが、四つ這いで進む「クマさん歩き」や、お尻をつけて手足で進む「クモさん歩き」です。手と足を同時に、かつ違う動きで連動させるため、脳の協調運動の最高のトレーニングになります。「クマさんで競争だ!」と遊びにすることで、楽しく自然に体幹も鍛えられます。
3. 「視覚の目印」で脳をサポートする(認知のサポート)
身体の感覚が鈍いなら、目で見て分かる情報(視覚)で補ってあげます。ケンケンパをする時はただの丸ではなく「足跡のマーク」を置く。ボールを蹴る時は「ボールの横に立つための印」をテープで貼る。視覚的な手がかりがあるだけで、ぎこちなかった動きが嘘のようにスムーズになることが多々あります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに少しずつ自分の身体の使い方のコツを掴んでいくことは多いです。しかし、「転ぶ時に全く手が出ず、顔や頭を直接地面にぶつけて大怪我をすることを繰り返している」「全身の不器用さが手先の不器用さにも直結しており、年齢が上がってもスプーンや箸、ハサミなどが全く使えない」「『どうせ僕は(私は)何をやってもダメだ』と極端に自信を失い、公園遊びや体育の授業を激しく拒絶する」といった場合は、自己肯定感に大きなダメージを与えてしまうため、どうかご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「運動・感覚」の土台からアプローチします。無理な反復練習ではなく、トランポリンやバランスストーンなどの楽しいアスレチックを通して、脳に様々な感覚をたっぷりと入力し、「自分の身体を思い通りに動かせる!」という自信と成功体験を根っこから育てるサポートを行っています。
「また転んで怪我をした…」と、生傷の絶えない我が子の膝に絆創膏を貼りながらため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決して不注意なわけではなく、ぼんやりとした身体の地図を頼りに、一生懸命自分の身体をコントロールしようと頑張っている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範