こんにちは!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
突然ですが、日常のちょっとした瞬間に、我が子が「バレリーナのようにつま先だけでトコトコ歩いている姿」を見かけたことはありませんか?
家の中で廊下を渡るとき。
嬉しいことがあってテンションが上がったとき。
あるいは、靴下を脱いだ瞬間に、なぜかつま先立ちになっている。
実は、日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(私も絶賛、試行錯誤の子育て中です!)の中でも、この「つま先歩き」は本当によく目にする光景です。
これ、最初は「おもしろい歩き方をしてるな」と微笑ましく見ていられても、毎日続くと心配になりますよね。
園の先生から「集団行動のときも、よくつま先立ちで歩いていますよ」なんて言われると、「足の骨がおかしいのかな?」「自閉症のサインってネットで見たけど、どうなんだろう…」と、夜な夜なスマホで検索しては不安を募らせてしまうお母さん、お父さんのお気持ち、本当に本当によく分かります。
「ちゃんと足の裏をペタッとつけて歩きなさい!」
そう何度も注意して、その瞬間は直るけれど、3歩歩いたらまたカカトが浮いている我が子を見て、ため息をついていませんか?
理学療法士として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まずこれだけは声を大にしてお伝えさせてください。
お子さまがつま先立ちをするのは、「ふざけている」わけでも「ただの頑固な癖」でもありません。
これには、脳の感覚処理と身体の骨格メカニズムによる、明確な医学的根拠が存在します。そのため、本人の意識や注意だけで直るものではないのです。
なぜ、カカトを浮かせて歩いてしまうのか?2つの医学的理由
大人の目には「おかしな歩き方」に見えますが、お子さまの脳と身体にとっては、「そうせざるを得ない、ちゃんとした理由」があります。
① 「足の裏の感覚」が過剰に響いている(感覚過敏)
発達に凸凹のあるお子さまは、足の裏の触覚(皮膚の感覚)が非常に敏感なケースがあります。
大人にとっては何でもない「フローリングの冷たさ」「絨毯のチクチク感」「靴下の中の縫い目」が、脳内では「痛い!」「不快で耐えられない!」という危険信号に変換されてしまっているのです。そのため、本能的に「足の裏の接地面積をできるだけ小さくして、不快な刺激から逃げよう」とした結果が、つま先立ちです。
② 脳の「揺れ・傾きを感じるセンサー」が未熟(前庭覚の低反応)
理学療法士として身体を分析するときに最も重視するのが、耳の奥にある「前庭覚(ぜんていかく)」というセンサーです。これは、自分の身体がどれくらい傾いているか、揺れているかを察知する大切な感覚です。
このセンサーの働きが少しゆっくりなお子さまは、カカトを地面につけて普通に歩くだけでは、「自分が今、どういう姿勢で立っているのか」の感覚(情報)が脳にうまく届きません。
そこで、あえてつま先立ちになり、ふくらはぎの筋肉をガチッと緊張させて関節を固定することで、脳に『今、ここに立っているよ!』と強い刺激を送って安心しようとしているのです。
今日からおうちで即実践!カカトをペタッと着けるための実用アプローチ
「カカトを着けなさい」と口頭で注意することは、脳のセンサーが過敏だったり未熟だったりするお子さまにとっては、「無理難題」を突きつけられているのと同じです。
叱るのを一度お休みして、今日からおうちで以下の3つのアプローチを試してみてください。
アプローチ1:ふくらはぎの「じわ〜っとマッサージ&ストレッチ」
つま先立ちが多い子は、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が常に緊張して硬くなっています。
お風呂上がりや寝る前に、お母さんやお父さんが優しく「じわ〜っ」とお餅を伸ばすように、足首を手前(すねの方向)に優しく曲げて、ふくらはぎをストレッチしてあげてください。また、ふくらはぎの筋肉を心地よく包み込むようにギュッギュッと圧迫してあげるのも効果的です。
皮膚をサワサワ擦るのではなく、筋肉を奥まで心地よく圧迫する刺激(固有受容覚)は、脳の警戒モードを解き、過敏さを和らげる効果がリハビリや療育の現場でも広く認められています。
アプローチ2:おうちの中で「あえて靴下や室内シューズを履く」
床の触覚過敏が原因の場合、思い切って裸足をやめてみましょう。
お子さまがお気に入りのキャラクターの靴下を履かせたり、底が柔らかい室内用のスリッパ・シューズを履かせてみてください。足の裏に直接入る環境の刺激を「遮断」してあげるだけで、嘘のようにカカトを着けて歩けるようになる子がたくさんいます。
アプローチ3:カカトを「ドン!」と刺激する遊び
脳に「カカトの存在」を教えてあげる遊びが効果的です。
お布団の上でジャンプする、高いところから着地するときに両足で「ドン!」と音を鳴らす、ペンギンの真似をしてカカトだけで歩くゲームをする。
こうしてカカトの骨(踵骨)にダイナミックな衝撃(固有受容覚)を入れてあげると、脳のセンサーが満足し、普段の歩行でも自然とカカトが地面に降りやすくなります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいタイミング
つま先歩き(医学的には「特発性つま先歩き」などと呼ばれます)は成長とともに自然と減っていくことも多いですが、以下のような状態が見られる場合は、骨格の変形(尖足:せんそく)や強い生きづらさに繋がる可能性があるため、専門的なアプローチが必要です。
立ち止まっているときや、寝ているとき(足の力を抜いているとき)でも、足首が硬くて手でカカトを上に曲げようとしても90度以上曲がらない。
つま先立ちで歩くせいで、頻繁にバランスを崩して転倒し、怪我を繰り返している。
「歩き方がおかしい」と周囲から指摘されることで、本人が歩くことやお出かけ自体を嫌がるようになってしまった。
このようなときは、ご家庭だけで悩まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでの取り組み
エコルドはぐみのおうちでは、私の理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「歩き方を直す訓練」ではなく、お子さまが楽しんで取り組める運動プログラムを提供しています。
例えば、傾斜のある坂道を登る、重い荷物を乗せたワゴンを力一杯押して進む、トランポリンで着地をコントロールする。
これらの遊びを通じて、ふくらはぎの筋肉を自然に伸ばし、脳の「前庭覚」や「固有受容覚」を正しいルートで満たしていきます。土台となる脳の感覚処理が整えば、身体への指令は自然と書き換えられ、カカトはしっかりと地面に着くようになっていきます。
焦らなくて大丈夫。一歩ずつ、足の裏で世界を感じていこう
我が子の歩き方が周りと少し違うだけで、お出かけするのも周りの目が気になって、心がすり減ってしまうお気持ち、本当によく分かります。私も親ですから、我が子の「えっ?」と思う行動に一喜一憂してしまう気持ちは全く同じです。
でも、お子さまは決してふざけているわけではなく、自分の脳と身体のバランスを保つために、今できる精一杯の歩き方をしているのです。
焦って無理やりカカトを押し付ける必要はありません。おうちでの小さな工夫と、私たちの専門的なアプローチを組み合わせながら、お子さまが「足の裏全体で地面を踏みしめる安心感」を、少しずつ育てていきましょう。
「うちの子の歩き方、ちょっと気になるな…」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、位置、そして同じ子育ての伴走者として、全力でお子さまと保護者様に寄り添わせていただきます。
ご相談、ご見学は随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいが
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
突然ですが、日常のちょっとした瞬間に、我が子が「バレリーナのようにつま先だけでトコトコ歩いている姿」を見かけたことはありませんか?
家の中で廊下を渡るとき。
嬉しいことがあってテンションが上がったとき。
あるいは、靴下を脱いだ瞬間に、なぜかつま先立ちになっている。
実は、日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(私も絶賛、試行錯誤の子育て中です!)の中でも、この「つま先歩き」は本当によく目にする光景です。
これ、最初は「おもしろい歩き方をしてるな」と微笑ましく見ていられても、毎日続くと心配になりますよね。
園の先生から「集団行動のときも、よくつま先立ちで歩いていますよ」なんて言われると、「足の骨がおかしいのかな?」「自閉症のサインってネットで見たけど、どうなんだろう…」と、夜な夜なスマホで検索しては不安を募らせてしまうお母さん、お父さんのお気持ち、本当に本当によく分かります。
「ちゃんと足の裏をペタッとつけて歩きなさい!」
そう何度も注意して、その瞬間は直るけれど、3歩歩いたらまたカカトが浮いている我が子を見て、ため息をついていませんか?
理学療法士として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まずこれだけは声を大にしてお伝えさせてください。
お子さまがつま先立ちをするのは、「ふざけている」わけでも「ただの頑固な癖」でもありません。
これには、脳の感覚処理と身体の骨格メカニズムによる、明確な医学的根拠が存在します。そのため、本人の意識や注意だけで直るものではないのです。
なぜ、カカトを浮かせて歩いてしまうのか?2つの医学的理由
大人の目には「おかしな歩き方」に見えますが、お子さまの脳と身体にとっては、「そうせざるを得ない、ちゃんとした理由」があります。
① 「足の裏の感覚」が過剰に響いている(感覚過敏)
発達に凸凹のあるお子さまは、足の裏の触覚(皮膚の感覚)が非常に敏感なケースがあります。
大人にとっては何でもない「フローリングの冷たさ」「絨毯のチクチク感」「靴下の中の縫い目」が、脳内では「痛い!」「不快で耐えられない!」という危険信号に変換されてしまっているのです。そのため、本能的に「足の裏の接地面積をできるだけ小さくして、不快な刺激から逃げよう」とした結果が、つま先立ちです。
② 脳の「揺れ・傾きを感じるセンサー」が未熟(前庭覚の低反応)
理学療法士として身体を分析するときに最も重視するのが、耳の奥にある「前庭覚(ぜんていかく)」というセンサーです。これは、自分の身体がどれくらい傾いているか、揺れているかを察知する大切な感覚です。
このセンサーの働きが少しゆっくりなお子さまは、カカトを地面につけて普通に歩くだけでは、「自分が今、どういう姿勢で立っているのか」の感覚(情報)が脳にうまく届きません。
そこで、あえてつま先立ちになり、ふくらはぎの筋肉をガチッと緊張させて関節を固定することで、脳に『今、ここに立っているよ!』と強い刺激を送って安心しようとしているのです。
今日からおうちで即実践!カカトをペタッと着けるための実用アプローチ
「カカトを着けなさい」と口頭で注意することは、脳のセンサーが過敏だったり未熟だったりするお子さまにとっては、「無理難題」を突きつけられているのと同じです。
叱るのを一度お休みして、今日からおうちで以下の3つのアプローチを試してみてください。
アプローチ1:ふくらはぎの「じわ〜っとマッサージ&ストレッチ」
つま先立ちが多い子は、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が常に緊張して硬くなっています。
お風呂上がりや寝る前に、お母さんやお父さんが優しく「じわ〜っ」とお餅を伸ばすように、足首を手前(すねの方向)に優しく曲げて、ふくらはぎをストレッチしてあげてください。また、ふくらはぎの筋肉を心地よく包み込むようにギュッギュッと圧迫してあげるのも効果的です。
皮膚をサワサワ擦るのではなく、筋肉を奥まで心地よく圧迫する刺激(固有受容覚)は、脳の警戒モードを解き、過敏さを和らげる効果がリハビリや療育の現場でも広く認められています。
アプローチ2:おうちの中で「あえて靴下や室内シューズを履く」
床の触覚過敏が原因の場合、思い切って裸足をやめてみましょう。
お子さまがお気に入りのキャラクターの靴下を履かせたり、底が柔らかい室内用のスリッパ・シューズを履かせてみてください。足の裏に直接入る環境の刺激を「遮断」してあげるだけで、嘘のようにカカトを着けて歩けるようになる子がたくさんいます。
アプローチ3:カカトを「ドン!」と刺激する遊び
脳に「カカトの存在」を教えてあげる遊びが効果的です。
お布団の上でジャンプする、高いところから着地するときに両足で「ドン!」と音を鳴らす、ペンギンの真似をしてカカトだけで歩くゲームをする。
こうしてカカトの骨(踵骨)にダイナミックな衝撃(固有受容覚)を入れてあげると、脳のセンサーが満足し、普段の歩行でも自然とカカトが地面に降りやすくなります。
専門家(療育)に相談を考えてほしいタイミング
つま先歩き(医学的には「特発性つま先歩き」などと呼ばれます)は成長とともに自然と減っていくことも多いですが、以下のような状態が見られる場合は、骨格の変形(尖足:せんそく)や強い生きづらさに繋がる可能性があるため、専門的なアプローチが必要です。
立ち止まっているときや、寝ているとき(足の力を抜いているとき)でも、足首が硬くて手でカカトを上に曲げようとしても90度以上曲がらない。
つま先立ちで歩くせいで、頻繁にバランスを崩して転倒し、怪我を繰り返している。
「歩き方がおかしい」と周囲から指摘されることで、本人が歩くことやお出かけ自体を嫌がるようになってしまった。
このようなときは、ご家庭だけで悩まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでの取り組み
エコルドはぐみのおうちでは、私の理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「歩き方を直す訓練」ではなく、お子さまが楽しんで取り組める運動プログラムを提供しています。
例えば、傾斜のある坂道を登る、重い荷物を乗せたワゴンを力一杯押して進む、トランポリンで着地をコントロールする。
これらの遊びを通じて、ふくらはぎの筋肉を自然に伸ばし、脳の「前庭覚」や「固有受容覚」を正しいルートで満たしていきます。土台となる脳の感覚処理が整えば、身体への指令は自然と書き換えられ、カカトはしっかりと地面に着くようになっていきます。
焦らなくて大丈夫。一歩ずつ、足の裏で世界を感じていこう
我が子の歩き方が周りと少し違うだけで、お出かけするのも周りの目が気になって、心がすり減ってしまうお気持ち、本当によく分かります。私も親ですから、我が子の「えっ?」と思う行動に一喜一憂してしまう気持ちは全く同じです。
でも、お子さまは決してふざけているわけではなく、自分の脳と身体のバランスを保つために、今できる精一杯の歩き方をしているのです。
焦って無理やりカカトを押し付ける必要はありません。おうちでの小さな工夫と、私たちの専門的なアプローチを組み合わせながら、お子さまが「足の裏全体で地面を踏みしめる安心感」を、少しずつ育てていきましょう。
「うちの子の歩き方、ちょっと気になるな…」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、位置、そして同じ子育ての伴走者として、全力でお子さまと保護者様に寄り添わせていただきます。
ご相談、ご見学は随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいが
理学療法士 内山 隆範