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脳内の「身体の地図」が未完成なだけかも?

こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。

6月も後半に入り、雨の日が多くなりましたね。おうちの中で過ごす時間が増えると、お子さまのちょっとした動きが目につくことはありませんか?

「何もない平らな床で、なぜかよくつまずいて転んでいる」
「ドアの枠や机の角に、いつも肩や頭をぶつけて青アザを作っている」
「コップを取ろうとして、距離感が掴めずに手を滑らせてお茶をこぼしてしまう」

日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(我が子も、気づけばすねに謎の青アザがたくさんあります!)の中でも、この「よく転ぶ・よくぶつかる」というお悩みは本当によく耳にします。

「もっと前を見て歩きなさい!」「落ち着いて動けばぶつからないでしょ!」

毎日ハラハラしながら注意し、お茶をこぼされるたびに床を拭きながらため息をつく。お母さん、お父さんの毎日のご苦労、本当によく分かります。「うちの子、ADHD(注意欠如・多動症)なのかな…」「目が悪いのかな…」と不安になってしまうこともありますよね。

でも、理学療法士として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。

お子さまがよく転んだりぶつかったりするのは、決して「不注意」や「落ち着きがない性格」のせいではありません。

これには、脳が自分の身体をどう認識しているかという、明確なエビデンスが存在します。いくら「気をつけなさい」と口頭で注意しても直らないのには、理由があるのです。

なぜ、何もないところで転んだり、物にぶつかったりするのか?

大人の目には「よそ見をしているからだ」と映りますが、お子さまの身体の中では、「自分の身体のサイズ感が分かっていない」という状態が起きています。

① 脳内の「身体の地図(身体図式:しんたいずしき)」が未完成

理学療法士が「よくぶつかる子」を見るとき、最も注目するのが「身体図式(ボディスキーマ)」という概念です。
私たちは無意識のうちに「自分の肩幅はこれくらい」「足の長さはこれくらい」という『自分自身の設計図(地図)』を脳内に持っています。だからこそ、狭い隙間もぶつからずに通り抜けられます。
しかし、発達に凸凹のあるお子さまは、この脳内の地図を描くのが少しゆっくりなことがあります。「自分の身体がどこからどこまであるのか」の境界線が曖昧なため、大きな車を運転し始めた初心者のように「車幅感覚」が掴めず、あちこちにぶつかってしまうのです。

② 「目」と「身体」のチームワークが追いついていない(協調運動の苦手さ)

コップを倒してしまうのは、目で見た情報(コップの位置)に対して、自分の手を「どのくらいのスピードで、どれくらい伸ばせばいいか」を計算する脳の処理(目と手の協応)が、まだスムーズに連携できていないためです。決して、わざと乱暴に扱っているわけではありません。

今日からおうちで即実践!身体の地図を育てる実用アプローチ

「前を見なさい!」と叱ることは、地図を持たない迷子のお子さまに対して「気合いで目的地に行きなさい!」と言っているのと同じで、根本的な解決にはなりません。

叱るのを一度お休みして、今日からおうちで以下のアプローチを試してみてください。

1. 身体の輪郭を教える「ギュッギュッ・マッサージ」
脳に「ここがあなたの手だよ、足だよ」と教えてあげるアプローチです。お風呂上がりなどに、お子さまの肩、肘、手首、腰、膝、足首などの「関節」を、お母さんの手のひらで少し圧をかけながら「ギュッ、ギュッ」と優しく握ってあげてください。
関節に心地よい圧(固有受容覚)を入れることで、脳に身体の境界線がくっきりとインプットされ、身体図式が育ちやすくなります。

2. トンネルくぐり・段ボール遊び
自分の身体のサイズ感を測るには、「狭いところを通る」遊びが一番です。
段ボールをつなげてトンネルを作ったり、椅子を並べて下をくぐらせたりしてみてください。「頭を下げないとぶつかるな」「肩をすぼめないと通れないな」という物理的なフィードバックを遊びの中で繰り返すことで、自然と車幅感覚が身についていきます。

3. 声かけは「前を見て」ではなく「具体的に」
「気をつけて」という抽象的な言葉はお子さまの脳に響きません。もし危ない場面があれば、「足元に赤いおもちゃがあるよ」「机の角を大きく回ろうね」と、具体的な目印や動きの指示を出してあげてください。

専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン

成長や様々な遊びの経験とともに身体図式は完成していきますが、以下のような状態が見られる場合は、怪我のリスクが高まるため専門的なアプローチが必要です。

毎日何度も転び、顔や頭など「手でかばえない場所」によく怪我をしている。
階段を上り下りする際、距離感が掴めずに極端に怖がったり、手すりがないと一歩も動けなかったりする。
よく転ぶため、外遊びや身体を動かすこと自体を嫌がるようになってしまった。

このようなときは、ご家庭だけで無理に運動させようとせず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンでのジャンプ、平均台でのバランス歩行、的当てゲームなどの粗大運動(全身運動)を通じて、脳のセンサーを満たしながら「自分の身体をコントロールする力」を無理なく育てていきます。

青アザだらけの我が子の足を見ると、「もっと気をつけてくれればいいのに」とため息が出たり、周囲の目が気になったりするお気持ち、本当によく分かります。
でも、お子さまは不注意なわけではなく、自分の身体のサイズ感を一生懸命に学んでいる真っ最中なのです。「うちの子、ちょっと不器用でよく転ぶな…」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添わせていただきます。

【求人のお知らせ】子どもたちの「できた!」を一緒に増やす仲間を募集しています!

そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいております。より多くの子どもたちに、今日お話ししたような「医学的・脳科学的エビデンスに基づいた専門的な療育」を届けるため、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではありません。身体の根っこからのアプローチを大切にしているため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。

保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の土台からのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。

「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの笑顔に変える場所がここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように変化に繋がるのか、その「生きた学び」をエコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと働ける日を楽しみにしています。求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。

ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
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理学療法士 内山 隆範
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