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「会話がかみ合わない」――語用の問題

◇「語用」って何?
 ことばには、大きく分けて三つの側面があります。発音・語彙・文法といった「ことばの形」、ことばの意味を理解する「ことばの内容」、そしてことばを実際のコミュニケーション場面でどう使うかという「語用(ごよう)」です。

 語用とは、相手・場面・目的に合わせてことばを適切に使いこなす力のことです。たとえば、初対面の人には丁寧に話す、冗談と本気を使い分ける、相手の表情や声のトーンからその場の雰囲気を読む、会話の順番を守る——こうした「当たり前」のやりとりの裏側には、実は高度な語用の力が働いています。

◇こんな場面で気づかれる
 話の順序が前後してうまく伝わらない、一方的に自分の話し続けてしまう、相手が話しているのに割り込んでしまう、冗談や皮肉を字義通りに受け取ってしまう、その場にそぐわない発言をしてしまう、質問に対してずれた答えを返してしまう場合、語用の問題が疑われます。

◇ASD・ADHD・知的障害と「誤解」されやすい
 ここで重要なのが、語用の問題は単独で存在することもあるという点です。ところが実際の現場では、ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD・知的障害といった発達障害の特性と見分けがつきにくく、「この子はASDだから仕方ない」「ADHDで衝動的なだけ」と解釈されてしまい、語用そのものへの専門的なアプローチが行われないままになっているケースが少なくありません。
 
◇語用は、言語聴覚士の領域
 語用の評価と支援は、言語聴覚士が担う重要な専門領域の一つです。評価では、自由な会話場面の観察・語用に特化した検査・保護者からの聴き取りを組み合わせて、どの場面でどのような困難が生じているかを丁寧に把握します。

 支援では、ロールプレイや場面設定を活用しながら、「相手の立場に立って話す」「会話の流れを意識する」といったスキルを実際のやりとりの中で少しずつ身につけていきます。机上の練習だけでなく、日常場面への般化(学んだスキルを実生活で使えるようにすること)を意識した関わりが重要です。

◇相模原市でことばの発達・コミュニケーション支援をお考えの方へ
 リングア(相模原市南区・相模大野)では、言語聴覚士への相談・施設見学を随時受け付けています。「語用の問題かどうか確かめたい」そんな方もお気軽にどうぞ。
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