同じクラスにいた、脳性まひの少年

私が通っていたアメリカの高校は、高校から単位制の形をとっていました。必修科目以外は、大学のように、自分の興味に合わせてカリキュラムを選択することができます。

私が高校3年間で選択したのは、発達心理学や教育など、「人の成長」に関わるものばかり。

自分がマイノリティーになった経験も大きくあったと思いますが、アメリカに転校してすぐの頃に出会った脳性まひの子も、私のキャリア選択において大きな影響を与えてくれました。

日本では、脳性まひなど、障害のある子どもたちは通常学級とは別の場所で学ぶことがほとんどかと思います。でも、アメリカでは、その脳性まひの少年も、私たちと同じクラスの中で、一緒に学んでいました。

その光景は当時の私にとってはとても新鮮で、「なんで今まで出会ったことがなかったんだろう?」と疑問を抱くようにもなったのです。

特別支援教育を勉強することに

そのような経緯から、次第に「教育」に関する関心が強まり、特別支援教育から、日本全体の教育を変えていきたい、と思うようになりました。

目標が決まってから、最先端の特別支援教育を学ぶために筑波大学を受験。今も筑波大学の大学院で研究を続けています。
「普通」ってなんだろう?子どもと関わるときに大切にしたい「インクルーシブ教育」という考え方の画像
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28174007150

インクルーシブ教育で得られるもの

最初にお伝えしたように、インクルーシブ教育とは、個々の多様性を尊重していくことを前提としています。

多様性のある環境の中で過ごすと、自分にとって何が大切で、どうやって生きていきたいのか?を日々探る機会が自然と増えていきます。

「自分は何をしている時が楽しいか?」
「自分は何がしたいのか?」
「自分にとって、何が大切か?」

そういった問いの積み重ねが、自分の個性を大切にしながら生きていくことにつながりますし、結果的に相手の個性を尊重することにも繋がります。

これは社会で生きていくときに、誰しもにとって重要な考え方だと思います。

私はインクルーシブ教育を広めていくことで、一人ひとりが自分の個性を大切にしながら幸せに生きていけると信じ、日々研究を続けています。
では、その子の個性を引き出すために、具体的にどうしたらいいのでしょうか?

次回のコラムでは、親御さんが子どもとの接し方を考える時に大切な視点について、お話ししていきたいと思います。
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