受給者証にデメリットはある? グレーゾーンの場合は?【体験談】

ここでは、実際に受給者証を取得した保護者の方の体験談を紹介します。受給者証の取得を悩んでいる方は参考としてご覧ください。

療育手帳、受給者証、3歳前の自閉スペクトラム症の息子に必要?

カタバミさんの息子のまちゃくんは2歳10ヶ月で自閉スペクトラム症(ASD)と診断を受けました。診断を受けた当初は制度についてあまり知らず、ぼんやりと「療育手帳というものがある」くらいに思っていたそうです。

その後まちゃくんは発達支援センターに通うことになり、そこで児童発達支援という支援があることを知り、利用するには通所受給者証というものが必要だということも教えてもらいました。同じころにほかの保護者から療育手帳の利点についても教えてもらい、通所受給者証と療育手帳両方の取得を決心したそうです。

カタバミさんはまずは療育手帳から取得することにして、発達検査を受けたところ知的障害(知的発達症)があることも分かり、ショックを受けたそうです。療育手帳や受給者証は制度面ではよいことも多いですが、取得する際には客観的な評価を受けることになり、結果を受け止めるのが大変な方もいるかもしれません。それが人によってはデメリットになるかもしれないため、いろいろな情報を集めたうえで決めるのが良いと話しています。
療育手帳、受給者証、3歳前の自閉症息子に必要?発達検査の結果は「軽度よりの中度」取得して感じた療育手帳の重みのタイトル画像

療育手帳、受給者証、3歳前の自閉症息子に必要?発達検査の結果は「軽度よりの中度」取得して感じた療育手帳の重み

発達障害娘、受給者証を申請! 放課後等デイサービス利用への道

SAKURAさんは娘さんが小学2年生になったあたりで、マンツーマンでの対応がスムーズにいかなくなったことで、放課後等デイサービスの利用を考え出しました。

最初は「自分が楽をしていいのか」という気持ちもあったそうですが、夫も背中を押してくれたことで利用を決意し、すぐに役場の窓口で娘が対象となるかを確認。その後は利用のための通所受給者証の申請を行いました。医師の診断書や職員の家庭訪問、面談などの手続きがあり、申請から3週間ほどで取得することができたとのことです。

通所受給者証の発行前に、利用希望の放課後等デイサービスの見学・体験にも参加。アットホームな場所で娘さんもすぐになじみ、ここなら楽しく学べるのではないかと思ったそうです。
受給者証を申請!親子で見学!放課後等デイ利用へ向けがんばる母に、娘がくれた言葉とは…?のタイトル画像

受給者証を申請!親子で見学!放課後等デイ利用へ向けがんばる母に、娘がくれた言葉とは…?

発達障害グレーゾーン4歳息子が療育を受けるまで

プクティさんは4歳になる息子さんの支援を検討していたところ、通所受給者証の取得が必要と分かりました。プクティさんの住んでいる地域では通所受給者証の発行には基本的に医師の診断書が必要でした。

当時の息子さんはまだ診断を受けておらず、いわゆるグレーゾーンでした。そのため、まずは検査をする必要がありましたが、専門医のいる病院に問い合わせたところ予約が数ヶ月取れないとのこと。

そこで、かかりつけの小児科で「支援が必要」という意見書を書いてもらい、それをもとに通所受給者証の申請を行うことができました。その数か月後に知能検査を受けることができ、発達が約2歳遅れているという結果を受け取りました。そのほかにもボディイメージの弱さや人より物への興味の強さなど、息子さんの傾向が分かったとのことです。
 4歳長男、療育までの道のりは遠い!?病院予約に受給者証申請、初めての知能検査…検査の様子と気になる結果はのタイトル画像

4歳長男、療育までの道のりは遠い!?病院予約に受給者証申請、初めての知能検査…検査の様子と気になる結果は

障害児施設給付制度とは

障害児施設給付制度は、児童福祉法に基づき、障害児通所給付費あるいは障害児入所給付費として国と自治体から利用料の9割が給付されることにより、自己負担1割でサービスを受けることができる制度です。負担額は世帯の所得によって異なる場合があります。

障害児通所支援

障害児通所支援は、児童福祉法第21条の5の2により、都道府県知事が指定する障害児通所支援事業あるいは指定発達支援医療機関を利用する者に対して、障害児通所給付費が給付されると定められています。

障害児入所支援

障害児入所支援は、児童福祉法第24条の2により都道府県知事が指定する障害児入所施設あるいは指定発達支援医療機関に入所などを行う者に対して、障害児入所給付費が給付されると定められています。
参考:児童福祉法|e-Gov 電子政府の窓口
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000164_20180402_429AC0000000069&openerCode=1#Z

利用者負担の軽減措置

それぞれの給付には次のような決まりがあり、利用者負担が軽減される措置が取られています。

■自己負担額は月額上限が定められている
利用料の9割は国や自治体が負担し、利用者の自己負担は1割です。さらに月ごとの利用者負担額には上限があり、その上限額を超えて自己負担をすることはありません。その上限額は前年度の所得によって4つの区分があります。

・生活保護受給世帯:0円
・市町村民税非課税世帯: 0円
・市町村民税課税世帯(収入がおおむね920万円以下の世帯): 通所施設、ホームヘルプ利用の場合4,600円、入所施設利用の場合9,300円
・上記以外(収入がおおむね920万円を超える世帯): 37,200円
参考:障害児の利用者負担|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan2.html
■多子軽減措置
さらに障害児通所支援に限り、多子軽減措置があります。多子軽減措置とは同一世帯に障害児通所支援を利用、または幼稚園などに通う就学前の子どもが2人以上いる場合に、第2子以降の利用者負担が軽減される制度です。

多子軽減措置が適用されると、以下の1~3を合計した金額と、通所受給者証に記載されている負担上限額を比べて低い金額を支払うことになります。

1.軽減対象外の児童・・・・・サービス総費用額の100分の10
2.第2子軽減対象児童・・・・・サービス総費用額の100分の5
3.第3子以降軽減対象児童・・・0円

多子軽減措置の適用を受けるためには、申請が必要になります。お住まいの市区町村の福祉窓口に相談しましょう。
参考:就学前の障害児通所支援利用児童に対する多子軽減措置|東大阪市
https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000027392.html
■さまざまな減免措置
・医療型入所施設や療養介護を利用する場合、医療費と食費の減免があります。20歳未満の入所者の場合は地域で子どもを養育する世帯と同程度の負担となるよう、負担限度額を設定し、限度額を上回る額について減免を行います(所得要件はありません)。

・福祉型入所施設を利用する場合、食費の減免があります。20歳未満の入所者の場合、地域で子どもを養育する費用(低所得世帯、一般1は5万円、一般2は7万9000円)と同様の負担となるように補足給付が行われます(所得要件はありません)。

・通所施設を利用する場合、食費の減免があります。障害児の通所施設については、低所得世帯と一般1は食費の負担が軽減されます。
低所得世帯は1,540円、一般1は5,060円、一般2(軽減なし)は14,300円となります。

くわしくは以下のリンクをご確認ください。
参考:障害児の利用者負担|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan2.html
参考:利用者負担の仕組みと改善策|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/hutan3.html
これらに加え、自治体により独自の助成制度がありますので、お問い合わせください。

まとめ

障害のある子どもへの支援として、事業所などに通う障害児通所支援と施設などに入所する障害児入所支援があります。どちらも利用するには「受給者証」が必要となり、それぞれ「通所受給者証」と「入所受給者証」と呼ばれています。
どちらの受給者証も申請して取得する必要があります。利用したい支援に合わせて申請を行うようにしましょう。また、どの支援を利用するか迷っている場合は、まずは市区町村の福祉相談窓口などに相談してみるといいでしょう。
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