授業中にぐらぐら揺れる…「常同行動」の理由を息子に聞いてみた

ライター:鈴木希望
授業中にぐらぐら揺れる…「常同行動」の理由を息子に聞いてみたのタイトル画像

学校が大好きな息子(ハル)は小学1年生。毎日楽しそうに学校に通っていますが、それでもストレスはあるようで…。そんな時、学校の先生と面談でお話しする機会がありました。そこで教えてもらったのは、息子の意外なストレス緩和方法でした。

先生から聞いた、息子なりのストレス緩和方法が…

アスペルガー症候群の息子(ハル)は現在小学1年生。先日、息子が通う小学校で、担任の先生との個人面談がありました。

先生曰く、「ハル君はストレスを感じる場面になると、体をぐるんぐるんと揺らし始めることがあります。」とのこと。

「ああ、常同行動が出ているのだなぁ」などと思いつつお話を伺っていました。

常同行動とは、不安やストレスを感じた時などに、落ち着くため無意識に行う行動なのだそうです。

さて、この常同行動への適切な対応方法ですが、調べてみたら下記のような記述がありました。
自閉症児には「常同行動」が見られます。
常同行動の例としては、手をひらひらさせる、身体を揺らす、顔をしかめる、手で何かを叩き続ける、奇声をあげる、などがあります。
出典:http://jihei.health-ask.net/ways-of-coping/stereotypy/
そもそもその常同行動が、危険だったり周りに迷惑をかけたりと、不利益になっているのかを考えてみましょう。
常同行動やこだわりで自分を落ち着けている場合、それを静止することで、ストレスが溜まってパニックを起こすこともあります。
出典:http://jihei.health-ask.net/ways-of-coping/stereotypy/
常同行動への対応(自閉症健康ガイド)
http://jihei.health-ask.net/ways-of-coping/stereotypy/
授業中にこうした行動が現れると、つい「まじめに聞いていない」「ふざけている」と受け取ってしまう先生もいるかもしれませんが、
担任の先生は「不利益がない場合、無理して止める必要はない」との旨、ご理解下さっています。

息子が常同行動を起こしたらストレスのサインと捉え、不快感は無いか、話が理解できずに困っていないか等、声がけしてくれるようで、おかげで息子は楽しい学校生活を送ることができています。

本当にストレス軽減のためだけ?息子に聞いてみた。

授業中にぐらぐら揺れる…「常同行動」の理由を息子に聞いてみたの画像
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28208001582
さて、常同行動はストレスを和らげたり落ち着いたりするためとわかりましたが、果たしてそれだけなのでしょうか?

息子は突然立ち上がり、くるくると回り始めることが時々あります。先日も回っていたので何のためにやっているのか質問してみました。

ハル「うーん、暇だから」(回りながら)

私「暇でもさ、あえてこれをやるのはどうしてかなあ?」

ハル「楽しいから。景色の見え方が変わって、体がふわふわするのが面白い(回りながら)…あとね」(止まる)

私「?」

ハル「止まってから、どれだけまっすぐ歩けるか、試すのも面白い」(歩きながら)

私「…すげえ、結構まっすぐ歩けるのねお前さん。っていうか何その訓練」

確かに暇というストレスを和らげるために始めたことかもしれません。

でも息子の話を聞くと、必要に迫られてやっているというよりは、楽しんで遊んでいるようにも思えました。

「こんなところまで似ていた!」私の母に言われて気付いたこと

また、息子を連れて私の実家に遊びに行ったときも、いきなりくるくる回り出したことがありました。

母「また回ってるね、ハル。目が回らないもんなのかね?」母が感心したように呟きました。

私「ああ、この前聞いたんだけどね、それも含めて楽しんでるんだって」

母「ノゾミも楽しかったの?」

私「へ?」

母「あんたもハルぐらいのとき、あんなふうにしょっちゅう回ってたよ」

私「そうなの!?」

指摘されるまですっかり忘れていましたが、私も過去に息子と同じ行動をしていたのです!

母「思い出した?で、どうだった?」

私「あー…うん、楽しかった気がする」

母の問いに曖昧に答えながらも、「こんなところまで似てしまうのか!やっぱり親子なんだなぁ」と笑ってしまった私。

そして、今私がくるくる回らないということは、いずれ息子も回らなくなるのかもしれません。

そう思うと期間限定の催しを見ているような、妙にありがたい気分になってきたのでした。
子どもの常同行動の理由と同じ行動を繰り返すときの対処法や相談先まとめ【専門家監修】のタイトル画像

子どもの常同行動の理由と同じ行動を繰り返すときの対処法や相談先まとめ【専門家監修】

その発想はなかった!ADHDな息子の「じっとする方法」が秀逸のタイトル画像

その発想はなかった!ADHDな息子の「じっとする方法」が秀逸

「障害者は公園へ行け」常同行動が問題行動に。地域で暮らす現実をつきつけられてのタイトル画像

「障害者は公園へ行け」常同行動が問題行動に。地域で暮らす現実をつきつけられて

どこでもピョンピョン、くるくる…小4まで続いた息子の常同行動。周りの視線を感じることもしばしばで…のタイトル画像

どこでもピョンピョン、くるくる…小4まで続いた息子の常同行動。周りの視線を感じることもしばしばで…


追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。