「わかりやすいこと」が成長につながる

この先生、実は音楽の先生です。この点も私にとっては意外でした。

小学校時代、音楽といえば息子が苦手な教科の1つでした。特に合唱は苦手で、毎回のように脱走!その様子から、この子は音楽に親しむことは無いだろうと思っていたのです。

しかし息子は、この先生が結成した合唱団に率先して入り、部活と掛け持ちしてまで、厳しい練習に参加しています。

先生からは音感の良さを評価され、見事パートリーダーを務めるまでになりました。小学校時代からは、とても考えられない変貌ぶりです。

それには理由がありました。

「小学校のとき、合唱は究極の雑音だった」とも話していた息子。そんな彼が「先生は、音が外れることを許さない。練習をしているうちに合唱は、雑音ではなくなっていった」と笑顔で話してくれました。

これは先生の、ブレずに首尾一貫した指導方針が、導いて下さったからだと理解し、感謝しています。

先生のわかりやすい伝達方法、コミュニケーションの方法が息子の感性と呼応して、良い結果が生まれました。

この成功体験は息子の成長のために、大変意味がありましたし、私自身も気付かされる部分の多い出来事でした。

雑音を減らすのは簡単じゃないけれど、できることはある

それでも、わかりやすく話すのはまだ難しく、残念ながら未だに私の小言の半分は雑音のようです。感情的にならず、少ない言葉で伝えればよいのですが、これがなかなか難しいのです。

私の話は時々「わかりにくい」と知ってから取組んでいるのは、感情のまま、言葉のシャワーで押しきろうとはせず、まずは親子でクールダウンを心がけることです。

落ち着いたら、こちらから素直に謝り、息子の中に、わだかまりが残らないようにしています。

ゆっくり話すと、大人側に「これは別にガミガミ言うほどのことじゃなかった」という気付きがあります。

冷静であれば、大切なことだけを端的に話す事ができますし、何よりも「この子は受信より発信が得意だった」と、こちらも聞く態勢へ、シフトする余裕が生まれます。

息子とのやり取りで、「聞き上手は話し上手」だと、私自身が気付かされました。

とはいえ親だって人間!

雑音を無くすことは難しいけれど、ひと手間かけて「わかりやすく」する工夫はできる。このひと手間、意外と親子の絆を深めてくれるかもしれませんよ。
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