3歳児健診を受けるまでの準備は?尿検査や視力検査はどうやるの?

事前に問診票に記入しておくほかに、3歳児健診では、尿検査キット、視力検査キット、聴力検査キットが事前に送付された場合、家庭で検査して、当日提出します

尿検査の準備

健診当日の朝の尿をとり、提出します。オムツが取れていない子どもや、トイレトレーニング中の子どもは尿が取りにくいかもしれません。かかりつけの小児科で尿検査をしてくれる場合がありますので、相談してみても良いかもしれません。

視力検査と聴力検査

視力検査は、一般的に、動物などの絵などが描かれている用紙を一定距離離れたところから当てるものです。この時片目ずつ行う必要があります。最近は、スポットビジョンスクリーナーを用いて検査する自治体や小児科もあります。

聴覚検査は、一般的に二つの方法があります。一つ目は、動物など絵が描かれている用紙を見ながら、子どもが少し離れたところからささやかれた動物の名前を指さして当てるものです。二つ目は子どもの耳元で手をこすり合わせ、音が聞こえるか確認するものです。

子どもに、検査するよと伝えるのではなく、「楽しいことするよ」、「ゲームするよ」などと声をかけると、子どもも楽しく検査に挑んでくれるかもしれません。また、保護者二人で片目を隠す係と、検査用紙を持つ係に分かれて検査をするとよりスムーズに行うことができます。

予防接種の確認

今まで受けた予防接種の母子手帳で確認をしておきましょう。定期接種、任意接種のものも含めて、以下は乳幼児が受ける予防接種の時期と種類の一覧です。
予防接種スケジュール|国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/schedule.html
3歳児健診では、特にヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、四種混合ワクチン、MRワクチン(定期接種)、水痘ワクチン、ムンプスワクチン(任意接種)について接種が完了しているかどうかを確認します。日本脳炎ワクチンは3歳より接種することができます。

持ち物

基本的には案内に書かれた物を持っていきます。

・母子手帳
・診査受診券(はがきなどの案内)
・保険証
・健診助成クーポンなど
・問診票
・視力検査、聴力検査の結果
・尿検査の尿
・筆記用具
・着替え
・オムツ
・おしりふき
・オムツ用ビニール袋
・歯ブラシ(指定された場合)
・診察券(個別健診の場合) など

事前に準備しておきたいこと

3歳児健診を経験した保護者の方のいろいろな経験談をもとに、事前に準備しておきたいことをご紹介します。
1. 寒さ対策にバスタオルを用意
バスタオルを持っていけばよかった。最後の医師の診察を待つ間、パンツ一枚で待つように言われたので。
出典:https://h-navi.jp/qa/questions/34921
2. 子どもが飽きないようにおもちゃを用意
待ち時間が長くなりがちで、ご機嫌悪くなるかと思いますし、場所見知り、人見知りもあるかと思います、お気に入りのおもちゃや絵本、落ち着けるお気に入りのものは必ずお持ち下さい
出典:https://h-navi.jp/qa/questions/34921
3. 事前に場所慣れして子どもの不安を軽くする
場所見知りで入れない時は、数ヶ月前から何度か足を運び徐々に慣れさせていくことが大事だと思います。
最初は入れなくても、建物をみせるだけ、その後玄関付近まで、それから一歩入ってみたり・・・こういう感じだと良いと思います。
出典:https://h-navi.jp/qa/questions/34921
長時間になることがあるので、飲み物を持っていくとよいでしょう。また、健診中オムツやパンツ一枚になっていることが多いので、寒い時期にはタオル以外にも、ブランケットなどの防寒具があると便利です。

3歳児健診当日の流れ

一般的な集団健診の3歳児健診について、その流れと診査内容を詳しく説明していきます。

受付

受付時間が決まっている場合と、健診を行っている時間ならいつ来てもよいという場合があります。

市区町村からあらかじめ送られてきた問診票、母子手帳、診査受診券と尿検査の尿を提出し、受付をします。問診票はあらかじめ記入しておきましょう。

問診

ここでは、問診票を使いながら、実際に保健師が子どもの発達を診ます。その後、保護者の相談にのってくれます。

保健師との問診では、肥満度などの体の成長から、運動能力、生活習慣について幅広く診られます。また3歳は、自我が芽生え始めて保護者や友達とのコミュニケーションや社会性を身につけ始めるころですから、対人関係での子どもの様子についても詳しく聞かれます。

それに加え、3歳は生活習慣を学び始める時期でもあります。家庭での睡眠時間、テレビや動画の視聴時間、食事の栄養バランス、衣服の着脱、癇癪やわがままへの対応の仕方、排泄のトレーニングなどさまざまな家庭での子どもの様子を聞かれます。

子どもの発達の様子は以下のような項目で診ます。
1. 言語発達
保健師は子どもとの会話の中で言語発達を確認します。
具体的に、 「お名前は?」「何歳?」などと聞きます。 また、クレヨンや鉛筆を用いて、「何色が好き?」「○色、ちょうだい」などの質問をとおして、概念を理解しているか確認します。
ここでは、会話が成立しているか、吃音の有無、発音の明瞭度なども確認します。

2. 微細運動の発達
先ほどの選んだ鉛筆やクレヨンを使って、保健師が描いた絵を真似して、「○を描いてみて」などと言われます。指先の細かい筋肉が使えているかを確認します。

また、保健師が詰んだ積み木と同じような形を、積み木を使ってつくるという診査もあります。これは微細運動の発達の確認だけでなく、物の形やつくり方を認識できているかということも診ています。

上記の項目が必ずできないといけないわけではありません。上記は、3歳の子どもの発達状態の目安の一例でしかありません。子どもの心や言葉の発達は、性格や生活環境により発達度合いに差があります。

また、家庭ではできているけど、その場でできなかった場合は、きっちりその旨を伝えましょう。家庭でできているかどうかも重要な判断材料です

歯科

歯科では主に、歯の状態と、歯磨きの習慣について診ます。

歯の状態は、乳歯が上下各10本ずつの萌出が完了しているか、虫歯がないかを確認します。歯磨きの習慣については、本人による歯磨き、保護者による歯磨きの仕上げが行われているかを診ます。

測定

身長、体重、頭囲を測定します。それをもとに、幼児の身長体重曲線を使い肥満度を確認します。3歳は、幼児体型から変化する時期でもあります。

診察

医師によって診察が行われます。視覚異常はないか、胸の音に異常はないか、皮膚や性器の状態、脚がX脚O脚になっていなかを触診と目視で医師が診ます。ここでは服やおむつを脱ぎます。受付の時点でおむつ一枚になってくださいと指示をだす自治体もあるので、冬場はおくるみやバスタオルなどを持参して寒さ対策をしておくと安心です。

指導

次のような指導がなされることが一般的です。

・栄養指導
・生活指導
・精神衛生
・事故防止
・予防接種
・疾病対策

3歳は、食生活、歯磨き習慣、睡眠時間、排泄の自立、遊びなど、健康的な基礎習慣が確立されてくる時期です。 その中で、その子にとって必要なことには、親が子どもに必要な手助けを適切な形で行えているかです。友達遊びができるといった、子どもが家庭外へも関心が向けられ、今後も社会性が発達しているかについてもアドバイスがある場合があります。

診査結果説明と相談

結果と共に母子手帳を返却されます。結果を受けて、保護者が気になっていることを相談できます。自治体によっては、相談を結果返却のときに行うことがあります。子どものことや、保護者自身のことなど、なんでも相談できます。

診査項目によっては、診査する側の目安として、異常なし、要観察、要紹介と判断が分かれています。
異常なし: 疾患の疑いがない
要観察: 診察や問診等で疾病の疑いがあり、保健機関で経過観察の必要があるもの。
要紹介: 診察や問診等で所見があり、医療機関等に紹介して診断や治療等を求める必要があるもの。

要観察の場合、観察期間、どのようなことに注意してその期間を過ごすかについて説明されます。要観察であっても、親子教室や、療育施設、臨床心理士への相談を紹介されることがあります。

要紹介となった場合は、子どもの必要に合わせて、適切に判断できる地域の医療機関や、臨床心理士を紹介されます。

これはあくまでも目安であり、子ども一人ひとりの状態や緊急性に合わせてその場の医師や保健師が判断することになります。

3歳児健診を受けたあと

今後の公的健康診断

3歳児健診を終えると、ほとんどの市区町村では、次の公的な健康診断は、就学時健康診断です。

しかし、市区町村によっては、4歳、5歳、6歳健診を行っているところもあります。お住まいの地域で確認してみてください。

再審査の場合

再診査とは、当日うまく測定できなかった項目を再度個別で診査することです。子どもの体調や、その日の気分などで泣いてしまってうまく測定できなかった場合や、判断するにはもう少し様子を診る必要がある場合などに再診査となるようです。

再診査と聞くと、保護者の方は不安になったりするかもしれませんが、疾患等の見落としをなくすための工夫として、重篤な状態でない場合でも念のために再診査をするという場合が多いです。ですので、あまり不安になり過ぎず、当日も気になることがあれば気軽に相談してみてください。

再診査のほとんどは、指定された日に個別で行われます。保健師、場合によっては医師や臨床心理士さんが診てくださり、より専門的な診断やアドバイスがなされます。

再診査でもうまく測定できない場合、再度診査をすることもあります。
次ページ「3歳児健診をきっかけに支援につながることも」

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