発達障害の二次障害としてのうつ病

ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害がある人は、うつ病が合併する確率が比較的高い傾向があります。そのときは、“人間不信的行動”という二次障害としてうつ病を発症する場合が多いです。
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人間不信的行動とは、自尊心・自己肯定感が低下して「自分はダメな人間かも知れない」と思うようになり、また、そんな自分のことを周りは誰も理解してくれないという気持ちから、周囲の人を信じられなくなったときに起こしてしまう行動のことを指します。

発達障害がある人は、自身が発達障害であることを認識していないケースも多く、周りから理解が得られていない場合も多いです。その結果、人間不信になり、身の回りの環境に対してストレスを感じてしまい、知らない間にうつ病を発症しているということも少なくないのです。
いじめ、二次障害の問題|学校保健
https://www.gakkohoken.jp/special/archives/222

うつ病の原因

うつ病の発症には、主に性格、ストレス、生物学的要因が大きく関与しているといわれています。かつてはうつ病は性格や遺伝の問題であるとされていました。しかし近年患者数が急増するとともに研究が進み、性格や遺伝の問題だけではないことが徐々にわかってきました。

近年ではストレスや生物学的要因がうつ病に深く関与していると言われていますが、まだはっきりと解明されたわけではなく、研究が進められている過程にあります。

性格:
主にきまじめな性格や、社交的な反面気が弱い性格の人がうつ病になりやすいと言われています。熱心に仕事に打ち込み、責任感が強くすべてのことに対して正直に取り組む人や、親しみやすくいい人として周囲からは見られるが、実は気が弱いために他者を優先させてしまう一面を持つ人が例として挙げられます。

性格がうつ病の原因となる理由として、きまじめな性格により身の回りに起こる出来事をより重く受け止めてしまう傾向があることが挙げられます。深く考えすぎてしまうために、その出来事がストレスとなったり、対処しきれなくなるまで抱え込んでしまうのです。

ストレス:
近親者の死亡、病気、家庭内のトラブル、出産、結婚・離婚、会社の人事異動や転勤、仕事上のトラブル、過労などさまざまなストレスがうつ病の発症の大きな誘因となっているという研究結果が出ています。

生物学的要因:
上記の性格やストレス要因が当てはまる人のなかで、うつ病を発症する人としない人の違いは、主に生物学的要因によると言われています。脳の中で重要な情報伝達の働きをしているセロトニンやドーパミンなどの異常が、うつ病の発症と深く関わっているのではないかという有力な説があります。

うつ病に関する相談先

うつ病かもしれないと思ったり、不安を感じる場合は専門機関などに相談することをお勧めします。

■精神福祉保健センター:
心の健康相談や医療機関への受診に関する相談、社会復帰相談や精神疾患の相談などを行っています。心の問題や病気で悩んでいる方そのや家族向けに無料で相談を受け付けているほか、電話にてこころの健康相談も行っています。
■保健所
うつ病の治療や社会復帰に関する相談に、医師などの専門医がアドバイスを行います。お住まいの地区の保健所へ電話し、場合によっては家庭訪問を行うこともあります。

■日本産業カウンセラー協会
働く人のホットラインという無料電話相談をおこなっています。相談料金は無料です。職場、暮らし、家族、将来設計など、働くうえでのさまざまな悩みなどを相談することができ有料のカウンセリングも受けることができます。
相談・カウンセリングをご希望の方へl 日本産業カウンセラー協会
https://www.counselor.or.jp/
■U2plus:
認知行動療法をベースにした無料のうつ病コミュニティです。
無料のうつ病コミュニティl U2plus
https://u2plus.jp/
■いのちの電話
自殺予防を目的として、日本いのちの電話連盟が運営しています。各都道府県ごと設置され、相談員が応対します。
一般社団法人 日本いのちの電話
https://www.inochinodenwa.org/soudan.php
またうつ病の診断の際には、主に精神科や精神神経科で受診が一般的です。また、心療内科やメンタルヘルス科、メンタルクリニックなどの医療機関でも受診することができます。よく分からない場合は事前に電話やインターネットなどで確認することをおすすめします。
次ページ「うつ病の診断・治療の流れ」

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