いじめへの対応に奔走した日々

このままではいけないと思った私は、色々なところに相談をしました。以前から通っていた療育センターや病院、スクールカウンセラーや特別支援コーディネーターの先生…。新たに発達障害専門の塾や家庭教師も探しました。

娘の障害の理解のために第三者にも立ち会って頂き、校長先生との話し合いもしました。
いじめへの対応と環境改善の具体例を示すため、それまで学校との連携がなかった療育センターのスタッフさんに学校訪問もしてもらいました。

娘自身も専門家によるSST(ソーシャルスキルトレーニング)を受け始めました。SSTでは、

●イライラした原因やその後どうしたかを書き留める
●言葉で表現できない気持ちを絵で表現する
●スポーツで体を動かす

など感情のコントロールの方法やストレスの発散方法を学びました。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは、人が社会で生きていくうえで必要な技術を習得するための訓練のことです。
出典:https://h-navi.jp/column/article/35025905

それでも辛そうな娘の様子を見て、医師から処方されたのが「お薬」だった

発達障害児への「投薬」どう決断する?イライラに苦しむ娘をみて考えたことの画像
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161000161
学校の環境は徐々に改善されていきましたが、いじめや冷やかしが陰で行われることもあり、家での娘のイライラはまだ続いていました。

しばらくして、娘の状況を知った担当医から、ごく少量のお薬が娘に処方されました。
「好きで暴れている訳ではない。自分でも嫌だ。でも抑えられない。」そう訴える、娘の辛い気持ちを汲んでの処方でした。

「何よりも環境を整えることが大切です。お薬はとても少量の処方です。幼児が飲む量ですよ。」
処方の際、私達親子は医師からこう説明を受けました。

娘はその薬を「イライラ止めのお薬」と呼んで、毎日服用しました。
その後も、娘が少しでもストレスなく過ごせるよう、私はスケジュールボードを利用したり、不要なものに目隠しをしたりするなど、環境作りを積極的に行ってきました。

娘を理解し、寄り添ってくれる指導者に出会ったこともあり、彼女のイライラは徐々に減っていき、お薬は10ケ月で服用を終えたのでした。

使ってみて気づいた、お薬との付き合い方

一口にお薬と言っても種類、飲む量、飲み方(頓服など)様々あります。

また、発達障害で処方されるお薬には、種類や人によって「合う」「合わない」があるかと思います。
副作用で眠くなったり、食欲が落ちたり、逆に過食気味になることもあるかもしれません。

でも、服薬することで本人や家族の困り感が減り生活の質が向上するのであれば、そのメリットはとても大きいと私は考えます。
合う薬に出会うまでは様々なSSTを試すのと同様で、医師の指導の下、あきらめずに探すのも1つだと思います。

子どもが大きくなると、服用したときの調子の良さ・悪さが本人にもわかってきます。

親亡き後のことも考えると、本人の意思を尊重した病院との付き合い方を考えていくことも、きっと大切になってくるでしょう。
また、成長と共に合う薬の種類が変わったり、適量が変わったりすることもあるでしょう。

どれも「成長の証」と考え、その時々で臨機応変に対応する柔軟さも、親には必要なのだと思います。
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