特別支援教育就学奨励費とは?支援の対象、支給額、申請方法についてまとめました

2016/12/21 更新
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障害のあるお子さんがいる家庭では、病院や療育費など何かとお金がかかってしまうことがありますよね。そんな家庭をサポートしてくれるのがこの特別支援教育就学奨励費です。ご家庭の収入に合わせて、学習に必要な費用を支給してくれます。入学時に必要なものにも支援対象となるものがあるので、ぜひご確認ください!

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目次

特別支援教育就学奨励費とは?

特別支援教育就学奨励費とは、お子さんが特別支援学校や特別支援学級などに通っている場合に、学校で使う勉強道具から通学費、給食費などに必要な費用の一部を、国や地方自治体が補ってくれるというサービスです。

文部科学省ではこの制度を以下のように定義しています。

障害のある幼児児童生徒が特別支援学校や小学校・中学校の特別支援学級などで学ぶ際に、保護者が負担する教育関係経費について、家庭の経済状況などに応じ、国及び地方公共団体が補助する仕組みです。なお、平成25年度より、通常の学級で学ぶ児童生徒(学校教育法施行令第22条の3に定める障害の程度に該当)についても補助対象に拡充しています。

出典:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/012.htm
つまり義務教育において、障害のあるお子さんを持つ保護者の方の負担が軽くなるよう、国や地方公共団体が経済的な補助をしていこうと考えられたのがこの制度なのです。

特別支援学校や特別支援学級に在籍しているお子さんだけでなく、普通の学級で学んでいるお子さんでも障害の程度によっては支援が受けられるということですが、具体的にはどのような子ども、家庭が対象となっているのでしょうか?
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特別支援教育就学奨励費の支援対象となる人

上記の文部科学省の規定によると、この事業の対象となるのは以下の2つのどちらかに当てはまる子どもとなっています。なお通っている学校が私立でも公立でも、この制度を利用することが可能です。

1.特別支援学校、特別支援学級に通っている
2.サービスを提供する市町村にある小学校または中学校に在学しており、学校教育法施行令第22条の3に定める障害の程度に当てはまる障害がある

学校教育法施行令が定める障害の程度については、以下のページから見ることが可能です。
ただし上の条件に当てはまっていても、生活保護や要保護児童生徒援助費補助金などを受けている場合は対象外となります。

なお自治体によっては、通常学級に通われるお子さんへの支援を認めるために事前に教育相談をする必要がある場合もあります。
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特別支援教育就学奨励費ではどんな支援が受けられるの?

では、この制度では何に対しての費用が補助対象となるのでしょうか?文部科学省の取り決めによると、下のようなものが対象として挙げられています。

対象とする経費は、通学費、給食費、教科書費、学用品費、修学旅行費、寄宿舎日用品費、寝具費、寄宿舎からの帰省費などがあります。

出典:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/012.htm
この中には入学時に必要なランドセルや制服なども含まれています。

実際に支給を受けられるのは小・中学在学中ですが、入学前に購入したものも含まれるので、申請する場合を考えてレシートや領収書を取っておくと良いでしょう。

特別支援教育就学奨励費の支給額ってどのくらい?

実際の支給額は、保護者の経済的な負担の重さによって異なります。負担が大きいほどより多くの補助を受けられるシステムになっているのです。今回は東京都の場合を例にとってご説明します。

東京都では保護者の収入額に応じて支弁区分というものが定められています。支弁とは支給されるものが金銭であるときに使われる言葉であり、支弁区分とは、支給の程度を定めるために振り分けられる段階のようなものです。支弁区分は子どもが施設等に入所している場合を除いて3つに分けられ、それぞれに応じて補助の割合が決まっています。

支弁区分に応じた補助の割合は、下のようになっています。
第1段階(収入額が生活保護基準の1.5倍未満)→全額補助
第2段階(収入額が生活保護基準の1.5倍から2.5倍)→半額補助
第3段階(収入額が生活保護基準の2.5倍以上)→補助なし

自治体によっては3段階でも半額になるものがあるなど、補助の程度はさまざまです。

ではこの1~3段階の収入額は、具体的にはどのように定められているのでしょうか。東京都では、下のような額を目安として世帯の状況が判断されています。
特別支援教育就学奨励費の目安
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※ここでの「収入」とは、前年1年間(平成27年1月1日から同年12月31日まで)の世帯全員の総所得金額(給与所得のみの場合は給与所得控除後の額)を合計した額のことを差します。

特別支援教育就学奨励費の申請方法

特別支援教育就学奨励費の支給方法

毎年春頃になると、学校からこの奨励費に関する案内がきます。受け取った案内に従い、必要な書類を学校指定の期限までにご提出ください。

東京都では、必要な書類が以下の4つとなっています。ただし段階の程度や受給の有無によっても、必要な書類が変わってきます。購入した際のレシートや領収書がある場合は添付します。

1.就学奨励費受給調書 - 就学奨励費の受給申請に必要な書類です。
2.交通調書 - 交通費又は帰省費の受給申請に必要な書類です。
3.支払金口座振替依頼書(新規・変更用) - 就学奨励費の振込支給に必要な書類です。
4.住民税関係書類 - 「課税(非課税)証明書」

引用:就学奨励事業のお知らせ|東京都教育委員会

出典:https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/consulting/window/special_needs_con...
東京都では、奨励費を支給する際に「金銭支給」と「現物支給」の2つの方法を取っています。「金銭支給」とは、実際に必要となる費用を口座振り込みや現金によって支給してもらうというものです。

一方で「現物支給」とは、直接必要な額を受け取るのではなく、本当であればかかる費用を、代わりに負担してもらうというものです。たとえば、給食費を学校から納付してもらったり、修学旅行にかかる費用を学校から業者に支払ってもらったりするというのがこの現物支給です。

まとめ

今回は基本的に東京都の例を挙げながらご説明しましたが、この制度の詳細は地方自治体によって大きく異なります。ご利用を考えている際は、ぜひお住まいの地方自治体や、在学している、またはする予定の学校にお問い合わせください。

障害があると、通院や薬だけでなく療育などいろいろな場面でお金がかかりますよね。また発達障害のあるお子さんをお持ちの方には、お子さんがすぐに物をなくしたり壊したりしてしまうということから、経済的な負担を感じている方もいるかもしれません。

この特別教育就業支援奨励費は、そんな経済的な負担を少しでも軽くするために支援してくれるサービスです。今お子さんが学校に通っているという方も、来年度から学校に通い始めるという方も、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
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