てんかんの診断方法は?

てんかんの診断方法は主に問診と検査の結果によって診断されます。

検査も大事ですが、もっとも重視するのは問診です。発作がどのようなものだったのかによって、てんかんの分類が決まってきます。てんかんの治療を行うためには、てんかんの原因とどの発作型なのかを把握し、それぞれの発作症状に見合った治療を行います。発作が起こった際には不謹慎だとは思わずに冷静になって動画を撮影するなど、よく観察することが重要です。

■問診による診断
問診では次のようなことを中心に本人または保護者へ聞き取りを行います。

【問診の主な内容】
・発作時の詳細な様子
・発達面の問題はあるか
・てんかんの家族がいるか
・頭に大きなケガをしたことはあるか
・熱性けいれんを起こしたことはあるか
・脳梗塞など、脳の病気をはじめ、治療中の病気はあるか などその他にも様々なことを問診によって聞き取ります。

■検査
主に脳波測定や脳画像検査の結果が診断の根拠となります。てんかんに特化した「長時間ビデオ脳波モニタリング検査」があります。脳波の計測に1日~数日間をかけて測定し続け、同時にそのときの様子をビデオに録画しておきます。脳波と映像を解析して症状と原因を見極めていきます。なお、てんかんの診断は次のような手順で行われています。
てんかんとは?原因や発作の種類、発達障害との関係や支援制度について紹介します!【医師監修】の画像
てんかんの診断方法
Upload By 医師・専門家監修|発達障害・支援のキホン
参考:脳波検査|独立行政法人国立病院ん機構 静岡てんかん・神経医療センター
https://shizuokamind.hosp.go.jp/services/test-department/electroencephalography/
参考:てんかん診療ガイドライン2010|日本神経学会
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/epgl/sinkei_epgl_2010_02.pdf
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てんかんかも…?と思ったら

てんかんの大発作が初めて起こった際に、驚いて救急車を呼ぶ方は多いと思います。一方で小さな部分発作や、会話の途中にぼんやりとしてしまうなどの症状がある場合「もしかして、てんかん?」と思うことがあっても、数分でもとに戻ることから日常生活にさほど支障を感じないことがあります。

しかしてんかん発作を放置してしまうと、冒頭で述べたような大きな事故に繋がりかねません。できるだけ早期からそういったリスクを避けるため、医療機関を受診するようにしましょう。

◆乳幼児から中学生
・小児科

◆中学校卒業後
・神経内科
・脳神経外科
・精神科 を受診してください。

なお、次のリンクはてんかん専門の受診機関を示したリストになりますので、受診する際の参考にしてみてください。
参考:各地のてんかんセンター|全国てんかんセンター協議会HP
https://epilepsycenter.jp/aisatsu/list/
参考:てんかん診療ネットワーク||全国てんかんセンター協議会HP
https://www.ecn-japan.com/

てんかんのさまざまな治療方法

てんかんの治療は主に薬物療法によって行われています。そのほかにもホルモン療法や手術などの治療法がありますが発作の種類によって使用する薬の種類や治療法も異なりますので、医師の指示に従って治療を進めてください。

抗てんかん薬による薬物療法

医師による診断・指導のもとに、抗てんかん薬を用いた薬物療法を行います。服薬を続ける中で、抗てんかん薬の使用量の調整を行い、その人にとって適性な薬の量にしていきます。抗てんかん薬治療は原則薬を飲み続けなくてはいけません。ただし症状の改善などがみられた場合には治療をやめることができます。
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ホルモン療法

ウエスト症候群への代表的な治療法の一つで、ACTH療法(副腎皮質刺激ホルモン)といわれています。ACTHとは、脳下垂体から生理的に分泌されるホルモンで、副腎に作用して副腎皮質ステロイドホルモンの分泌を促す動きがあります。ウエスト症候群の治療では、40~80%の発作が抑制されると報告されています。
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手術

外科療法が可能なてんかんであれば手術によって治すことができます。てんかんの原因がはっきりしている脳の病変部を切除することによって、てんかん発作を改善することができます。

食事療法

薬をつかっても発作が抑えられないときや、副作用が強いときがあります。その場合は食事療法としてケトン食療法を用いることがあります。

ケトン食療法とは体内にケトン体を増やすために、脂肪が多く、炭水化物が少ない食事を摂る治療法です。日本ではあまり普及していませんが、アメリカや韓国では治療が難しいてんかんがある患者さんに対しての治療法として利用されています。
参考:てんかんと食事療法|日本小児神経学会
https://www.childneuro.jp/modules/general/index.php?content_id=20
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てんかんと間違われやすい疾患って?てんかんの原因って?

てんかんと症状が似ている疾患がいくつか存在します。ここではてんかんと間違われやすいと言われているいくつかの疾患を紹介します。

■てんかんと熱性けいれん
熱性けいれんとは38℃以上の発熱に伴って、意識を失い全身がけいれんすることを指します。小児期にみられる一般的な発作性疾患のひとつです。

生後6ヶ月~5歳の乳幼児期に発症し、発熱から24時間以内にだいたい1~3分間のけいれんが起こります。けいれんは一過性のものであることが多いですが、乳幼児期には発熱の度にけいれんを起こす場合もあります。一方で、てんかんの中には発熱によって発作が引き起こされるものもありますが、概ねてんかんは発熱時以外にも発作が起こります。

一般的なてんかん発症率の0.5~1%に対して、熱性けいれんが発症した後のてんかんの発症率は2~7.5%程度といわれています。この数字をもとに熱性けいれんとてんかんに何らかの関連があるのでないかという仮説に基づいて現在も研究が行われています。

しかし熱性けいれんを発症したことがある子どもが、てんかんを発症するというはっきりした因果関係の立証は明らかになっていません。
熱性痙攣(けいれん)とは?原因や対応方法、てんかんとの違い、救急車を呼ぶべき状態の見極めかたなどについて詳しく解説します【医師監修】のタイトル画像

熱性痙攣(けいれん)とは?原因や対応方法、てんかんとの違い、救急車を呼ぶべき状態の見極めかたなどについて詳しく解説します【医師監修】

■てんかんと急性脳症
急性脳症は主にウイルス感染症に感染したのをきっかけに、急激に脳に浮腫(むくみ)が生じ、意識レベルが低下する疾患のことをいいます。ウイルスに対して過剰な免疫反応が全身の血管に炎症をおこすことにより、意識障害、けいれん、嘔吐、血圧・呼吸の変化などが起こります。

けいれんや意識障害など、てんかん発作と似た症状を発症しますが、ほとんどのてんかんの原因疾患が分かっていないのに対して、急性脳症はウイルスは身近なインフルエンザウイルスや、突発性発疹などを引き起こすヒトヘルペスウイルス、急性胃腸炎を引き起こすロタウイルスなどが主な病原となっています。てんかんと急性脳症の発症要因は異なるため、治療や予防方法が異なります。
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■てんかんと髄膜炎
髄膜は脳や脊椎を覆っている膜です。髄膜が炎症することによって高熱、激しい頭痛、悪寒、嘔吐など風邪に似た症状が発症し、けいれんや意識障害を引き起こす場合も珍しくありません。

髄膜炎もてんかんと似た症状を引き起こしますが、髄膜炎は髄膜の炎症によって症状が発症するのに対し、てんかんはほとんど原因疾患が明らかになっていません。急性脳症などと同様に発症要因は異なるため、治療や予防方法が異なります。
参考:細菌性髄膜炎とは|国立感染症研究所 NIID
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/404-bac-megingitis.html
次ページ「てんかんと発達障害の合併」

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