てんかんと発達障害の合併

てんかんに合併する症状に自閉症スペクトラム障害やADHD(注意欠如・多動性障害)などの発達障害があります。発達障害は脳機能に先天性の障害があるために、幼児期から発達に何らかの遅れや困難が生じる障害です。

発達障害とてんかんの一部には共通の遺伝子変異があり、脳内の情報伝達を行う神経回路形成に異常が示唆されています。またてんかんを発症していない発達障害者でも発作性の脳波異常が認められることがあります。

脳内の情報伝達は大きく興奮性と抑制性のシグナルによって行われます。てんかんは神経細胞の興奮・抑制バランスが興奮性に傾き、結果として適切な情報伝達が行われず脳波に発作性の異常がみられます。発達障害の場合も同様の偏りが認められています。

てんかんでみられる神経細胞の興奮・抑制バランスの崩れが、どのようにして発達障害を引き起こすのかについて、現時点では因果関係は明らかになっていません。
参考:自閉スペクトラム症とてんかん|(日薬理誌,2016)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/148/2/148_121/_pdf
参考:小児の発達障害とてんかんへの脳波の応用|(臨床脳波,2008)
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I9461061-00?ar=4e1f
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てんかんで障害者手帳を取得するには

てんかんがある方は障害者手帳を取得することができます。合併症がなく、てんかんのみが疾患としてある方は「精神障害者保健福祉手帳」を取得できます。合併症がある場合は、それぞれ身体障害者手帳や療育手帳などと合わせて取得すれば支援の幅が広がります。

精神障害者保健福祉手帳の概要や取得方法はコチラを参考にしてみてください。
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精神障害者保健福祉手帳とは?判定基準やメリット、申請方法まとめ

療育手帳の概要や取得方法はコチラを参考にしてみてください。
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療育手帳とは?受けられるサービスや他の障害者手帳との違いなど【行政書士監修】

障害者手帳の取得に抵抗を感じる方もいると思います。次のリンクはてんかんによる障害者手帳取得に悩んでいた家族のエピソードです。“障害者だから”手帳を持つのではなく、家族を助けてくれる“お守りとして”手帳を持つことにしてから、さまざまな社会的サポートが受けられたという家族の体験談です。
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てんかんも発達障害も対象!精神障害者保健福祉手帳とは

支援制度

てんかんの治療を続けるとなると、経済的に家計への影響は小さくありません。自立支援医療制度や高額療養費制度などを利用することで負担を少しでも減らすこともできます。所得制限などもあるので自治体にお問い合わせください。
◆自立支援医療(精神通院医療)制度
自立支援医療(精神通院医療)は、通院医療費の自己負担を軽減を目的としたてんかんを含む精神障害のある方へ向けた公費負担医療制度です。
自立支援医療(精神通院医療)について|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000146932.pdf
◆高額療養費制度
この制度は、負担の上限金額を超えた高額な医療費を支払った際に、その超過分の払い戻しを受けることのできる健康保険制度です。
下記の厚生労働省のハンドブックの12-15ページをご参照ください。
精神障がい者と家族に役立つ社会資源ハンドブック|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/jiritsushien_project/seika/research_09/dl/result/01-23b.pdf
◆都道府県の心身障害者医療費助成制度
重度の心身の障害がある方が、保険証を使って病院に受診した場合、自己負担金が助成される制度です。

各自治体ごとに、対象となる障害やその度合い、支援内容がかなり異なります。また、この助成を受けるにあたり注意点が2つあります。1点目は65歳以上で平成27年8月1日以降に新たに障害者の診断を受けた場合には、助成の対象とならないことです。2点目は、所得制限が定められているため、生計を同じくしている人の所得が一定額以上の場合には助成の対象外となることです。詳しくはお近くの市役所などにご相談ください。
◆小児慢性特定疾患治療研究事業
小児慢性特定疾病の医療費助成制度とは、小児慢性特定疾病に関する治療を受けた場合にかかる医療費を、一定金額の自己負担金額以外は国が助成してくれる制度です。
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子どもの難病、小児慢性特定疾病とは?医療費の助成制度と自己負担金額の仕組みや福祉サポートを解説!

◆乳幼児医療費助成制度 など
乳幼児医療費助成制度とは乳幼児が医療機関の診察や治療を受けた際の、自己負担費用の一部または全額を自治体が助成してくれる制度です。

目の前でてんかん発作が起こったら?いざと言うときの周りの対処法

てんかんの発作は実にさまざまな発作がありますが、なかでも意識を失うような大発作が起こったときはどう対処すればよいのでしょうか?ここではどのような発作にも広く対処できるように、基本的な対処の心得をまとめました。

基本的な対処の心得

・まずはあわてず、落ち着いて行動する
もし「これはてんかんかも?」と思った場合はまずは落ち着き、次の行動を心がけてください。

・周りの危険物を遠ざけて、安全を確保する
家具を動かすなどし、手足が動いてしまったときにぶつけて怪我をしないように空間を広げてください。また、倒れたときは頭の下にクッションや枕、上着など柔らかいもので頭を支えるようにしてください。

・けいれんを押さえつけたり、意識がはっきりしないうちに薬を飲ませたりしない
けいれんを押さえつけたり、意識がはっきりしないうちに薬を飲ませたりはしないでください。押さえつけてもけいれんは止まりません。また薬を無理やり飲ませると、むせてしまう危険があります。

・発作時の症状を記録する
不謹慎と思わず、発作の症状を撮影・観察してください。「発作かな?」と思われる症状が出始めたら、その様子を観察したり、スマートフォンなどで動画を撮影しておきましょう。医師に発作の症状を伝えるときに非常に役立ちます。

・全身けいれんが5分以上発作が治まらないときは病院へ行くか、119番通報をする
発作がはじまって、5分以上続いたり、何度も繰り返したりするようなら救急車を呼んでください。他にも呼吸の状態がおかしいとき、いつもの発作と様子が違う場合などは、迷わず医療機関を受診するか、119番通報で救急車を呼ぶようにしましょう。
次ページ「てんかん発作の予防策」

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