療育手帳とは?受けられるサービスは?交付の対象や区分、療育手帳の申請方法まとめ

2016/06/04 更新
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知的障害のある方が取得できる療育手帳。持っていると受けられるサービスや支援がたくさんあります。教育面、金銭面をはじめ、将来の就労まで支援してくれるとても大切な制度ですが、複雑で地域によって差異があるのでわかりにくいという声も。そんな方のために、制度からメリット、申請の方法までくわしくご紹介します!

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目次
  • 療育手帳とは?
  • 療育手帳の制度は自治体によって違います
  • 療育手帳の対象は?どういう場合にもらえるの?
  • 療育手帳の区分と判定基準は?
  • 療育手帳のメリット①保育・教育面の援助
  • 療育手帳のメリット②就労に向けての支援が受けられる
  • 療育手帳のメリット③各種サービス・割引を受けられる
  • 療育手帳のメリット④給付・税の減免や控除に役立つ
  • 療育手帳の交付によるデメリットは?
  • 療育手帳の制度の問題点は?
  • 療育手帳の申請方法は?
  • まとめ

療育手帳とは?

「療育手帳」とは、知的障害者に発行される障害者手帳で、知的障害のある方が一貫した療育・援護を受けられるよう、様々な制度やサービスの利用をしやすくすることを目的にしています。療育手帳は都道府県・政令指定都市によって発行され、平成21年度末の統計で約81.6万人が交付を受けています。

そんな療育手帳ですが、取得すべきかどうか悩まれている方も多いようです。そもそも取得でなにができるようになるのか、取得の資格があるのかわからない……という場合もあるようです。

療育手帳を取得することで、さまざまなサービスや割引・給付が受けられるほか、教育を受けたり就労するにあたり配慮や支援を受けやすくもなります。今回は、地域差が大きく実態が見えにくい療育手帳についてくわしくご説明しますので、ぜひ取得検討の参考にしてください。

療育手帳の制度は自治体によって違います

療育手帳制度は、法律で定められた制度ではなく、「療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)」というガイドラインに基づいた制度で、都道府県・政令指定都市ごとに要綱などを制定して行われています。

つまり身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳と違って法令上に規定がありません。そのため、各自治体ごとに制度を独自に作った結果、手帳そのものや受けられるサービスを含め、地域によって違いや差がある、非常に複雑で全体像がわかりにくい制度になっているのです。

例えば、全国的には「療育手帳」と呼ばれていますが、「愛の手帳」(東京都・横浜市)、「みどりの手帳」(埼玉県)、「愛護手帳」(青森県・名古屋市)など違う名称をつけている自治体もあります。発行される自治体によって取得方法から受けられるサービス、給付なども変わります。お住まいの自治体ではどのような制度なのか、具体的な内容はそれぞれの福祉担当窓口に問い合わせる必要があります。

療育手帳の対象は?どういう場合にもらえるの?

・おおむね18歳以前に知的機能障害が認められ、それが持続している。
・標準化された知的検査によって測定された知能指数(IQ)が75以下。(70以下に規定している自治体もある)
・日常生活に支障が生じているため、医療、福祉、教育、職業面で特別の援助を必要とする。

上記の目安に従い、18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所において知的障害と判定された方に対して、交付されます。

療育手帳の区分と判定基準は?

各自治体がそれぞれの判定基準に基づいて、知能検査による知能指数(IQ)と日常生活の様子などから、知的な障害の程度を総合的に判断し、区分を決定しています。

障害の程度により区分がわかれ、受けられるサービスの適用範囲も違いがあります。基本的には重度「A」と重度以外の中軽度「B」の2つの区分にわけられますが、より細かく区分している場合など、自治体によって等級の分け方もさまざまです。

程度区分は障害の重さ(重度~軽度)で分けられます

療育手帳の程度区分は基本的には知的障害の程度によって分けられます。自治体によって、また、本人の年齢によって変わりますが、おおよそ以下の基準を目安に判定されます。ただし、これらは判定基準の一部分について例示したものであり、最終的には総合判定により障害の程度が決められます。

■重度(A)
 ・最重度
 ・重度

■軽度(B)
 ・中度
 ・軽度(B/B2/4度など)

年齢によって判定項目は変わります

取得の判定項目や基準は、年齢によっても変わってきます。特に18歳未満の児童は、年齢に応じて判定の項目も変わります。異なった基準で度数を決定するため、同じ度数でも年齢により異なった状態になる場合があります。

例えば、東京都の「愛の手帳」の、0~6歳未満、6~18歳未満、18歳以上で判定項目や基準が分かれ、人の状況に応じて判定される制度になっています。

療育手帳のメリット①保育・教育面の援助

■保育園への入園
自治体によっては、保護者自身が療育手帳を持っている場合や、療育手帳を持っていて介護が必要な家族がいる場合に優先順位が高くなり、入園しやすくなります。

■特別支援学校への入学
特別支援学校への入学を希望する場合、出願の際に障害の程度を証明するものとして、療育手帳の写しの提出が必要になる場合があります。

療育手帳のメリット②就労に向けての支援が受けられる

療育手帳は、将来のためにも大きな役割を果たします。それは就労の際の様々な制度・支援が受けられるということです。療育手帳の所持者は、特定求職者雇用開発助成金や障害者トライアル奨励金、障害者雇用奨励金などの支給対象障害者となったり、障害者雇用枠での就職ができるなど、障害者向けの雇用制度の対象となるため、就労の可能性が広がります。

療育手帳のメリット③各種サービス・割引を受けられる

療育手帳の提示で様々なサービスが受けられます。以下に代表的な割引やサービスをご紹介します。自治体によって受けられるサービスも変わりますので、ぜひ調べてみてください。

公共交通機関の割引

・JR等鉄道運賃の割引、減免
療育手帳の提示でJRの運賃及び普通急行料金が割引(5割引)になります。その他にも割引になる鉄道会社が数多くあります。

・航空運賃の割引
JAL・ANAでは航空割引の押印がある療育手帳を持っている場合、既定の「身体障がい者割引運賃」が適用されます。

・バス、タクシー運賃の割引など
各バス会社で障害者割引運賃が設定されており、手帳の提示で適用されます。介護人にも適用される場合があります。タクシー運賃も手帳の提示で1割引きになるタクシー会社が多くあります。

障害者医療費の助成

療育手帳の区分によっては、障害者医療費の助成制度の対象となる場合があります。障害者医療費の助成制度とは、重度障害者の方が医療機関等で診療を受けた際の医療費の一部を助成するものです。

災害時の支援

災害発生時に1人で避難することが困難な高齢者や障害のある方に対して、地域の人の協力の中で、安全かつ速やかに行われる支援体制を構築するために「災害時要援護者支援制度」を実施している自治体が数多くあります。療育手帳の区分などの条件を満たせば、この制度の対象者となることができます。

各種料金の割引・減免

・NHK放送: 受信料の全額又は半額が免除されます。
・NTT: ふれあい案内(電話番号案内)の利用料が無料になります。
・有料道路通行料金の割引: 手帳所持者で重度の障害がある場合、事前の登録で高速道路などの有料道路の通行料金が半額になります。
・携帯電話の割引: 携帯会社による料金の割引制度があります。

各種施設のサービス・割引

・レジャー・スポーツ施設
遊園地やプールなどのレジャー施設には、療育手帳を持っていると無料になったり割引が受けられる施設があります。また、利用がスムーズになるよう配慮やサービスを受けられる場合があるので、問い合わせてみるのもよいでしょう。

例えばユニバーサルスタジオジャパンでは、購入の際に手帳原本の提示で、本人と付添者一名につき障害者向け割引スタジオ・パスを購入できます。また、東京ディズニーリゾートでは療育手帳所有者は「ゲストアシスタンスカード」が発行してもらえます。パークでの負担を軽減するため、利用者に合わせたサポートが受けられます。列に長時間並ぶことが困難な方は、待ち時間のあいだ、列の中ではなく別の場所で待機することなどができます。

・美術館・博物館・動物園など 
療育手帳の提示で無料になったり、割引が受けられる施設も多くあります。

・映画館
療育手帳の提示で障害者割引価格が設定されている映画館もあります。

・駐車場
料金の割引や無料での利用ができる駐車場もあります。

療育手帳のメリット④給付・税の減免や控除に役立つ

療育手帳は、金銭面でのサポートも受けるためにも有効です。療育手帳を持っている人が対象になりうる制度をご紹介します。

税制上の優遇措置(障害者控除・税の減免)

療育手帳の交付を受けている人で障害の程度がAと表示されている人は特別障害者、B(またはC)と表示されている人はそれ以外の障害者として障害者控除の適用を受けることができます。年末調整や確定申告時に忘れずに申告しましょう。

・所得税の控除
納税者本人が障害者であるときは、障害者控除として27万円(特別障害者のときは40万円)が所得金額から差し引かれます。控除対象配偶者又は扶養親族が障害者のときは、1人当たり27万円(特別障害者のときは1人当たり40万円)の障害者控除等を受けられます。

控除対象配偶者又は扶養親族が特別障害者で、納税者またはその配偶者もしくは納税者と生計をともにする親族のいずれかと常に同居しているときは、障害者控除として1人当たり75万円が所得金額から差し引かれます。

・住民税の控除
住民税の場合、障害者控除は26万円(特別障害者に該当する場合は30万円)を控除することができます。

・相続税の障害者控除
相続人が障害者である場合は、85歳に達するまでの年数1年につき10万円(特別障害者のときは20万円)が障害者控除として相続税額から差し引かれます。

・自動車税・軽自動車税の減免、自動車取得税の減免
療育手帳の交付を受けている方が使用する車で一定の要件を満たす場合は、申請により自動車税・自動車取得税の減免を受けることができます。

・預貯金が非課税の対象となる(マル優、特別マル優)
療育手帳の交付を受けている人が銀行などの350万円までの預貯金、貸付信託、公社債、公社債投資信託などで受け取る利子などについては、一定の手続を要件に非課税の適用を受けることができます。これをマル優、特別マル優と呼び、利用する際には、預け入れ等の際に、金融機関の窓口などに確認書類として手帳を提示して確認を受ける必要があります。

手当の給付

障害のある子ども・保護者が受給できる手当があります。条件を満たし申請する必要がありますが、年額にするとかなり大きな金額になりますので、受給できるかどうかぜひ福祉相談窓口に問い合わせてみましょう。また、特別児童扶養手当と障害児福祉手当は併給できます。

■障害児福祉手当
重度の障がいの状態にあるため、日常生活において常時介護を必要とする障害児に手当を支給する制度です。20歳未満で、重度の障がいがあるため日常生活において常に介護を必要とし、一定の条件を満たす子どもが対象となります。申請には医師の診断書が必要となります。月額14,790円が支給されます。

■特別児童扶養手当
障害のある20歳未満の児童を養育している保護者に支給されます。子どもが20歳になる誕生月まで受け取れます。法律上、療育手帳を持っていることが必須であるとは明示されていませんが、自治体によって必要書類の一つになっているところもあります。

1級が月額52,200円、手当2級が月額34,770円です(平成31年4月~)が支給されます。(変更の可能性あり)

・支給制限
子どもが福祉施設に入所している場合は支給されません。また、保護者(受給者)や扶養義務者の所得により、所得制限があります。障害児福祉手当・児童扶養手当と併給できます。

■特別障害者手当
精神または身体に著しく重度の障害があり、日常生活において常時特別の介護を必要とする特別障害者に対して、重度の障害のために必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給し、特別障害者の福祉の向上を図ることを目的にしています。重度の療育手帳を持っている人については、特別障害者手当受給申請時の診断書の提出を省略できます。

・対象
精神または身体に著しく重度の障害がある在宅の20歳以上の方に支給されます。目安としてはおおむね、身体障害者手帳1、2級程度及び療育手帳1、2度程度の障害が重複している方、もしくはそれと同等の疾病・精神障害のある方です。

・支給額
月額27,200円(変動の可能性あり)

・支給制限
病院又は診療所に継続して3か月を超えて入院されている方、施設等に入所されている方は支給されません。また、所得制限があり、受給者(申請者)の所得が所得限度額を超える場合や、受給者の配偶者・扶養義務者の所得が所得限度額以上であるときは、手当は支給されません。

療育手帳の交付によるデメリットは?

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